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Oracle® Solaris 11.3 でのデバイスの管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

Oracle Solaris での USB のサポートについて

Oracle Solaris は、USB 3.0 xhci ホストコントローラドライバを使用するすべての USB 3.0 デバイス (オーディオデバイスを除く) をサポートしています。以前の USB バージョンとの下位互換性によって、USB 2.0、1.1、および 1.0 のデバイス用と同じハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントを USB 3.0 ポートで使用できます。ただし、オーディオデバイスの場合は、USB 2.0、1.1、および 1.0 のみがサポートされます。

単一の XHCI ホストコントローラによって、USB デバイスのすべての速度がサポートされます。デバイスに USB 2.0 ポートを使用している場合は、それらのデバイスで USB 2.0 がサポートされるかどうかに応じて、別のホストコントローラのインタフェースドライバが動的に割り当てられます。


注 -  USB ドライバによってサポートされないデバイスの場合は、USB ライブラリのドキュメント (/usr/share/doc/libusb/libusb.txt) を参照してください。

よりよいパフォーマンスのためには、USB 3.0 デバイスおよび USB 2.0 デバイスに対応する USB 3.0 ポートおよび USB 2.0 ポートに常に接続してください。USB 3.0 ポートまたは USB 2.0 ポートは、次のいずれかのコンポーネント上にあります。

  • USB PCI カード

  • USB ポートに接続されている USB ハブ

  • SPARC または x86 のコンピュータのマザーボード


注 -  以前の SPARC プラットフォームでは、USB 2.0 PCI カードが必要な場合があります。

Oracle Solaris の USB に関する情報のリファレンス

次のマニュアルページは、USB のバージョンに関する情報を提供しています。

USB 3.0

xhci(7D)

USB 2.0

ehci(7D)usba(7D)

USB 1.1

ohci(7D)

次のマニュアルページは、特定の USB デバイスに関する情報を提供しています。

汎用 USB ドライバ

ugen(7D)

キーボードおよびマウス

hid(7D)

ハブ

hubd(7D)

シリアルデバイス

usbser_edge(7D)usbsprl(7D)usbsksp(7D)

ストレージデバイス

scsa2usb(7D)

デバイス管理

libusb(3LIB)

各種の USB のバージョンの仕様については、http://www.usb.org/home にアクセスしてください。

USB デバイスの機能および互換性の問題

USB デバイスの速度を識別するには、/var/adm/messages ファイルで次のようなメッセージを確認します。

Dec 13 17:05:57 mysystem usba: [ID 912658 kern.info] USB 2.0 device
(usb50d,249) operating at hi speed (USB 2.x) on USB 2.0 external hub:
storage@4, scsa2usb0 at bus address 4

特に記載がない場合、Oracle Solaris は SPARC および x86 ベースのシステムの両方で USB デバイスをサポートします。それ以外のストレージデバイスでも、scsa2usb.conf ファイルを変更すれば使用できることがあります。詳細は、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。

次のセクションでは、特定の USB デバイスに関するその他の情報を提供します。

バス電源供給方式のデバイス

USB ハブは自己電源供給方式ではありません。USB ハブは、接続している USB バスから供給された電力をハブに接続されているデバイスに提供します。その結果、および電源管理のために、これらのダウンストリームデバイスへの電力は制限されています。このため、これらのハブに負荷をかけ過ぎないでください。特に次の制限事項に注意してください。

  • 2 つのバス電源供給方式のハブを多段接続することはできません。

  • バス電源供給方式のハブの各ポートの最大消費電力は 100mA に制限されます。

  • バス電源供給方式のハブに接続できるのは、自己電源供給方式のデバイスまたは低電力のバス電源供給方式のデバイスのみであり、高電力のバス電源供給方式のデバイスは接続できません。

  • 一部のハブまたはデバイスでは、電源に問題があると報告されることがあります。そのようなハブでは、接続は予測不能である場合があります。

USB キーボードとマウス

SPARC ベースのシステムでは、システムのリブート時または ok プロンプトの状態で、キーボードおよびマウスを取り外さないでください。ブートプロセス中は、OpenBoot PROM (OBP) の制限により、キーボードおよびマウスデバイスはマザーボードのルートハブのポートにしか接続できません。システムのリブート後、いつでもキーボードおよびマウスを別のハブに移動できます。これらのデバイスは、ポートに接続すると完全に機能します。

SPARC ベースのシステムでは、これらのデバイスに関する次の問題に注意してください。

  • 電源キーの動作は、USB キーボードとタイプ 5 キーボードで異なります。USB キーボードでは、SUSPEND/SHUTDOWN キーを押すと、システムが中断またはシャットダウンされます。ただし、このキーではシステムの電源を投入できません。

  • 旧バージョンの SPARC ベースのシステムでは、USB キーボードおよびマウスデバイスは、タイプ 3、4、または 5 のキーボードと同時には動作しません。

複数のキーボードおよびマウスデバイスのサポートについては、virtualkm(7D) のマニュアルページを参照してください。

USB ハブとホストコントローラ

USB ホストコントローラには、システムのバックパネルにポートがあるルートハブと呼ばれる組み込みハブがあります。

USB ハブを使用する場合は、次のことを避けてください。

  • SPARC ベースのシステムまたは x86 ベースのシステムでの 4 段を超えるハブの多段接続。SPARC システムでは、OpenBootPROM (OBP) は 4 段を超えるデバイスを正確に認識できません。

  • バス電源供給方式のハブの多段接続。バス電源供給方式のハブは独自の電源を持っていません。

  • 大量の電力を必要とするデバイスをバス電源供給方式のハブに接続すると、ほかのデバイス用のハブの電源がなくなることがあります。バス電源供給方式のハブは、これらのデバイスへの接続を拒否する場合があります。


注 -  USB 3.0 ホストコントローラは、制御、一括、および割り込みの転送タイプをサポートします。ただし、以前の USB バージョンとは異なり、アイソクロナス転送タイプをサポートしていません。

SPARC: USB 電源管理

SPARC システムでは、USB デバイスサービスの保存停止および復元再開機能が完全にサポートされます。ただし、稼働中のデバイスを保存停止しないでください。同様に、システムが中断シャットダウンで電源オフになっているときに、デバイスを取り外さないでください。

システムで電源管理システムが有効にされると、USB フレームワークがすべてのデバイスの電源を管理します。たとえば、ハブドライバはデバイスが接続されているポートの中断を行います。

リモートウェイクアップ」をサポートするデバイスは、そのデバイスが利用可能な状態になるように、そのデバイスのパスに電力を再供給するようにシステムに通知できます。アプリケーションがデバイスに入出力を送信した場合も、ホストシステムはデバイスに電力を再供給することができます。

電源管理システムは、リモートウェイクアップ機能をサポートするすべてのデバイスに実装されています。USB プリンタでは、電源管理は 2 つの印刷ジョブの間でのみ機能します。汎用 USB ドライバ (UGEN) を使用するデバイスでは、電源管理はデバイスが閉じられるときにのみ実行されます。