コンピュータは、広範囲の周辺デバイスと大容量ストレージデバイス (ドライブ、プリンタなど) を使用します。Oracle Solaris ソフトウェアは、これらのすべてのデバイスと直接には通信を行いません。各タイプのデバイスに異なるデータ形式、プロトコル、および転送速度が必要になります。
デバイスドライバは、オペレーティングシステムが特定のハードウェアと通信できるようにする低レベルのプログラムです。ドライバは、そのハードウェアに対するオペレーティングシステムの「インタプリタ」として動作します。
ドライバの構成をカスタマイズするには、デバイスごとのパラメータ、またはそのドライバの構成ファイルのグローバルプロパティーを追加または変更します。追加または変更は、システムのすべてのデバイスに影響します。Oracle Solaris 11 リリースでは、ドライバのカスタマイズは以前のリリースの /kernel ディレクトリではなく、/etc/driver/drv ディレクトリで行われます。/etc/driver/drv ディレクトリ内のファイルは、アップグレード時に保持されます。このため、システムをアップグレードしてもドライバのカスタマイズは上書きされません。
# cp /kernel/drv/sd.conf /etc/driver/drv/sd.conf
たとえば、sd.conf には、ターゲット 0、LUN 0 の sd デバイス用の次のエントリが含まれます。
name="sd" class="scsi" target=0 lun=0;
このデバイス用の retries パラメータを追加するには、既存のエントリを次のように変更します。
name="sd" class="scsi" target=0 lun=0 retries=4;
# prtconf -vu sd, instance #1 Admin properties: name='retries' type=int items=1 value=00000004