Oracle Solaris 11 のファイルシステムは Oracle Solaris 10 のファイルシステムと非常に似ています。次の表に、今回のリリースでサポートされているファイルシステムを示します。
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全般的なファイルシステムの相違点は次のとおりです。
CacheFS は Oracle Solaris 11 では利用できません。
ZFS はデフォルトのルートファイルシステムです。
UFS はサポートされる旧バージョンのファイルシステムですが、ブート可能なルートファイルシステムとしてはサポートされません。
旧バージョンの Solaris Volume Manager 製品はサポートされますが、Solaris Volume Manager のルートデバイスからブートすることはできません。
ZFS はスワップデバイスとダンプデバイスに個別の ZFS ボリュームを使用します。UFS はスワップデバイスとダンプデバイスの両方に単一のスライスを使用できます。
ルートファイルシステムの階層は、ZFS ルートファイルシステムで Oracle Solaris 10 を実行しているシステムとほぼ同じです。ZFS ルートプールには、システム関連のコンポーネントの個別のディレクトリ (etc、usr、var など) が存在する ZFS ファイルシステムが含まれており、これらのディレクトリはシステムが正常に機能するために利用可能である必要があります。
システムのインストール後、Oracle Solaris ファイルシステムのルートがマウントされます。これは、ファイルおよびディレクトリにアクセスできることを意味します。
ルートファイルシステムのすべてのサブディレクトリのうち、Oracle Solaris OS の一部となっているもの (/var を除く) は、ルートファイルと同じファイルシステムに含まれている必要があります。
Oracle Solaris 11 では、大域ゾーンおよび非大域ゾーンに個別の /var ファイルシステムが自動的に作成されます。
rpool/VARSHARE ファイルシステムはデフォルトで /var/share にマウントされます。このファイルシステムの目的は、ブート環境の間でファイルシステムを共有して、すべての BE で必要となる /var ディレクトリ内の容量を減らすことです。
# ls /var/share audit cores crash mail
互換性のために、前に示した /var コンポーネントから /var/share コンポーネントへのシンボリックリンクが自動的に作成されます。/var コンポーネントでルートファイルシステムがいっぱいにならないように確認することを除き、このファイルシステムは一般に、管理を必要としません。システムアップグレード中、元の /var ディレクトリから /var/share ディレクトリへのデータの移行にいくらか時間がかかる可能性があります。
さらに、スワップデバイスとダンプデバイス以外の Oracle Solaris OS コンポーネントはすべて、ルートプール内に存在している必要があります。
システムのインストール時に、デフォルトのスワップデバイスとダンプデバイスが、ルートプール内の ZFS ボリュームとして自動的に作成されます。スワップデバイスおよびダンプデバイスの両方に同じボリュームを使用することはできません。また、ZFS ルート環境ではスワップファイルは使用できません。スワップデバイスおよびダンプデバイスの構成の変更点を参照してください。
ファイルシステムをマウントする場合は、次の考慮事項を確認してください。
Oracle Solaris 10 リリースと同様に、ZFS ファイルシステムは作成時に自動的にマウントされます。ローカル ZFS ファイルシステムをマウントするために、/etc/vfstab ファイルを編集する必要はありません。
ブート時にマウントされる旧バージョンのローカル UFS ファイルシステムを作成してマウントする場合、以前の Oracle Solaris リリースの場合と同様に、エントリを /etc/vfstab ファイルに追加する必要があります。
ブート時にリモートファイルシステムをマウントする場合、エントリを /etc/vfstab ファイルに追加して、次のサービスを開始する必要があります。
# svcadm enable svc:/network/nfs/client:default
それ以外の場合、ファイルシステムはブート時にマウントされません。