次の手順は、動的再構成 (DR) をサポートするシステムにのみ適用されます。特に、DR の完了後の構成手順を示します。DR プロセスの完了後にネットワークリンクを構成し直す必要はなくなりました。代わりに、取り外した NIC のリンク構成を交換した NIC に移動するだけです。
この手順では、DR 自体の実行手順は示しません。この情報については、使用しているシステムドキュメントを参照してください。
DR の紹介については、Oracle Solaris 11.3 でのデバイスの管理 の 第 2 章, デバイスの動的構成を参照してください。
始める前に
最初に次の手順を完了していることを確認します。
システムが DR をサポートしていることを確認します。
システムでの DR を説明した適切なマニュアルを参照します。
Oracle 製 Sun サーバーの DR に関する最新ドキュメントを見つけるには、http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html で「動的再構成 (dynamic reconfiguration)」を検索します。
Oracle Solaris Cluster 環境での DR の実行については、Oracle Solaris Cluster 4.3 システム管理を参照してください。
# dladm show-phys -L
dladm show-phys -L コマンドで表示される情報タイプの詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。
古い NIC が以前に占有していた場所を新しい NIC が使用しているため、新しい NIC が古い NIC のリンク名と構成を継承します。
# dladm rename-link new-datalink old-datalink
古い NIC が取り外された場所とは異なるスロットに挿入された交換用 NIC のデータリンクを示します。
取り外された古い NIC に関連付けられているデータリンク名を示します。
たとえば、スロット 1 の NIC が取り外され、スロット 2 に新しい NIC が挿入されます。スロット 1 には NIC が挿入されていません。スロット 1 上のデータリンクが net0 で、スロット 2 上のデータリンクが net1 であるとします。次のようにして、新しい NIC のデータリンクが古い NIC のデータリンク構成を継承することを指定します。
# dladm rename-link net1 net0
たとえば、cfgadm コマンドを使用して NIC を構成できます。詳細は、cfgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
dladm show-phys コマンドまたは dladm show-link コマンドのいずれかを使用して、データリンクに関する情報を表示できます。
次の例は、リンク名 net0 の bge カードを e1000g カードに交換する方法を示しています。e1000g がシステムに接続されると、net0 のリンク構成が bge から e1000g に転送されます。
# dladm show-phys -L LINK DEVICE LOCATION net0 bge0 MB net1 ibp0 MB/RISER0/PCIE0/PORT1 net2 ibp1 MB/RISER0/PCIE0/PORT2 net3 eoib2 MB/RISER0/PCIE0/PORT1/cloud-nm2gw-2/1A-ETH-2
cfgadm コマンドを使用して bge カードを取り外してそこに e1000g カードを取り付けるなど、DR 固有の手順を実行します。カードを取り付けると、e1000g0 のデータリンクは自動的に名前 net0 を引き継ぎ、そのリンク構成を継承します。
# dladm show-phys -L LINK DEVICE LOCATION net0 e1000g0 MB net1 ibp0 MB/RISER0/PCIE0/PORT1 net2 ibp1 MB/RISER0/PCIE0/PORT2 net3 eoib2 MB/RISER0/PCIE0/PORT1/cloud-nm2gw-2/1A-ETH-2 # dladm show-link LINK CLASS MTU STATE OVER net0 phys 9600 up --- net1 phys 1500 down --- net2 phys 1500 down -- net3 phys 1500 down ---