Oracle® Solaris Studio 12.4: C++ ユーザーズガイド

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更新: 2014 年 12 月
 
 

11.2.1 C++ ライブラリの説明

このセクションでは、各 C++ ライブラリについて簡単に説明します。

  • libCrun – コンパイラがデフォルトの標準モード (-compat=5) で必要とする実行時サポートが含まれています。newdelete、例外、RTTI がサポートされます。

    libCstd – C++ 標準ライブラリ。特に、このライブラリには iostream が含まれています。既存のソースで従来の iostream を使用している場合には、ソースを新しいインタフェースに合わせて修正しないと、標準 iostream を使用できません。詳細は、オンラインマニュアルの『Standard C++ Library Class Reference』を参照してください。

  • libiostream-compat=5 で構築した従来の iostreams ライブラリ。既存のソースで従来の iostream を使用している場合は、libiostream を使用すれば、ソースを修正しなくてもこれらのソースを標準モード (-compat=5) でコンパイルできます。このライブラリを使用するには、-library=iostream を使用します。


    注 -  標準ライブラリのほとんどの部分は、標準 iostream を使用することに依存しています。従来の iostream を同一のプログラム内で使用すると、問題が発生する可能性があります。
  • libstlport – C++ 標準ライブラリの STLport 実装。このライブラリを使用するには、デフォルトの libCstd の代わりにオプション -library=stlport4 を指定します。ただし、libstlportlibCstd の両方を同一プログラム内で使用することはできません。インポートしたライブラリを含むすべてを、どちらか一方のライブラリだけを使ってコンパイルしリンクする必要があります。

  • libgc – 展開モードまたはガベージコレクションモードで使用します。libgc ライブラリにリンクするだけで、プログラムのメモリーリークを自動的および永久的に修正できます。プログラムを libgc ライブラリとリンクする場合は、freedelete を呼び出さずに、それ以外は通常どおりにプログラムを記述できます。ガベージコレクションライブラリは、動的読み込みライブラリと依存関係があるため、プログラムをリンクするときは、-lgc および -ldl を指定します。

    詳細については、gcFixPrematureFrees(3) および gcInitialize(3) のマニュアルページを参照してください。

  • libdemangle – C++ 符号化名を復号化するときに使用します。

  • libstdc++-std=c++03 および -std=c++11 モードで使用する、C++ 標準ライブラリの gcc 実装。

  • libgcc_slibstdc++ で使用するコードの実行時サポートが含まれています。

  • libCrunG3-std=c++03 および -std=c++11 モードでコンパイラが必要とする実行時サポートが含まれています。new と delete、例外、RTTI がサポートされます。