Go to main content
Oracle® Solaris 11.3 でのネットワークコンポーネントの構成と管理

印刷ビューの終了

更新: 2016 年 11 月
 
 

WiFi ネットワークに接続する方法

始める前に

次の手順を実行して、ノートブック PC を WiFi ネットワークに接続します。

  1. 管理者になります。
  2. システムに存在するデータリンクの物理属性を表示します。
    # dladm show-phys
    LINK            MEDIA                STATE    SPEED  DUPLEX    DEVICE
    net0            Ethernet             up       1500   full      ath0
    net1            Ethernet             up       1500   full      e1000g0

    前の例では、2 つのリンクが使用可能であることが出力に示されています。デバイス ath0 リンク上の net0 は、WiFi 通信をサポートします。e1000g0 リンクを使用すると、システムを有線ネットワークに接続できます。

  3. WiFi インタフェースを構成します。
    1. WiFi をサポートするインタフェースを作成します。例:
      # ipadm create-ip net0
    2. リンクが plumb されていることを確認します。
      # ipadm show-if
      IFNAME      CLASS        STATE     ACTIVE     OVER
      lo0         loopback     ok        yes        --
      net0        ip           ok        yes        --
  4. 使用可能なネットワークを確認します。
    # dladm scan-wifi
    LINK       ESSID        BSSID/IBSSID       SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
    net0       ofc          00:0e:38:49:01:d0  none     good       g      54Mb
    net0       home         00:0e:38:49:02:f0  none     very weak  g      54Mb
    net0       linksys      00:0d:ed:a5:47:e0  none     very good  g      54Mb
    

    scan-wifi コマンドは、現在の場所で使用可能な WiFi ネットワークに関する情報を表示します。出力には次の情報が含まれます。

    LINK

    WiFi 接続で使用されるリンク名を示します。

    ESSID

    拡張サービスセット識別子を示します。ESSID は WiFi ネットワークの名前であり、特定の無線ネットワークの管理者が任意に設定できます。

    BSSID/IBSSID

    特定の ESSID の一意の識別子である基本サービスセット識別子 (BSSID) を示します。BSSID は、ネットワークに特定の ESSID を提供する、隣接するアクセスポイントの 48 ビットの MAC アドレスです。

    SEC

    無線ネットワークへのアクセスに必要なセキュリティーのタイプを示します。値は、noneWEP、および WPA です。詳細は、セキュアな WiFi 通信の確立を参照してください。

    STRENGTH

    現在の場所で使用可能な WiFi ネットワークからの無線信号の強度を示します。

    MODE

    ネットワークによって実行される 802.11 プロトコルのバージョンを示します。モードは、a、b、g か、あるいはこれらのモードの任意の組み合わせです。

    SPEED

    特定のネットワークの速度 (メガビット/秒) を示します。

  5. 次のいずれかの方法を使用して、WiFi ネットワークに接続します。
    • 信号強度のもっとも高い、セキュリティー保護されていない WiFi ネットワークに接続します。
      # dladm connect-wifi
    • ESSID を指定することによって、セキュリティー保護されていないネットワークに接続します。
      # dladm connect-wifi -e ESSID

      dladm connect-wifi コマンドの使用に関する詳細は、セキュアな WiFi 通信の確立およびdladm(1M) のマニュアルページを参照してください。

  6. 次のようにして、システムの接続先の WiFi ネットワークのステータスを確認します。
    # dladm show-wifi
    LINK       STATUS        ESSID       SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
    net0       connected     ofc         none    very good   g      36Mb

    前の出力は、システムが ofc ネットワークに接続されていることを示しています。この手順の手順 4 の scan-wifi の出力は、使用可能なネットワークで ofc の信号強度がもっとも高いことを示していました。別の無線ネットワークを明示的に指定しないかぎり、dladm connect-wifi コマンドは、信号強度のもっとも高い WiFi ネットワークを自動的に選択します。

  7. 次のいずれかの方法を使用して、インタフェースの IP アドレスを構成します。
    • DHCP サーバーから IP アドレスを取得します。
      # ipadm create-addr -T dhcp interface

      WiFi ネットワークで DHCP がサポートされていない場合は、次のメッセージが表示されます。

      ipadm: interface: interface does not exist or cannot be managed using DHCP
    • 静的 IP アドレスを構成します。
      # ipadm create-addr -a address interface

      このオプションは、システムに専用の IP アドレスがある場合に使用します。

  8. 次のいずれかの方法で、WiFi ネットワーク経由でインターネットにアクセスします。
    • アクセスポイントが無料のサービスを提供している場合は、ブラウザまたは任意のアプリケーションを実行できます。
    • アクセスポイントが料金を必要とする商用 WiFi ネットワーク内にある場合は、その場所で提供されている手順に従います。

      通常、このオプションでは鍵および支払い方法を指定する必要があります。

  9. 次のいずれかの方法でセッションを終了します。
    • WiFi セッションを終了しますが、システムは実行中のままにします。
      # dladm disconnect-wifi 
    • 現在、複数のセッションが実行されている場合は、特定の WiFi セッションを終了します。
      # dladm disconnect-wifi link

      ここで、link はセッションに使用されているインタフェースを表します。

    • WiFi セッションの実行中に、システムを正常にシャットダウンします。
      # shutdown -g0 -i5

      システムをシャットダウンする前に WiFi セッションを明示的に切断する必要はありません。

使用例 30  特定の WiFi ネットワークへの接続

次の例は、Oracle Solaris システムを無線ネットワークに接続するときに実行する複数の異なる手順を組み合わせたものです。この例は、OS で任意の無線ネットワークを選択する代わりに、希望する特定の無線ネットワークにシステムを強制的に接続する方法も示しています。次の例では、ノートブック PC で使用する静的 IP アドレスとして 10.192.16.3/24 が割り当てられているものとします。

# dladm show-phys
LINK            MEDIA                STATE    SPEED  DUPLEX    DEVICE
net0            Ethernet             up       1500   full      ath0
net1            Ethernet             up       1500   full      e1000g0

# ipadm create-ip net0
# ipadm show-if net0
IFNAME      CLASS        STATE     ACTIVE     OVER
lo0         loopback     ok        yes        --
net0        ip           ok        yes        --

# dladm scan-wifi
LINK       ESSID        BSSID/IBSSID       SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
net0       wifi-a       00:0e:38:49:01:d0  none     weak       g      54Mb
net0       wifi-b       00:0e:38:49:02:f0  none     very weak  g      54Mb
net0       ofc-net      00:0d:ed:a5:47:e0  wep      very good  g      54Mb
net0       citinet      00:40:96:2a:56:b5  none     good       b      11Mb

# dladm connect-wifi -e citinet
# dladm show-wifi
LINK       STATUS        ESSID         SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
net0       connected     citinet       none    good       g      11Mb

# ipadm create-addr -a 10.192.16.3/24 net0
ipadm: net0/v4
# ipadm show-addr net0
ADDROBJ           TYPE     STATE        ADDR
net0/v4           static   ok           10.192.16.3/24

ブラウザまたは別のアプリケーションを開始して、WiFi ネットワーク経由で作業を開始します。

# firefox

セッションを終了しますが、PC は実行中のままにします。

# dladm disconnect-wifi
# dladm show-wifi
LINK       STATUS        ESSID         SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
net0       disconnected   --            --       --       --       --

show-wifi の出力によって、net0 リンクが WiFi ネットワークから切り離されたことを確認できます。