Oracle® Solaris Studio 12.4: C++ ユーザーズガイド

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更新: 2014 年 12 月
 
 

12.2 Apache stdcxx 標準ライブラリ

-library=stdcxx4 でコンパイルすることによって、デフォルトの libCstd の代わりに Apache stdcxx Version 4 C++ 標準ライブラリを Solaris で使用してください。このオプションにより、-mt オプションも暗黙的に設定されます。stdcxx ライブラリには、マルチスレッドモードが必要です。このオプションは、コンパイルのたびに、およびアプリケーション全体のリンクコマンドで一貫して使用する必要があります。-library=stdcxx4 を使用してコンパイルされたコードは、デフォルトの -library=Cstd または省略可能な -library=stlport4 を使用してコンパイルされたコードと同じプログラムでは使用できません。

Apache stdcxx ライブラリを使用するときは、次のことに注意してください。

  • stdcxx および iostream のライブラリは、入出力ストリームの固有の実装を提供します。これらのライブラリの 2 個以上を-library オプションを使って指定した場合、プログラム動作が予期しないものになる恐れがあります。

  • Tools.h++ は stdcxx でサポートされません。

  • C++ 区間演算ライブラリ (libCsunimath) は stdcxx でサポートされません。

  • stdcxx ライブラリは、デフォルトの libCstd および STLport と互換性のないバイナリです。標準ライブラリの stdcxx 実装を使用する場合は、-library=stdcxx4 オプションを指定して、サードパーティーのライブラリを含むすべてのファイルのコンパイルおよびリンクを実行する必要があります。