次の方法で dladm modify-vlan コマンドを使用して、VLAN を変更できます。
VLAN の VLAN ID を変更します
別のベースとなるリンクに VLAN を移行します
VLAN の VLAN ID を変更するには、次のいずれかのコマンドを使用します。
dladm modify-vlan -v vid –L datalink
ここで、vid は、VLAN に割り当てる新しい VLAN ID を指定します。datalink は、VLAN が構成されているベースとなるリンクを示します。
リンクの VLAN ID を変更する場合は、新しい VLAN ID のスイッチポートも構成する必要があります。
dladm modify-vlan -v vid vlan
このコマンドは、単一のデータリンク上にある複数の VLAN の一意の VLAN ID を変更する場合に使用します。データリンク上の各 VLAN には一意の VLAN ID があるため、VLAN ID は一度に 1 つずつ変更する必要があります。図 8に示されている設定では、net0 上に構成されている web1、auth1、および app1 の VLAN ID を次のように変更します。
# dladm modify-vlan -v 123 web1 # dladm modify-vlan -v 456 app1 # dladm modify-vlan -v 789 auth1
VLAN の削除や再構成を行わずに、VLAN をベースとなるデータリンクから別のベースとなるデータリンクに移行します。ベースとなるリンクは、物理リンク、リンクアグリゲーション、または etherstub です。etherstub の詳細は、Oracle Solaris 11.3 での仮想ネットワークとネットワークリソースの管理 の ネットワーク仮想化コンポーネントを参照してください。
VLAN を正常に移行するには、VLAN の移動先であるベースとなるデータリンクが、VLAN のデータリンクプロパティーに対応できる必要があります。これらのプロパティーがサポートされていない場合、移行は失敗し、ユーザーに通知されます。移行が正常に行われたあとは、VLAN がネットワークに接続されたままであれば、その VLAN を使用しているすべてのアプリケーションが通常の動作を継続します。
ハードウェアに依存する特定のプロパティーは、VLAN の移行後に変更される場合があります。たとえば、VLAN は常に、そのベースとなるデータリンクと同じ MAC アドレスを共有します。したがって、VLAN を移行すると、その VLAN の MAC アドレスは、ターゲットデータリンクのプライマリ MAC アドレスに変更されます。ほかにも、データリンク状態、リンク速度、および MTU サイズのプロパティーが影響を受ける可能性があります。ただし、アプリケーションは中断されることなく動作を継続します。
VLAN の移行は、グローバルに実行することも選択的に実行することもできます。
グローバルな移行は、あるデータリンク上で構成されているすべての VLAN を別のデータリンクに移行するために使用されます。グローバルな移行を実行するには、ソースデータリンクとターゲットデータリンクを指定するだけで済みます。次の例では、ether0 上のすべての VLAN を net1 に移動する方法を示しています。
# dladm modify-vlan -l net1 -L ether0
VLAN の移行先であるターゲットデータリンクを表します。
VLAN が構成されている元のデータリンクを表します。
選択的移行は、選択された VLAN のみを移行するために使用されます。VLAN の選択的な移行を実行する場合は、移動する VLAN を指定します。図 8に基づく次の例では、VLAN は net0 から net3 に移動されます。
# dladm modify-vlan -l net3 web1,auth1,app1
移行を実行する間に、VLAN の VLAN ID を変更できます。図 8を基にして、次の例では、複数の VLAN を移行すると同時にそれらの VLAN ID を変更する方法を示します。
# dladm show-vlan LINK VID SVID PVLAN-TYPE FLAGS OVER web1 111 -- -- ----- net0 auth1 112 -- -- ----- net0 app1 113 -- -- ----- net0 # dladm modify-vlan -l net3 -v 123 web1 # dladm modify-vlan -l net3 -v 456 auth1 # dladm modify-vlan -l net3 -v 789 app1 # dladm show-vlan LINK VID SVID PVLAN-TYPE FLAGS OVER web1 123 -- -- ----- net3 auth1 456 -- -- ----- net3 app1 789 -- -- ----- net3