Oracle® Solaris 11.2 でのネットワークデータリンクの管理

印刷ビューの終了

更新: 2014 年 9 月
 
 

優先順位ベースのフロー制御

優先順位ベースのフロー制御 (PFC) は IEEE 802.1p CoS 値を含むように標準の IEEE 802.3x PAUSE フレームを拡張します。PFC では、PAUSE フレームの送信時にリンク上のすべてのトラフィックを停止する代わりに、PFC フレーム内で有効になっている CoS 値のトラフィックだけを停止します。PFC フレームは、トラフィックを一時停止する必要のある有効な cos プロパティー値に対して送信されます。送信側ホストはその cos プロパティー値のトラフィックを停止しますが、ほかの無効な cos プロパティー値のトラフィックへの影響はありません。PFC フレームで指定された時間間隔のあと、一時停止されたパケットに対して伝送が再開されます。

CoS 値に基づく一時停止により、その cos プロパティー値のパケットが破棄されることはなくなります。定義された CoS 値がないパケット、または PFC が有効になっていない CoS 値を持つパケットに対しては、PAUSE フレームは送信されません。したがって、トラフィックフローは継続し、トラフィックの輻輳時にパケットが破棄される可能性があります。パケットロスの処理はプロトコルスタック (TCP など) によって異なります。

ホスト上には 2 種類の DCB 情報 (ローカル DCB 情報とリモート DCB 情報) が存在します。PFC 機能が有効になるには、ホスト上の PFC に関するローカルタイプおよびリモートタイプの DCB 情報が対称でなければなりません。ローカルホストはピアから受信する DCB 情報を照合できる必要があります。DCB をシステム上で有効にする場合、DCB はピアと DCB 情報を同期します。

ほとんどの場合、PFC のデフォルトの構成で十分です。この構成は、LLDP を有効にすると自動的に設定されます。ただし、PFC の構成時に異なるオプションを調整できます。詳細は、DCB の優先順位ベースのフロー制御のカスタマイズPFC 構成情報の表示を参照してください。