ディスクを識別しやすくするには、ディスクに別名を割り当てます。次のコマンドを使用します。
# fmadm add-alias chassis-name.chassis-serial alias-id
別名が特定のディスクのシャーシ名およびシャーシのシリアル番号にマップされるように、命名規則を設定できます。次の例は、ディスクの別名に、シャーシ名 SUN-Storage-J4200、シリアル番号 0905QAJ00E をマップしています。
# fmadm add-alias SUN-Storage-J4200.0905QAJ00E J4200@RACK10:U24-25
ディスクへの別名の割り当ての詳細は、fmadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスクを識別するには、format コマンドを発行して Format ユーティリティーを起動します。このコマンドは、次の例のようにシステム上のディスクを表示します。
# format AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c2t0d0 <SUN36G cyl 14087 alt 2 hd 24 sec 424> /pci@1c,600000/scsi@2/sd@0,0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__0/disk 1. c2t1d0 <SUN72G cyl 14087 alt 2 hd 24 sec 424> /pci@1c,600000/scsi@2/sd@1,0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__1/disk Specify disk (enter its number):
このコマンドは、AVAILABLE DISK SELECTIONS の下に認識されているディスクのリストを表示します。この例の最初のエントリを見ると、ディスク 0 またはターゲット 0 は 2 番目の SCSI ホストアダプタ (scsi@2) に接続されています。また、そのホストアダプタは 2 番目の PCI インタフェース (/pci@1c,600000/...) に接続されています。ディスクの物理デバイス名と論理デバイス名は、括弧 <> 内に示される商品名 SUN36G に対応しています。
この関連付けによって、どの論理デバイス名がシステムに接続されたディスクを表しているかを識別できます。論理デバイス名と物理デバイス名については、デバイス名の命名規則を参照してください。
ディスクの中には商品名を持たないものもあります。この場合は、このユーティリティーを使用してディスクにラベルを付け、必要に応じて、タイプを識別します。ディスクラベルの作成を参照してください。
ワイルドカードを使用して、ディスクの情報を表示できます。たとえば、前の出力例のコントローラ 0 に接続されているディスクを表示するには、次のコマンドを入力します。
# format /dev/rdsk/c2t*
Format ユーティリティーがディスクを認識しない場合は、ディスクのハードウェアドキュメントを確認して、システムにディスクを接続します。または、次のセクションの代替の手順を使用してディスクを識別します。
Format ユーティリティーの 2 つのオプション (つまり、partition と fdisk) を使用すると、ディスクのパーティションまたはスライスを管理できます。fdisk オプションは、特に x86 ベースのシステムでパーティションを管理するために使用します。このため、これらのパーティションは、fdisk パーティションとも呼ばれます。
管理しやすくするには、ZFS ストレージ非ルートプールを作成するときに、ディスクスライスではなくディスク全体を使用します。ディスクスライスを使用する必要が生じるのは、ディスクが ZFS ルートプールで使用するためのものである場合だけです。ディスク全体を使ってプールを作成すると、EFI ラベルが適用されます。ルートプールディスクとして使用するディスクを準備する必要がある場合は、使用例 31に示すように、ディスクの全容量を含むスライス 0 を作成します。
ZFS ストレージプールで使用するディスクの設定については、ディスクへの ZFS の設定を参照してください。
スライスまたはパーティションの情報を表示するには、Format ユーティリティーを起動したあとに、次の一般的な手順を実行します。
Format Menu の format > プロンプトで、partition と入力します。
x86 ベースのシステムを使用している場合は、fdisk と入力します。
partition > プロンプトで、print と入力します。
format > プロンプトで fdisk と入力した場合は、print と入力する必要はありません。
次のリストは、パーティション情報の意味を説明しています。実際に表示されるパーティション情報は、ラベルに応じて異なります。
パーティションまたはスライスの番号。VTOC ラベル付きディスクの場合、パーティションは 0–7 です。EFI ラベル付きディスクの場合、パーティションは 0–6 です。
パーティションにマウントされているファイルシステム。
特定のパーティションに適用されている次の状態の組み合わせ: 書き込み可能 (w)、マウント可能 (m)、読み取り可能 (r)、アンマウント可能 (u)。たとえば、wu_rm はスワップ領域に予約されているパーティションのフラグです。
VTOC ラベル付きのディスクにのみ適用され、スライスの開始シリンダ番号および終了シリンダ番号を示します。
スライスまたはパーティションのサイズ (MB)。
VTOC ラベル付きのディスクにのみ適用され、合計シリンダ数と 1 スライス当たりの合計セクター数を示します。
EFI ラベル付きのディスクにのみ適用され、開始ブロック番号を示します。
EFI ラベル付きのディスクにのみ適用され、終了ブロック番号を示します。
この例では、管理しているディスクを c2t3d0 と想定しています。
format> partition partition> print Current partition table (c2t3d0): Total disk cylinders available: 14087 + 2 (reserved cylinders) Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 14086 136.71GB (14087/0/0) 286698624 1 swap wu 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wu 0 - 14086 136.71GB (14087/0/0) 286698624 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 partition> q format> q使用例 32 EFI ラベル付きのディスクのスライス情報
この例では、管理しているディスクを c2t3d0 と想定しています。
format> partition partition> print Current partition table (default): Total disk sectors available: 286722878 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 usr wm 34 136.72GB 286722911 1 unassigned wm 0 0 0 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 7 reserved wm 286722912 8.00MB 286739295 partition> q format> q使用例 33 EFI (GPT) ラベル付きのディスクのスライス情報
この例では、管理しているディスクを c2t0d0 と想定しています。
format> partition partition> print Current partition table (original): Total disk sectors available: 27246525 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 BIOS_boot wm 256 256.00MB 524543 1 usr wm 524544 12.74GB 27246558 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 7 reserved wm 27246559 8.00MB 27262942 partition> q format> q使用例 34 fdisk コマンドを使用したパーティション情報の表示
Format ユーティリティーの fdisk オプションでは、partition オプションと同様のパーティション情報が表示されますが、パーティションタイプも含まれています。次の例では、ディスクに EFI パーティションおよび Solaris パーティションがあり、Solaris パーティションがアクティブになっています。
format> fdisk Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 BIOS_boot wm 256 256.00MB 524543 1 usr wm 524544 68.11GB 143358320 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 Total disk size is 8924 cylinders Cylinder size is 16065 (512 byte) blocks Cylinders Partition Status Type Start End Length % ========= ====== ============ ===== === ====== === 1 EFI 1 6 6 0 2 Active Solaris2 7 8925 8919 100
ディスクラベル情報を表示するには、prtvtoc コマンドを使用します。
# prtvtoc path/device-name
ここで、device-name は検査する patch にある raw ディスクデバイスです。
この情報は、現在のディスクのラベルに応じて異なります。VTOC ラベル付きのディスクでは、トラックおよびシリンダに関する情報が含められます。EFI ラベル付きのディスクでは、トラックまたはシリンダの情報は提供されません。
使用例 35 VTOC ラベル付きのディスクのラベル情報# prtvtoc /dev/rdsk/c2t3d0s0 * /dev/rdsk/c2t3d0s0 partition map * * Dimensions: * 512 bytes/sector * 848 sectors/track * 24 tracks/cylinder * 20352 sectors/cylinder * 14089 cylinders * 14087 accessible cylinders * * Flags: * 1: unmountable * 10: read-only * * First Sector Last * Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory 0 2 00 0 286698624 286698623 2 5 01 0 286698624 286698623使用例 36 EFI ラベル付きのルートプールディスクのラベル情報
# prtvtoc /dev/dsk/c7t0d0s1 * /dev/dsk/c7t0d0s1 partition map * * Dimensions: * 512 bytes/sector * 156301488 sectors * 156301421 accessible sectors * * Flags: * 1: unmountable * 10: read-only * * Unallocated space: * First Sector Last * Sector Count Sector * 34 222 255 * * First Sector Last * Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory 0 24 00 256 524288 524543 1 4 00 524544 155760527 156285070 8 11 00 156285071 16384 156301454 ~#使用例 37 EFI ラベル付きの非ルートプールディスクのラベル情報
# prtvtoc /dev/dsk/c8t3d0 * /dev/dsk/c8t3d0 partition map * * Dimensions: * 512 bytes/sector * 143374738 sectors * 143374671 accessible sectors * * Flags: * 1: unmountable * 10: read-only * * Unallocated space: * First Sector Last * Sector Count Sector * 34 222 255 * * First Sector Last * Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory 0 4 00 256 143358065 143358320 8 11 00 143358321 16384 143374704
ディスクの物理的な場所を表示する場合は、croinfo コマンドを使用すると、特定のディスクに関連するシャーシ、受容体、および占有装置に関する情報が表示されます。
$ croinfo D:devchassis-path t:occupant-type c:occupant-compdev ----------------------------------------------------- ------------------ /dev/chassis/SYS/HDD0/disk disk c2t0d0 /dev/chassis/SYS/HDD1/disk disk c2t1d0 /dev/chassis/SYS/HDD2/disk disk c2t2d0
croinfo コマンドに別のオプションを使用すると、特定のディスクに関する情報のみを表示できます。
croinfo –c disk は、特定のディスクに関する情報のみを表示します。disk は、c:occupant-compdev 列にリストされているコンポーネントを示しています。
croinfo –c disk –o cp は、特定のディスクがシステムにインストールされたときのパスを表示します。
ほかのオプションについては、croinfo(1M) のマニュアルページを参照してください。
ほかのコマンドでもデバイスの場所が表示されます。次の例は、これらのコマンドを使用して、デバイスの識別および場所の特定を行う方法を示しています。
使用例 38 diskinfo コマンドの使用方法この例では、別名 J4200@RACK10:U24-25 がディスク SUN-Storage-J4200.0905QAJ00E に割り当てられていることを想定しています。ディスクの別名については、ディスク情報の取得を参照してください。
$ diskinfo D:devchassis-path c:occupant-compdev ----------------------------------------------------- ------------------ /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__0/disk c2t0d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__1/disk c2t1d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__2/disk c2t2d0使用例 39 prtconf コマンドの使用方法
$ prtconf -l | more System Configuration: Oracle Corporation sun4v Memory size: 523776 Megabytes System Peripherals (Software Nodes): ORCL,SPARC-T3-4 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD0/disk scsi_vhci, instance #0 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD0/disk disk, instance #4 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD4/disk disk, instance #5 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD5/disk disk, instance #6 location: /dev/chassis//SYS/MB/HDD6/disk使用例 40 zpool コマンドの使用方法
% zpool status -l export pool: export state: ONLINE scan: none requested config: NAME STATE READ WRITE CKSUM export ONLINE 0 0 0 mirror-0 ONLINE 0 0 0 /dev/chassis//SYS/MB/HDD0/disk ONLINE 0 0 0 /dev/chassis//SYS/MB/HDD1/disk ONLINE 0 0 0 mirror-1 ONLINE 0 0 0 /dev/chassis//SYS/MB/HDD2/disk ONLINE 0 0 0 /dev/chassis//SYS/MB/HDD3/disk ONLINE 0 0 0 mirror-2 ONLINE 0 0 0 /dev/chassis//SYS/MB/HDD4/disk ONLINE 0 0 0 /dev/chassis//SYS/MB/HDD5/disk ONLINE 0 0 0 errors: No known data errors