Oracle® Solaris Studio 12.4: C++ ユーザーズガイド

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更新: 2014 年 12 月
 
 

9.4.2 各種のプロセッサでクラスを直接渡す

C++ コンパイラによって直接渡されるクラスおよび共用体は、C コンパイラが構造体または共用体を渡す場合とまったく同じように渡されます。しかし、C++ の構造体と共用体の渡し方は、アーキテクチャーによって異なります。

表 9-1  アーキテクチャー別の構造体と共用体の渡し方
アーキテクチャー
説明
SPARC V7 および V8
構造体と共用体は、呼び出し元で記憶領域を割り当て、その記憶領域へのポインタを渡すことによって渡されます。つまり、構造体と共用体はすべて参照により渡されます。
SPARC V9
16 バイト (32 バイト) 以下の構造体は、レジスタ中で渡され (返され) ます。共用体およびそのほかのすべての構造体は、呼び出し元で記憶領域を割り当て、その記憶領域へのポインタを渡すことによって渡されます。つまり、小さな構造体はレジスタで渡され、共用体と大きな構造体は参照により渡されます。この結果、小さな値のクラスは基本の型と同じ効率で渡されることになります。
x86 プラットフォーム
構造体と共用体を渡すには、スタックで領域を割り当て、引数をそのスタックにコピーします。構造体と共用体を返すには、呼び出し元のフレームに一時オブジェクトを割り当て、一時オブジェクトのアドレスを暗黙の最初のパラメータとして渡します。