ターゲットポータルグループ (TPG) を作成して、複数の iSCSI および iSER ターゲットの発見を管理できます。TPG は、特定の iSCSI ターゲットがどのインタフェース上で待機するかを決定する IP アドレスのリストです。
TPG には、IP アドレスと TCP ポート番号が含まれます。この機能を使用するには、次を行う必要があります。
itadm create-tpg コマンドを使用し、TPG を ip-address:port 指定子のリストとして作成します。
itadm modify-target –t コマンドを使用して、特定の iSCSI ターゲットを TPG にバインドします。
iSCSI ターゲットが有効になったときに、そのターゲットと関連付けられた TPG に属する IP アドレスおよびポートごとに iSCSI リスナーが作成されます。
TPG は、特定のポートで発見されるターゲットを制御する上で効率的な方法です。たとえば、特定の IP アドレスまたは iSER 対応の一連の IP アドレス経由でのみ使用できるように、iSCSI ターゲットを制限できます。
静的および iSNS ターゲット発見については、動的または静的ターゲット発見の構成を参照してください。iSCSI イニシエータは、iscsiadm コマンドを使用して TPG を発見します。詳細は、iscsiadm(1M) および itadm(1M) を参照してください。
SendTargets 発見と iSER を同時に使用するときの一般的な規則は、TPG を使用して、特定の iSCSI ターゲットポートを iSER 対応の IP アドレスのみと関連付けることです。たとえば、ターゲットシステムに 4 つの IP アドレス A、B、C、および D が存在し、アドレス B と C だけが iSER に対応している場合、アドレス B と C を TPG に追加して、ターゲット T に割り当てることができます。
Ethernet と InfiniBand (IB) の両方のインタフェースを備える iSCSI イニシエータは、SendTargets 発見方式を使用して、候補のストレージターゲットを発見できます。TPG を使用しないと、イニシエータが IB インタフェースよりも Ethernet インタフェースを常に優先して使用する場合があります。ターゲット T を IB インタフェースのみと関連付けることにより、ターゲット T への接続時に、イニシエータは IB 対応のインタフェースを正確に優先して使用するようになります。
一意の名前を指定して、ターゲットポータルグループ (TPG) を作成できます。TPG タグ (2 – 65535 の範囲) は自動的に生成されます。TPG タグ 1 は、ターゲット上で明示的に TPG を設定しないときに使用されるデフォルト TPG 用に予約されています。デフォルト TPG のポータルは、ポート 3260 上のすべてのネットワークインタフェースからの要求と一致します。
次の手順は、TPGB 内の IP アドレスとしてポート 8000 を使用する 2 つの TPG、TPGA と TPGB を作成する方法を示します。
target# itadm create-tpg TPGA 192.168.0.1 192.168.0.2 target# itadm create-tpg TPGB 192.168.0.2:8000 192.168.0.2:8000
# itadm modify-target -t TPGA,TPGB eui.20387ab8943ef7548
# itadm list-tpg -v
itadm delete-tpg コマンドを使って TPG を削除できます。