LLDP が有効になっており、ベースとなるリンクが DCB をサポートしている場合、デフォルト構成は自動的に設定されます。このデフォルト構成では、cos 値 0 がすべての帯域幅に割り当てられます。ただし、dladm set-linkprop コマンドを使用してデータリンクに cos 値を構成し、一部の帯域幅をそのデータリンクに割り当てることができます。
ETS 構成および推奨の TLV は NIC に対してデフォルトで有効になります。dot1-tlv の取り得る値のリストについては、表 2を参照してください。
pfc TLV を削除する場合は次のコマンドを入力します。
# lldpadm set-agenttlvprop -p dot1-tlv-=pfc agent
PFC 情報を参照するデータリンクプロパティーは、パケットに定義されている優先順位に基づくパケットロス防止に適用されます。ETS プロパティーは、ベースとなるリンクの帯域幅共有の優先順位に基づく割り当てに関連しています。
DCB には次の ETS 関連のプロパティーが用意されています。
cos – データリンクのサービスクラスまたは優先順位を指定します。このプロパティーの値の範囲は 0 から 7 です。デフォルト値は 0 です。cos 値は、このリンク上で転送されるパケットの VLAN タグに設定されます。
etsbw-lcl – データリンクの送信 (Tx) 側に割り当てられた ETS 帯域幅を示します。ベースとなる物理 NIC が DCB 機能を持ち、ETS をサポートしており、リンクの cos プロパティーが 0 に設定されている場合のみ、このプロパティーは構成可能です。このプロパティーの値をデータリンクに設定するには、ベースとなる物理リンクの合計帯域幅の割合を指定します。同じ物理 NIC 上にあるすべてのデータリンクの etsbw-lcl プロパティー値の合計は 100% を超えてはいけません。
etsbw-lcl に定義される帯域幅の割合は、そのデータリンクのみのために予約されてはいません。割り当てられた帯域幅が使用されていない場合は、その物理 NIC 上にあるほかのデータリンクがそれを使用できます。また、帯域幅割り当ては、ホストのトラフィックの送信側だけに適用されます。
etsbw-rmt-advice – ピアに送信される推奨の ETS 帯域幅の値を指定します。デフォルトでは、etsbw-lcl プロパティーのローカル構成値がピアに対して推奨されます。ただし、etsbw-rmt-advice データリンクプロパティーを明示的に構成して、etsbw-lcl プロパティーとは異なる値にすることをお勧めします。
データリンクの帯域幅割り当てが非対称である場合、つまり、受信 (Rx) 帯域幅と送信 (Tx) 帯域幅が異なる場合に、etsbw-rmt-advice プロパティーの構成が役立ちます。明示的に etsbw-rmt-advice プロパティーを設定すると、ETS 推奨 DCBX TLV の伝送が自動的に開始されます。
etsbw-lcl-advice – ピアがローカルホストに送信する、データリンクの推奨の ETS 帯域幅共有を指定します。これは読み取り専用プロパティーです。
etsbw-rmt – データリンクのピア上に構成された帯域幅共有を指定します。これは読み取り専用プロパティーです。
優先順位を設定する場合と VNIC に帯域幅を割り当てる場合は、次のコマンドを使用します。
VNIC に優先順位を設定するには、次のようにします。
# dladm set-linkprop -p cos=value VNIC
ベースとなる物理リンクの帯域幅の割合を VNIC に割り当てるには、次のようにします。
# dladm set-linkprop -p etsbw-lcl=value VNIC
etsbw-lcl プロパティーに割り当てる値は、ベースとなるリンクの合計帯域幅容量に対する割合を表します。クライアントに割り当てるすべての割り当て帯域幅値の合計は、100 パーセントを超えてはいけません。
ピアに送信される帯域幅を明示的に推奨するには、次のようにします。
# dladm set-linkprop -p etsbw-rmt-advice=value VNIC
dladm show-linkprop コマンドを使用して、ローカルホストのデータリンクに実装されている実際の帯域幅共有と、ピアのデータリンク上に構成されている帯域幅共有を決定できます。etsbw-lcl および etsbw-rmt プロパティーの出力の EFFECTIVE フィールド値は、実装されている実際の帯域幅共有を示します。詳細は、ETS 構成情報の表示を参照してください。
特定の優先順位を持つパケットに適切な帯域幅が使用されるようにするには、通信を行うホスト間で ETS 情報が対称になっているか同期されている必要があります。特に、etsbw-lcl-advice の値に合わせて自身の帯域幅共有を調整できるローカルシステムである必要があります。Oracle Solaris システムはピアの ETS 推奨と一致するように自身の ETS 構成を自動的に調整できます。
ETS TLV (etscfg) 構成は、ホストがピアからの ETS 推奨に応答する方法を決定します。この TLV ユニットには構成可能なプロパティーが 1 つだけあり、それは willing です。デフォルトでは、このプロパティーは on に設定され、ローカルホストは自身の ETS 構成をリモートピアの ETS 推奨と同期できます。
ホストが自身の ETS 情報とリモートピアの ETS 情報を同期できることを確認するには、次のコマンドを使用します。
# lldpadm show-agenttlvprop -p willing -a agent etscfg
willing プロパティーが off に設定されている場合は、次のコマンドを入力して同期を確立します。
# lldpadm set-agenttlvprop -p willing=on -a agent etscfg
特定のエージェントの情報の同期を防止するには、次のように willing プロパティーを off に設定します。
# lldpadm set-agenttlvprop -p willing=off -a agent etscfg
この agent は、エージェントが有効になっているデータリンクです。