ピアが同じ値を構成できるように、優先順位ごとに構成された ETS 帯域幅の値 (etsbw-lcl) をピアに対して推奨できます。ETS 帯域幅の値を推奨するために、LLDP エージェントの dot1-tlv タイプの etsreco プロパティーを NIC 上で有効にする必要があります。推奨値はローカルに構成された ETS 値と同じ値を設定できます。または、dladm set-linkprop コマンドを使用して新しいデータリンクプロパティー etsbw-rmt-advice を設定し、明示的に推奨値を構成することもできます。データリンクに割り当てられた帯域幅が非対称である場合、つまり、受信 (Rx) 帯域幅と送信 (Tx) 帯域幅が異なる場合に、etsbw-rmt-advice プロパティーの構成が役立ちます。
デフォルトでは、etsbw-lcl プロパティーの構成値はピアに値を推奨するために使用されます。ただし、etsbw-rmt-advice プロパティーに異なる値を設定して別の ETS 値を推奨できます。たとえば、Tx でのネットワークトラフィックが多い場合、etsbw-lcl プロパティー (ホスト上の Tx) に対して高い ETS 値を構成でき、etsbw-rmt-advice プロパティー (ホストへの Rx) に対して低い ETS 値を構成できます。
使用例 41 ピアに対する ETS 構成の推奨net5 に対する LLDP エージェントの dot1-tlv タイププロパティーを表示して、etsreco プロパティーが有効であることを確認します。
# lldpadm show-agentprop -p dot1-tlv net5 AGENT PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE net5 dot1-tlv rw etsreco,etscfg etsreco, none none,vlanname,pvid, etscfg linkaggr,pfc,appln, evb,etscfg,etsreco, all
ベースとなるリンクの帯域幅の 20% の共有を vnic1 に割り当てます。
# dladm set-linkprop -p etsbw-lcl=20 vnic1 # dladm show-linkprop -p etsbw-lcl vnic1 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE vnic1 etsbw-lcl rw 20 20 0 --
デフォルトでは同じ値がピアに対して推奨されます。
# dladm show-linkprop -p etsbw-rmt-advice vnic1 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE vnic1 etsbw-rmt-advice rw -- 20 0 --
LLDP によって交換された情報を表示します。
# lldpadm show-agent -l -v net5
ピアに対して推奨される帯域幅を表示します。
# dladm show-phys -D ets -r net5 LINK COS ETSBW_RMT_EFFECT ETSBW_RMT_ADVICE CLIENTS -- 0 0 80 net5 1 0 0 -- 2 0 0 -- 3 0 20 vnic1 4 0 0 -- 5 0 0 -- 6 0 0 -- 7 0 0 --
デフォルトでは、net5 の優先順位ごとに etsbw-lcl プロパティーに構成された値が、ピアの推奨値として送信されます。ETSBW_RMT_ADVICE はピアに対して推奨される値を示します。この出力は、ピアがその端に ETS 帯域幅を構成していないことも示します。lldpadm show-agent コマンドを使用して、ピアに対して推奨される帯域幅を表示することもできます。
ピアに対して異なる値を推奨します。
# dladm set-linkprop -p etsbw-rmt-advice=10 vnic1 # dladm show-linkprop -p etsbw-rmt-advice vnic1 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE vnic1 etsbw-rmt-advice rw 10 10 0 --
ピアに対して推奨される帯域幅を表示します。
# dladm show-phys -D ets -r net5 LINK COS ETSBW_RMT_EFFECT ETSBW_RMT_ADVICE CLIENTS -- 0 0 90 net5 1 0 0 -- 2 0 0 -- 3 0 10 vnic2 4 0 0 -- 5 0 0 -- 6 0 0 -- 7 0 0 --
ETSBW_RMT_EFFECT フィールドは vnic2 の値 0 を示します。この値は、帯域幅の値が推奨されている場合でも、ピアがその端に帯域幅を設定していないことを示しています。この状況はピアが LLDP を有効にしていない可能性や、ETS をサポートしていないことを意味します。