リンクアグリゲーションはベースとなるポートを単一の論理グループにグループ化します。アグリゲーションは、これらのベースとなるポートを排他的に使用し、ほかの操作 (これらのポート上での VNIC の構成や IP アドレスの割り当てなど) は実行できません。ただし、個々のポート上ではなくアグリゲーション上に VNIC を構成できます。
リンクアグリゲーションを作成する前に、これらのポート上にある既存の IP インタフェースを削除する必要があります。
作成したリンクアグリゲーションの上に VLAN を構成し、VNIC を作成することもできます。リンクアグリゲーション上に VLAN を作成する方法については、リンクアグリゲーション上に VLAN を構成する方法を参照してください。
始める前に
トランクアグリゲーションを作成して、トランクアグリゲーションのスイッチを使用する場合、アグリゲーションとして使用されるポートをスイッチ上に構成します。スイッチが LACP をサポートしている場合は、LACP を active または passive モードで構成します。
スイッチを構成するには、スイッチの製造元のドキュメントを参照してください。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の 割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
# dladm show-phys
たとえば、データリンク上に IP インタフェースが作成されている場合は、まずその IP インタフェースを削除します。
# ipadm show-if IFNAME CLASS STATE ACTIVE OVER lo0 loopback ok yes -- net0 ip ok no --
この出力は、データリンク net0 上に IP インタフェースが存在することを示しています。
# ipadm delete-ip interface
ここで、interface はリンク上の IP インタフェースを指定します。詳細は、ipadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
# dladm create-aggr [-f] [-m mode] [-P policy] [-L LACP-mode] \ [-T time] [-u address] -l link1 -l link2 [...] aggr
アグリゲーションを強制的に作成します。このオプションは、リンク状態通知をサポートしていないデバイスを集約しようとする場合に使用します。
モードは次のいずれかの値に設定する必要があります。デフォルトのモードは trunk です。
trunk – IEEE 802.3ad に準拠するリンクアグリゲーションモード
dlmp – データリンクマルチパスモード
(トランクアグリゲーションのみ) アグリゲーションの負荷分散ポリシーを指定します。サポートされる値は L2、L3、および L4 です。詳細は、負荷分散のアグリゲーションポリシーの定義を参照してください。
(トランクアグリゲーションのみ) LACP が使用される場合にそのモードを指定します。サポートされている値は、off、active、または passive です。モードについては、スイッチの使用を参照してください。
(トランクアグリゲーションのみ) LACP タイマー値を指定します。サポートされている値は、short または long です。
アグリゲーションの固定ユニキャストアドレスを指定します。
集約するデータリンクを指定します。
アグリゲーションの名前を指定します。カスタマイズした任意の名前を使用できます。名前を割り当てるルールについては、Oracle Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の 有効なリンク名のための規則を参照してください。
アグリゲーションおよびリンクをステータス情報とともに表示します。
# dladm show-link
ステータスおよびポートごとの情報とともにアグリゲーションを表示します。
# dladm show-aggr -x
アグリゲーションの状態は up であるべきです。
この例は、ベースとなる 2 つのデータリンク net0 および net1 を含むリンクアグリゲーションを作成するコマンドを示しています。また、アグリゲーションは LACP パケットを送信するように構成されます。この例ではまず、ベースとなるデータリンク上の既存の IP インタフェースを削除します。
# ipadm show-if IFNAME CLASS STATE ACTIVE OVER lo0 loopback ok yes -- net0 ip ok no -- # ipadm delete-ip net0 # dladm create-aggr -L active -l net0 -l net1 trunk0 # dladm show-aggr -x LINK PORT SPEED DUPLEX STATE ADDRESS PORTSTATE trunk0 -- 1000Mb full up 8:0:27:49:10:b8 -- net0 1000Mb full up 8:0:27:49:10:b8 attached net1 1000Mb full up 8:0:27:e4:d9:46 attached使用例 2 DLMP アグリゲーションの作成と DLMP アグリゲーション上での IP インタフェースの構成
この例は、DLMP アグリゲーションを作成する方法を示しています。アグリゲーションには、ベースとなる 3 つのデータリンク (net0、net1、および net2) があります。IP インタフェースはアグリゲーション aggr0 上に作成され、VNIC vnic1 もそのアグリゲーション上に作成されます。
# dladm create-aggr -m dlmp -l net0 -l net1 -l net2 aggr0 # dladm show-link LINK CLASS MTU STATE OVER net0 phys 1500 up -- net1 phys 1500 up -- net2 phys 1500 up -- aggr0 aggr 1500 up net0 net1 net2 # dladm show-aggr -x LINK PORT SPEED DUPLEX STATE ADDRESS PORTSTATE aggr0 -- 1000Mb full up 8:0:27:49:10:b8 -- net0 1000Mb full up 8:0:27:49:10:b8 attached net1 1000Mb full up 8:0:27:e4:d9:46 attached net2 1000Mb full up 8:0:27:38:7a:97 attached # ipadm create-ip aggr0 # ipadm create-addr -a local=10.10.10.1 aggr0/v4 # dladm create-vnic -l aggr0 vnic1
次のステップ
IP インタフェースや VNIC の作成など、アグリゲーションの追加の構成を実行できます。非大域ゾーンおよびカーネルゾーンを構成するために、作成されたアグリゲーションを使用できます。
IP インタフェースの作成については、Oracle Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の 第 3 章, Oracle Solaris での IP インタフェースとアドレスの構成および管理を参照してください。
リンクアグリゲーション上の VLAN の構成については、リンクアグリゲーション上での VLAN の構成を参照してください。
VNIC の構成については、Oracle Solaris 11.3 での仮想ネットワークとネットワークリソースの管理 の VNIC と etherstub を構成する方法を参照してください。
ゾーンの構成については、Oracle Solaris ゾーンの作成と使用を参照してください。