単一インタフェースシステムのルーティングの有効化

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単一インタフェースシステムは、静的ルーティングまたは動的ルーティングのいずれかで構成できます。静的ルーティングでは、ホストはデフォルトルーターのサービスを利用してルーティング情報を取得する必要があります。ルーティングプロトコルを使用する動的ルーティングの有効化は、システム上でルーティングを管理するもっとも簡単な方法です。

複数のルーターとネットワークを持つサイトでは、通常そのネットワークトポロジは単一のルーティングドメイン、つまり「自律システム」(AS: Autonomous System) として管理されます。このセクションの手順と例は、次の図をベースにしています。この図では、AS は 3 つのローカルネットワーク 10.0.5.0、172.20.1.0、および 192.168.5.0 に分割されています。ネットワークはルーターとクライアントシステムで構成されており、これにはボーダールーター、デフォルトルーター、パケット転送ルーターが含まれます。クライアントシステムには、マルチホームシステムおよび単一インタフェースシステムが含まれます。これら各コンポーネントの詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのネットワーク配備の計画 の IPv4 自律システムのトポロジを参照してください。

図 2 複数の IPv4 ルーターを備えた自律システム

image:この図では自律システムのトポロジを示しますが、その点については前後のコンテキストでさらに説明します。

単一インタフェースシステムで動的ルーティングを有効にする方法

次の手順は、システムの IP インタフェースがすでに構成されていることを想定しています。ネットワーク上でのルーターの計画に関する詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのネットワーク配備の計画 の IPv4 自律システムのトポロジを参照してください。

管理者になります。
システムが属するネットワークの IP アドレスを使用して、システムの IP インタフェースのいずれかを構成します。
手順については、IPv4 インタフェースを構成する方法を参照してください。
永続的に定義されたルートをすべてシステムから削除します。
この手順を実行するのは、静的に定義されたデフォルトルートが存在するため、システムのブート時にシステムが動的ルーティングを有効にできないためです。
1. 次のようにして、永続的に定義されたデフォルトルートをすべて特定します。
```
# route -p show
```
2. 永続的に定義された各ルートを削除します。
```
# route -p delete -net default -gateway ip-address
```
パケット転送が無効になっていることを確認します。
```
# routeadm -d ipv4-forwarding -u
```
システム上で IPv4 ルーティングを有効にします。
```
# routeadm -e ipv4-routing -u
```

使用例 13 単一インタフェースシステムで動的ルーティングを実行する

次の例は、図 2に示すネットワーク 192.168.5.0 上にある単一インタフェースシステム hosta に動的ルーティングを構成する方法を示しています。システムはルーター 1 をデフォルトルーターとして使用します。この例は、システムの IP インタフェースがすでに構成されていることを想定しています。

まず、管理者の権利で hosta にログインします。次に、永続的に定義されたルートをすべてシステムから削除します。

# route -p show
persistent: route add default 172.20.1.10

# route -p delete default 172.20.1.10
delete net default: gateway 172.20.1.10
delete persistent net default: gateway 172.20.1.10

# routeadm 
              Configuration   Current              Current
                     Option   Configuration        System State
---------------------------------------------------------------
               IPv4 routing   disabled             disabled
               IPv6 routing   disabled             disabled
            IPv4 forwarding   disabled             disabled
            IPv6 forwarding   disabled             disabled

           Routing services   "route:default ripng:default"

Routing daemons:

                      STATE   FMRI
                   disabled   svc:/network/routing/ripng:default
                     online   svc:/network/routing/ndp:default
                   disabled   svc:/network/routing/rdisc:default
                   disabled   svc:/network/routing/legacy-routing:ipv4
                   disabled   svc:/network/routing/legacy-routing:ipv6
                   disabled   svc:/network/routing/route:default

# routeadm -d ipv4-forwarding -u
# routeadm -e ipv4-routing -u
# routeadm
              Configuration   Current              Current
                     Option   Configuration        System State
---------------------------------------------------------------
               IPv4 routing   enabled              enabled
               IPv6 routing   disabled             disabled
            IPv4 forwarding   disabled             disabled
            IPv6 forwarding   disabled             disabled

           Routing services   "route:default ripng:default"

Routing daemons:

                      STATE   FMRI
                   disabled   svc:/network/routing/ripng:default
                     online   svc:/network/routing/ndp:default
                   disabled   svc:/network/routing/rdisc:default
                   disabled   svc:/network/routing/legacy-routing:ipv4
                   disabled   svc:/network/routing/legacy-routing:ipv6
                     online   svc:/network/routing/route:default