このセクションでは、システムのディスクを管理するための Oracle Solaris の機能について説明します。
Oracle Solaris は、サイズが最大 2T バイトのディスクにインストールしてブートできます。このサポートは、次のシステムに適用されます。
更新された OBP を持つ SPARC プラットフォーム。ただし、SPARC のブートローダーは変更されません。
GRUB 2 をデフォルトのシステムブートローダーとして使用する x86 プラットフォーム。
どちらのシステムタイプの場合でも、2T バイトのディスクは 1.5G バイト以上のメモリーを搭載するシステムに接続されている必要があります。
EFI (GPT) パーティショニングを使用すると、ブートデバイスのすべてのディスク領域を Oracle Solaris のインストールに使用できます。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 システムのブートとシャットダウン の 第 2 章, GRand Unified Bootloader の管理を参照してください。
ディスク管理ユーティリティーは、この機能に対応するように拡張されています。たとえば、fdisk ユーティリティーは最大 2T バイトのパーティションをサポートできます。ただし、EFI 以外のほかのパーティションには、制限が課せられる場合があります。サイズが 2T バイトより大きいディスクに対してユーティリティーを実行すると、ユーティリティーは 2T バイトより大きい EFI 以外のパーティションは作成できないと警告します。
Oracle Solaris インストールプログラムは、DVD、USB、および自動インストール方法を使用して、EFI (GPT) ディスクラベルを ZFS ルートプールディスクにインストールできます。UEFI ファームウェアのサポートおよび GRUB 2 の導入により、GPT ラベル付きディスクからブートする機能が提供されます。このため、次のプラットフォームでディスク全体を ZFS ルートプールディスクまたはディスクに使用できます。
GPT 対応のファームウェアを持つ SPARC ベースのシステム
ほとんどの x86 ベースのシステム
SPARC ベースのシステムでは、ルートファイルシステムはスライス 0 に含まれています。x86 ベースのシステムでは、ルートファイルシステムはパーティション 1 に含まれています。
zpool コマンドは EFI (GPT) ラベルをサポートできます。ルートプールの再作成、または代替ルートプールの作成を行うには、zpool create –B コマンドを使用します。このコマンドオプションを指定すると、ブートに必要なスライスと情報が作成されます。zpool replace コマンドを使用して、EFI (GPT) ラベル付きディスクのあるルートプール内のディスクを交換する場合は、ブートローダーも再インストールする必要があります。
Oracle Solaris は、大容量ディスク (Advanced Format (AF) ディスクとも呼ばれます) をサポートできます。AF ディスクは、以前のリリースでサポートされていた従来の 512 バイトのブロックサイズを超えるハードディスクドライブです。
AF ディスクは、通常 4 バイトの範囲のブロックサイズを利用しますが、次のように異なるものがあります。
4K バイトネイティブディスク (4kn) は、4K バイトの物理および論理ブロックサイズを利用します
512 バイトエミュレーション (512e) は、4K バイトの物理ブロックサイズを利用しますが、512 バイトの論理ブロックサイズを報告します
Oracle Solaris は、512 バイトのネイティブ (512n) ディスクもサポートされます。これは 512 バイトのブロックサイズの従来のディスクです。
Advanced Format ドライブを購入する前に、512e デバイスにパワーセーフ機能があることをデバイスの製造元に確認してください。この機能は、データ転送中に電源障害があった場合のデータ損失を防止します。
システムのディスクが AFD でサポートされているディスクであるかどうかを判別するには、devprop コマンドを使用します。
# devprop -n device-path
次の例は、異なるディスクタイプでのコマンドの出力を示しています。
4K バイトのネイティブディスクの場合
# devprop -n /dev/rdsk/c0t0d0s0 device-blksize device-pblksize 4096 4096
512n ディスクの場合
# devprop -n /dev/rdsk/c1t0d0s0 device-blksize device-pblksize 512 512
512e ディスクの場合
# devprop -n /dev/rdsk/c2t0d0s0 device-blksize device-pblksize 512 4096
Oracle Solaris では、Solaris iSCSI ターゲットおよびイニシエータソフトウェアで iSNS (Internet Storage Name Service) プロトコルがサポートされます。iSNS プロトコルによって、TCP/IP ネットワーク上での iSCSI デバイスの発見、管理、および構成を自動化できます。
サードパーティー iSNS サーバーを使用するように Oracle Solaris ターゲットを構成する方法については、COMSTAR を使用したストレージデバイスの構成を参照してください。
Oracle Solaris リリースでの Solaris iSNS サーバーによる Solaris iSCSI ターゲットの構成については、Oracle Solaris Internet Storage Name Service (iSNS) の構成と管理を参照してください。
/dev/chassis ディレクトリは、物理的な場所を含むデバイス名を提供しています。デバイスの交換や変更が必要になった場合、この情報を使ってデバイスの物理的な位置を特定できます。ディスクの情報を表示するコマンドのリスト、および物理的な場所の情報を取得する例については、ディスクの物理的な場所の表示を参照してください。