プローブが有効になるように DLMP アグリゲーションの probe-ip プロパティーを構成する必要があります。それ以外の場合は、プローブはデフォルトで無効になり、リンクベースの障害検出のみが使用されます。詳細については、プローブベースの障害検出を参照してください。
dladm set-linkprop コマンドで次のデータリンクプロパティーを使用して、プローブベースの障害検出を構成できます。
probe-ip – ソース IP アドレス、ターゲット IP アドレス、またはソースとターゲット IP アドレスのコンマ区切りリストを指定します。これらのアドレスは ICMP プローブに使用されます。
ソースとターゲットを区切るために + を使用できます。ターゲットの IP アドレスまたはホスト名としてターゲットを指定できます。ソースアドレスおよびターゲットアドレスを指定する方法については、DLMP のプローブベースの障害検出の構成方法を参照してください。
probe-vlan-id – ICMP と推移的プローブの両方に使用される VLAN ID を指定します。有効な値は 0 - 4094 です。値 0 は、推移的プローブがタグなしであることを示します。デフォルト値は 0 です。
probe-fdt – 障害検出時間を指定します。予測される障害検出時間の値 (秒単位) を構成できます。デフォルト値は10秒
始める前に
DLMP アグリゲーションを作成します。詳細は、リンクアグリゲーションを作成する方法を参照してください。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の 割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
# dladm show-aggr
ターゲットアドレスを指定しない場合、DLMP アグリゲーションは、ソース IP アドレスと同じサブネット上にあるいずれかの次のホップルーターからターゲット IP を自動的に選択します。
# dladm set-linkprop -p probe-ip=+ aggr
ソース IP アドレスが指定されていない場合は、アグリゲーションおよび VNIC 上に構成されたすべての IP アドレスが、ICMP プローブの潜在的なソース IP アドレスです。大域ゾーンで構成された IP インタフェースのみがソースアドレスとして使用されます。たとえば、DLMP アグリゲーションを使用している非大域ゾーンの IP アドレスは、ソースアドレスとして使用されません。
# dladm set-linkprop -p probe-ip=[source[,...]]+[target[,...]] aggr
プローブのソース IP アドレスを指定します (オプション)。ソース IP アドレスは、次のいずれかの方法で書式設定できます。
probe-ip=IP-address[/prefix-length]+
IP アドレスとその接頭辞の長さ。たとえば、10.130.10.1/24+ とします。
probe-ip=addr-obj-name+
アドレスオブジェクト名。たとえば、vnic1/addr1+ です。
probe-ip=interface-name+
インタフェース名。集約されたインタフェースまたはアグリゲーション上で構成された VNIC の名前。たとえば、[aggr1] です。インタフェースは、構成済み IP アドレスを持つ IP インタフェースである必要があります。
probe-ip=hostname+
ホスト名。たとえば、sdg1+ です
プローブのターゲット IP アドレスを指定します (オプション)。ターゲット IP アドレスを指定するときは、次のいずれかの形式にする必要があります。
probe-ip=+IP-address
たとえば、+10.130.10.1 とします。
probe-ip=+hostname
たとえば、+sdg1 です
アグリゲーションの名前。
# dladm set-linkprop -p probe-vlan-id=probe-VID aggr
ここで、probe-VID は、ICMP と推移的プローブの両方に使用される VLAN ID です。probe-VID の有効な値の範囲は 0 - 4094 です。probe-VID 値 0 は、推移的プローブがタグなしであることを示します。デフォルト値は 0 です。
# dladm set-linkprop -p probe-fdt=fdt aggr
ここで、fdt は指定された障害検出時間 (秒単位) です。デフォルト値は10秒
# dlstat show-aggr -n -P [[t],[i],[all]]
ここで、–P は、表示するプローブのタイプを指定します。プローブのタイプとして次のいずれかをコンマ区切りリストで指定できます。
t – 推移的プローブを表示します。
i – ICMP プローブを表示します。
all – 推移的プローブと ICMP プローブの両方を表示します。
この例は、ソースとプローブの IP アドレスのデフォルトの自動選択を使用して、プローブベースの障害検出を構成する方法を示しています。デフォルトの自動選択を使用するには、DLMP アグリゲーションの ip-probe プロパティーを + に設定する必要があります。
DLMP アグリゲーションを作成します。
# dladm create-aggr -m dlmp -l net0 -l net1 -l net2 aggr1 # dladm show-aggr -x LINK PORT SPEED DUPLEX STATE ADDRESS PORTSTATE aggr0 -- 1000Mb full up 8:0:27:49:10:b8 -- net0 1000Mb full up 8:0:27:49:10:b8 attached net1 1000Mb full up 8:0:27:e4:d9:46 attached net2 1000Mb full up 8:0:27:38:7a:97 attached
集約上に IP インタフェースを作成します。
# ipadm create-ip aggr1
IP アドレスをインタフェースに割り当てます。
# ipadm create-addr -a 192.168.85.137/24 aggr1
プローブベースの障害検出を構成します。
# dladm set-linkprop -p probe-ip=+ aggr1
ソースとターゲットの IP アドレスが指定されていないため、アグリゲーション aggr1 上に構成された IP アドレス 192.168.85.137 が、ICMP プローブのソース IP アドレスになります。
プローブの VLAN ID を設定します。
# dladm set-linkprop -p probe-vlan-id=2100 aggr1
障害検出時間を設定します。
# dladm set-linkprop -p probe-fdt=15 aggr1
設定されているプロパティーを表示します。
# dladm show-linkprop -p probe-ip,probe-fdt aggr1 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE aggr1 probe-ip rw + + -- -- aggr1 probe-fdt rw 15 15 10 1-600
アグリゲーションのプローブの統計情報を表示します。
# dlstat show-aggr -n -P t,i aggr1 TIME AGGR PORT LOCAL TARGET PROBE NETRTT RTT 0.45s aggr1 net0 net0 net1 t16148 -- -- 0.45s aggr1 net0 net0 net1 t16148 0.63ms 0.81ms 1.08s aggr1 net1 net1 net0 t16148 -- -- 1.08s aggr1 net1 net1 net0 t16148 0.72ms 0.99ms 2.07s aggr1 net1 192.168.85.137 192.168.85.137 i15535 -- -- 2.07s aggr1 net1 192.168.85.137 192.168.85.137 i15535 0.18ms 0.54ms
出力に表示されるプローブの統計情報の各フィールドについては、使用例 7を参照してください。