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Oracle® Solaris 11.3 でのデバイスの管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

ディスク情報の取得

ディスクを識別しやすくするには、ディスクに別名を割り当てます。次のコマンドを使用します。

# fmadm add-alias chassis-name.chassis-serial alias-id

別名が特定のディスクのシャーシ名およびシャーシのシリアル番号にマップされるように、命名規則を設定できます。次の例は、ディスクの別名に、シャーシ名 SUN-Storage-J4200、シリアル番号 0905QAJ00E をマップしています。

# fmadm add-alias SUN-Storage-J4200.0905QAJ00E J4200@RACK10:U24-25

ディスクへの別名の割り当ての詳細は、fmadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

システム上のディスクの確認

ディスクを識別するには、format コマンドを発行して Format ユーティリティーを起動します。このコマンドは、次の例のようにシステム上のディスクを表示します。

# format
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
0. c2t0d0 <SUN36G cyl 14087 alt 2 hd 24 sec 424>
/pci@1c,600000/scsi@2/sd@0,0
/dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__0/disk
1. c2t1d0 <SUN72G cyl 14087 alt 2 hd 24 sec 424>
/pci@1c,600000/scsi@2/sd@1,0
/dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__1/disk
Specify disk (enter its number): 

このコマンドは、AVAILABLE DISK SELECTIONS の下に認識されているディスクのリストを表示します。この例の最初のエントリを見ると、ディスク 0 またはターゲット 0 は 2 番目の SCSI ホストアダプタ (scsi@2) に接続されています。また、そのホストアダプタは 2 番目の PCI インタフェース (/pci@1c,600000/...) に接続されています。ディスクの物理デバイス名と論理デバイス名は、括弧 <> 内に示される商品名 SUN36G に対応しています。

この関連付けによって、どの論理デバイス名がシステムに接続されたディスクを表しているかを識別できます。論理デバイス名と物理デバイス名については、デバイス名の命名規則を参照してください。

ディスクの中には商品名を持たないものもあります。この場合は、このユーティリティーを使用してディスクにラベルを付け、必要に応じて、タイプを識別します。ディスクラベルの作成を参照してください。

ワイルドカードを使用して、ディスクの情報を表示できます。たとえば、前の出力例のコントローラ 0 に接続されているディスクを表示するには、次のコマンドを入力します。

# format /dev/rdsk/c2t*

Format ユーティリティーがディスクを認識しない場合は、ディスクのハードウェアドキュメントを確認して、システムにディスクを接続します。または、次のセクションの代替の手順を使用してディスクを識別します。

スライスまたはパーティション情報の表示

Format ユーティリティーの 2 つのオプション (つまり、partitionfdisk) を使用すると、ディスクのパーティションまたはスライスを管理できます。fdisk オプションは、特に x86 ベースのシステムでパーティションを管理するために使用します。このため、これらのパーティションは、fdisk パーティションとも呼ばれます。


注 -  Solaris スライスはパーティションと呼ばれることがあります。インタフェースによっては、「パーティション」の代わりに「スライス」という用語を使用します。混乱を避けるため、Oracle Solaris のドキュメントでは、fdisk パーティションと Solaris fdisk パーティション内のエンティティーを区別しています。「スライス」または「パーティション」と呼ばれるのは、後者です。

管理しやすくするには、ZFS ストレージ非ルートプールを作成するときに、ディスクスライスではなくディスク全体を使用します。ディスクスライスを使用する必要が生じるのは、ディスクが ZFS ルートプールで使用するためのものである場合だけです。ディスク全体を使ってプールを作成すると、EFI ラベルが適用されます。ルートプールディスクとして使用するディスクを準備する必要がある場合は、使用例 31に示すように、ディスクの全容量を含むスライス 0 を作成します。

ZFS ストレージプールで使用するディスクの設定については、ディスクへの ZFS の設定を参照してください。

スライスまたはパーティションの情報を表示するには、Format ユーティリティーを起動したあとに、次の一般的な手順を実行します。

  1. Format Menu の format > プロンプトで、partition と入力します。

    x86 ベースのシステムを使用している場合は、fdisk と入力します。

  2. partition > プロンプトで、print と入力します。

    format > プロンプトで fdisk と入力した場合は、print と入力する必要はありません。

次のリストは、パーティション情報の意味を説明しています。実際に表示されるパーティション情報は、ラベルに応じて異なります。

Part

パーティションまたはスライスの番号。VTOC ラベル付きディスクの場合、パーティションは 0–7 です。EFI ラベル付きディスクの場合、パーティションは 0–6 です。

Tag

パーティションにマウントされているファイルシステム。

Flag

特定のパーティションに適用されている次の状態の組み合わせ: 書き込み可能 (w)、マウント可能 (m)、読み取り可能 (r)、アンマウント可能 (u)。たとえば、wu_rm はスワップ領域に予約されているパーティションのフラグです。

Cylinders

VTOC ラベル付きのディスクにのみ適用され、スライスの開始シリンダ番号および終了シリンダ番号を示します。

Size

スライスまたはパーティションのサイズ (MB)。

Blocks

VTOC ラベル付きのディスクにのみ適用され、合計シリンダ数と 1 スライス当たりの合計セクター数を示します。

First Sector

EFI ラベル付きのディスクにのみ適用され、開始ブロック番号を示します。

Last Sector

EFI ラベル付きのディスクにのみ適用され、終了ブロック番号を示します。

使用例 31  VTOC ラベル付きのディスクのスライス情報

この例では、管理しているディスクを c2t3d0 と想定しています。

format> partition
partition> print
Current partition table (c2t3d0):
Total disk cylinders available: 14087 + 2 (reserved cylinders)

Part      Tag    Flag     Cylinders         Size            Blocks
0       root    wm       0 - 14086      136.71GB    (14087/0/0) 286698624
1       swap    wu       0                0         (0/0/0)             0
2     backup    wu       0 - 14086      136.71GB    (14087/0/0) 286698624
3 unassigned    wm       0                0         (0/0/0)             0
4 unassigned    wm       0                0         (0/0/0)             0
5 unassigned    wm       0                0         (0/0/0)             0
6        usr    wm       0                0         (0/0/0)             0
7 unassigned    wm       0                0         (0/0/0)             0
partition> q
format> q
使用例 32  EFI ラベル付きのディスクのスライス情報

この例では、管理しているディスクを c2t3d0 と想定しています。

format> partition
partition> print
Current partition table (default):
Total disk sectors available: 286722878 + 16384 (reserved sectors)

Part      Tag    Flag     First Sector         Size         Last Sector
0        usr    wm                34      136.72GB          286722911
1 unassigned    wm                 0           0               0
2 unassigned    wm                 0           0               0
3 unassigned    wm                 0           0               0
4 unassigned    wm                 0           0               0
5 unassigned    wm                 0           0               0
6 unassigned    wm                 0           0               0
7   reserved    wm         286722912        8.00MB          286739295
partition> q
format> q
使用例 33  EFI (GPT) ラベル付きのディスクのスライス情報

この例では、管理しているディスクを c2t0d0 と想定しています。

format> partition
partition> print
Current partition table (original):
Total disk sectors available: 27246525 + 16384 (reserved sectors)
Part      Tag    Flag     First Sector        Size        Last Sector
0  BIOS_boot    wm               256     256.00MB         524543
1        usr    wm            524544      12.74GB         27246558
2 unassigned    wm                 0          0              0
3 unassigned    wm                 0          0              0
4 unassigned    wm                 0          0              0
5 unassigned    wm                 0          0              0
6 unassigned    wm                 0          0              0
7   reserved    wm          27246559       8.00MB         27262942
partition> q
format> q
使用例 34  fdisk コマンドを使用したパーティション情報の表示

Format ユーティリティーの fdisk オプションでは、partition オプションと同様のパーティション情報が表示されますが、パーティションタイプも含まれています。次の例では、ディスクに EFI パーティションおよび Solaris パーティションがあり、Solaris パーティションがアクティブになっています。

format> fdisk
Part      Tag    Flag     First Sector         Size         Last Sector
  0  BIOS_boot    wm               256      256.00MB          524543
  1        usr    wm            524544       68.11GB          143358320
  2 unassigned    wm                 0           0               0
  3 unassigned    wm                 0           0               0
  4 unassigned    wm                 0           0               0
  5 unassigned    wm                 0           0               0
  6 unassigned    wm                 0           0               0
            
             Total disk size is 8924 cylinders
             Cylinder size is 16065 (512 byte) blocks

                                               Cylinders
      Partition   Status    Type          Start   End   Length    %
      =========   ======    ============  =====   ===   ======   ===
          1                 EFI               1     6       6      0
          2       Active    Solaris2          7  8925    8919    100

ディスクラベル情報の表示

ディスクラベル情報を表示するには、prtvtoc コマンドを使用します。

# prtvtoc path/device-name

ここで、device-name は検査する patch にある raw ディスクデバイスです。


注 -  このコマンドを使用するには、適切な管理権利を持っている必要があります。Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の 割り当てられている管理権利の使用を参照してください。

この情報は、現在のディスクのラベルに応じて異なります。VTOC ラベル付きのディスクでは、トラックおよびシリンダに関する情報が含められます。EFI ラベル付きのディスクでは、トラックまたはシリンダの情報は提供されません。

使用例 35  VTOC ラベル付きのディスクのラベル情報
# prtvtoc /dev/rdsk/c2t3d0s0
* /dev/rdsk/c2t3d0s0 partition map
*
* Dimensions:
*     512 bytes/sector
*     848 sectors/track
*      24 tracks/cylinder
*   20352 sectors/cylinder
*   14089 cylinders
*   14087 accessible cylinders
*
* Flags:
*   1: unmountable
*  10: read-only
*
*                          First     Sector    Last
* Partition  Tag  Flags    Sector     Count    Sector  Mount Directory
0      2    00          0 286698624 286698623
2      5    01          0 286698624 286698623
使用例 36  EFI ラベル付きのルートプールディスクのラベル情報
# prtvtoc /dev/dsk/c7t0d0s1
* /dev/dsk/c7t0d0s1 partition map
*
* Dimensions:
*     512 bytes/sector
* 156301488 sectors
* 156301421 accessible sectors
*
* Flags:
*   1: unmountable
*  10: read-only
*
* Unallocated space:
*       First     Sector    Last
*       Sector     Count    Sector
*          34       222       255
*
*                          First     Sector    Last
* Partition  Tag  Flags    Sector     Count    Sector  Mount Directory
0     24    00        256    524288    524543
1      4    00     524544 155760527 156285070
8     11    00  156285071     16384 156301454
~#
使用例 37  EFI ラベル付きの非ルートプールディスクのラベル情報
# prtvtoc /dev/dsk/c8t3d0
* /dev/dsk/c8t3d0 partition map
*
* Dimensions:
*     512 bytes/sector
* 143374738 sectors
* 143374671 accessible sectors
*
* Flags:
*   1: unmountable
*  10: read-only
*
* Unallocated space:
*       First     Sector    Last
*       Sector     Count    Sector
*          34       222       255
*
*                          First     Sector    Last
* Partition  Tag  Flags    Sector     Count    Sector  Mount Directory
0      4    00        256 143358065 143358320
8     11    00  143358321     16384 143374704

ディスクの物理的な場所の表示

ディスクの物理的な場所を表示する場合は、croinfo コマンドを使用すると、特定のディスクに関連するシャーシ、受容体、および占有装置に関する情報が表示されます。

$ croinfo
D:devchassis-path                 t:occupant-type   c:occupant-compdev
-----------------------------------------------------  ------------------
/dev/chassis/SYS/HDD0/disk        disk              c2t0d0
/dev/chassis/SYS/HDD1/disk        disk              c2t1d0
/dev/chassis/SYS/HDD2/disk        disk              c2t2d0

croinfo コマンドに別のオプションを使用すると、特定のディスクに関する情報のみを表示できます。

  • croinfo –c disk は、特定のディスクに関する情報のみを表示します。disk は、c:occupant-compdev 列にリストされているコンポーネントを示しています。

  • croinfo –c disk –o cp は、特定のディスクがシステムにインストールされたときのパスを表示します。

ほかのオプションについては、croinfo(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 -  format コマンドは、物理デバイスの場所の情報も提供します。システム上のディスクの確認の出力例を参照してください。

ほかのコマンドでもデバイスの場所が表示されます。次の例は、これらのコマンドを使用して、デバイスの識別および場所の特定を行う方法を示しています。

使用例 38  diskinfo コマンドの使用方法

この例では、別名 J4200@RACK10:U24-25 がディスク SUN-Storage-J4200.0905QAJ00E に割り当てられていることを想定しています。ディスクの別名については、ディスク情報の取得を参照してください。

$ diskinfo
D:devchassis-path                                      c:occupant-compdev
-----------------------------------------------------  ------------------
/dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__0/disk   c2t0d0
/dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__1/disk   c2t1d0
/dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__2/disk   c2t2d0
使用例 39  prtconf コマンドの使用方法
$ prtconf -l | more
System Configuration:  Oracle Corporation  sun4v
Memory size: 523776 Megabytes
System Peripherals (Software Nodes):

ORCL,SPARC-T3-4 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD0/disk
scsi_vhci, instance #0 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD0/disk
disk, instance #4 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD4/disk
disk, instance #5 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD5/disk
disk, instance #6 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD6/disk
使用例 40  zpool コマンドの使用方法
% zpool status -l export
pool: export
state: ONLINE
scan: none requested
config:

NAME                            STATE     READ WRITE CKSUM
export                          ONLINE       0     0     0
mirror-0                        ONLINE       0     0     0
/dev/chassis//SYS/MB/HDD0/disk  ONLINE       0     0     0
/dev/chassis//SYS/MB/HDD1/disk  ONLINE       0     0     0
mirror-1                        ONLINE       0     0     0
/dev/chassis//SYS/MB/HDD2/disk  ONLINE       0     0     0
/dev/chassis//SYS/MB/HDD3/disk  ONLINE       0     0     0
mirror-2                        ONLINE       0     0     0
/dev/chassis//SYS/MB/HDD4/disk  ONLINE       0     0     0
/dev/chassis//SYS/MB/HDD5/disk  ONLINE       0     0     0

errors: No known data errors