LLDP エージェントは、LLDP パケットまたは LLDPDU でシステムおよび接続情報を送信します。このようなパケットには、TLV 形式で個別にフォーマットされた情報ユニットが含まれています。これらの情報ユニットは TLV ユニットとも呼ばれます。
特定の TLV ユニットは必須であり、LLDP が有効になったときにデフォルトで LLDP パケットに含まれます。lldpadm コマンドを使用して、このようなユニットのいずれかを除外することはできません。
次の TLV ユニットは必須です。
シャーシ ID – hostid コマンドによって生成される情報
ポート ID – 物理 NIC の MAC アドレス
TTL (生存期間)
プロトコルデータユニット (PDU) の終わり
リンクの数に応じて、1 つのシステム内で複数の LLDP エージェントを有効にすることができます。シャーシ ID とポート ID の組み合わせによってエージェントが一意に識別され、システム上のほかのエージェントから区別されます。
使用例 28 シャーシ ID とポート ID の表示次の例では、LLDP エージェントのシャーシ ID およびポート ID を表示します。
# hostid 004e434e
# dladm show-phys -m net4 LINK SLOT ADDRESS INUSE CLIENT net4 primary 0:1b:21:87:8b:b4 yes net4
# lldpadm show-agent -l net4 AGENT CHASSISID PORTID net4 004e434e 00:1b:21:87:8b:b4
Oracle Solaris LLDP エージェントは、シャーシ ID として hostid を使用し、ポート ID としてポートの MAC アドレスを使用します。
オプションの TLV ユニットを LLDP パケットに追加できます。これらのオプションの TLV ユニットにより、ベンダーは通知するベンダー固有の TLV ユニットを挿入できます。LLDP により、組織の一意識別子 (OUI) を使用して追加の TLV ユニットを定義できます。OUI は、OUI が準拠するのが IEEE 802.1 標準か IEEE 802.3 標準かによって、TLV ユニットのカテゴリを識別します。LLDP エージェントのプロパティーを構成して、このようなオプションの TLV ユニットの送信を有効または無効にできます。
次の表は、各 TLV グループ、それに対応する名前、プロパティーごとの TLV ユニット、およびそれらの説明を示しています。LLDP が有効になったときにパケットに含まれる TLV ユニットを指定するには、これらのプロパティーのいずれかを構成します。
各 TLV ユニットにはプロパティーがあり、これらのプロパティーは特定の値を使用してさらに構成できます。TLV ユニットが LLDP エージェントのプロパティーとして有効になった場合、その TLV ユニットは、指定された値のみを使用してネットワーク内で通知されます。たとえば、システムの機能を通知する TLV ユニット syscapab を考えてみます。これらの機能には、ルーター、ブリッジ、リピータ、電話などのデバイスに対するサポートが含まれる可能性があります。ただし、ルーターやブリッジなど、特定のシステム上で実際にサポートされている機能のみが通知されるように syscapab を設定できます。
TLV ユニットを構成するための手順は、グローバルな TLV ユニットまたはエージェントごとの TLV ユニットのどちらを構成するかによって異なります。TLV ユニットの構成方法については、エージェントの LLDP パケットの TLV ユニットと値の指定を参照してください。
グローバルな TLV ユニットは、システム上のすべての LLDP エージェントに適用されます。次の表は、グローバルな TLV ユニットとそれに対応する、取り得る構成を示しています。
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LLDP エージェントに固有の TLV ユニットはエージェント単位で管理されます。エージェントごとの TLV ユニットでは、指定した値は、特定の LLDP エージェントがその TLV ユニットの転送を有効にしたときに使用されます。
次の表は、LLDP エージェントの TLV 値とそれに対応する、取り得る構成を示しています。
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エージェントごとの TLV ユニットについては、データセンターブリッジングを使用した集中ネットワークの管理を参照してください。