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Oracle SuperCluster M7 シリーズセキュリティーガイド

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更新: 2016 年 2 月
 
 

FIPS-140-2 レベル 1 コンプライアンス

SuperCluster にホストされている暗号化アプリケーションは、FIPS 140-2 レベル 1 に準拠しているかどうかが検証される Oracle Solaris の暗号化フレームワーク機能に依存します。Oracle Solaris 暗号化フレームワークは、Oracle Solaris の主要な暗号化ストアであり、ユーザー空間とカーネルレベルのプロセスをサポートする 2 つの FIPS 140 検証済みモジュールを提供します。これらのライブラリモジュールは、アプリケーションに暗号化、復号化、ハッシュ処理、署名の生成と検証、証明書の生成と検証、およびメッセージ認証機能を提供します。これらのモジュールを呼び出すユーザーレベルのアプリケーションは、FIPS 140 モードで実行されます。

Oracle Solaris 暗号化フレームワークに加えて、Oracle Solaris にバンドルされている OpenSSL オブジェクトモジュールも、Secure Shell と TLS プロトコルに基づいたアプリケーションの暗号化をサポートする FIPS 140-2 レベル 1 に準拠しているかどうかが検証されます。クラウドサービスプロバイダは、FIPS 140 準拠モードでテナントホストが有効になるように選択できます。FIPS 140-2 プロバイダである Oracle Solaris および OpenSSL が FIPS 140 準拠モードで実行されている場合は、FIPS 140 検証済みの暗号化アルゴリズムが強制的に使用されます。

(必要な場合) FIPS-140 準拠の動作の有効化 (Oracle ILOM)も参照してください。

この表は、SuperCluster M7 上の Oracle Solaris でサポートされている FIPS 承認済みのアルゴリズムが一覧表示されています。

鍵または CSP
証明書番号
v1.0
v1.1
対称鍵
AES: 128 ビット、192 ビット、256 ビットの鍵サイズに対応した ECB、CBC、CFB-128、CCM、GMAC、GCM、CTR モード
#2311
#2574
AES: 256 ビットと 512 ビットの鍵サイズに対応した XTS モード
#2311
#2574
TripleDES: 鍵オプション 1 に対応した CBC および ECB モード
#1458
#1560
非対称鍵
RSA PKCS#1.5 署名の生成/検証: 1024 ビット、2048 ビット (SHA-1、SHA-256、SHA-384、SHA-512 を使用)
#1194
#1321
ECDSA 署名の生成/検証: P-192、P-224、P-256、P-384、P-521、K-163、K-233、K-283、K-409、K-571、B-163、B-233、B-283、B-409、B-571
#376
#446
Secure Hashing Standard (SHS)
SHA-1、SHA-224、SHA-256、SHA-384、SHA-512
#1425
#1596
(Keyed-) ハッシュベースのメッセージ認証
HMAC SHA-1、HMAC SHA-224、HMAC SHA-256、HMAC SHA-384、HMAC SHA-512
#1425
#1596
乱数ジェネレータ
swrand FIPS 186-2 乱数ジェネレータ
#1154
#1222
n2rng FIPS 186-2 乱数ジェネレータ
#1152
#1226

Oracle Solaris システムでは、FIPS 140-2 レベル 1 について検証された暗号化アルゴリズムのプロバイダが 2 つ提供されています。

  • Oracle Solaris の暗号化フレームワーク機能は、Oracle Solaris システム上の主要な暗号化ストアであり、2 つの FIPS 140 モジュールを提供します。ユーザーランドモジュールは、ユーザー空間で動作するアプリケーションに暗号化を提供し、カーネルモジュールは、カーネルレベルのプロセスに暗号化を提供します。これらのライブラリモジュールは、アプリケーションに暗号化、復号化、ハッシュ処理、署名の生成と検証、証明書の生成と検証、およびメッセージ認証機能を提供します。これらのモジュールを呼び出すユーザーレベルのアプリケーション (passwd コマンドや IKEv2 など) は、FIPS 140 モードで実行されます。カーネルレベルのコンシューマ (Kerberos や IPsec など) は、独自の API を使用してカーネル暗号化フレームワークを呼び出します。

  • OpenSSL オブジェクトモジュールは、SSH および Web アプリケーション用の暗号化を提供します。OpenSSL は、Secure Sockets Layer (SSL) および Transport Layer Security (TLS) プロトコル用のオープンソースのツールキットであり、暗号化ライブラリを提供します。Oracle Solaris では、SSH および Apache Web Server が OpenSSL FIPS 140 モジュールのコンシューマです。Oracle Solaris では、OpenSSL の FIPS 140 バージョンにすべてのコンシューマが使用できる Oracle Solaris 11.2 が付属していますが、Oracle Solaris 11.1 に付属するバージョンは Solaris SSH のみが使用できます。FIPS 140-2 プロバイダモジュールは CPU を集中的に使用するため、デフォルトでは有効になっていません。管理者には、FIPS 140 モードでプロバイダを有効にし、コンシューマを構成する責任があります。

Oracle Solaris での FIPS-140 プロバイダの有効化の詳細は、見出し「Oracle Solaris 11 オペレーティングシステムのセキュリティー保護」(http://docs.oracle.com/cd/E36784_01) の下に表示される『Using a FIPS 140 Enabled System in Oracle Solaris 11.2』というタイトルのドキュメントを参照してください。