Oracle® Solaris 11.2 でのリソースの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

使用可能なリソース制御

次の表に、このリリースで使用できる標準のリソース制御を示します。

この表では、各制御によって制約されるリソースについて説明し、project データベースにおけるそのリソースのデフォルトの単位を示します。デフォルトの単位には次の 2 種類があります。

  • 数量は制限される量を意味します。

  • インデックスは最大有効識別子を意味します。

したがって、project.cpu-shares は、プロジェクトで使用することが許可されている配分を示します。一方、process.max-file-descriptor は、open(2) システムコールによってプロセスに割り当てることができる最大ファイル番号を指定します。

表 6-1  標準のプロジェクト、タスク、およびプロセスのリソース制御
制御名
説明
デフォルトの単位
project.cpu-cap
1 つのプロジェクトで消費可能な CPU リソース量に対する絶対的な制限。project.cpu-cap 設定と同様、100 の値は 1 つの CPU の 100% を意味します。125 の値は 125% になります。CPU キャップの使用時は、100% がシステム上の 1 つの CPU の上限となります。
数量 (CPU の数)
project.cpu-shares
このプロジェクトに対して、公平配分スケジューラ (FSS(7) のマニュアルページを参照) で使用することが許可されている CPU 配分。
数量 (配分)
project.max-crypto-memory
ハードウェアによる暗号化処理の高速化のために libpkcs11 が使用できるカーネルメモリーの合計量。カーネルバッファーおよびセッション関連の構造体の割り当ては、このリソース制御に対してチャージされます。
サイズ (バイト)
project.max-locked-memory
ロックされる物理メモリーの許容合計量。
priv_proc_lock_memory がユーザーに割り当てられている場合、そのユーザーがすべてのメモリーをロックするのを防ぐため、このリソース制御の設定も検討してください。
project.max-device-locked-memory (これは削除されています) が、このリソース制御に置き換えられたことに注意してください。
サイズ (バイト)
project.max-msg-ids
このプロジェクトに許容されるメッセージキュー ID の最大数。
数量 (メッセージキュー ID の数)
project.max-port-ids
イベントポートの許容最大数。
数量 (イベントポート数)
project.max-processes
このプロセスで同時に使用できるプロセステーブルスロットの最大数。
正常なプロセスとゾンビプロセスの両方がプロセステーブルスロットを占有するため、max-processes 制御がプロセステーブルを消費しつくすゾンビプロセスから保護します。ゾンビプロセスには本来 LWP がないため、max-lwps 制御がこのゾンビプロセス発生の可能性から保護することはできません。
数量 (プロセステーブルスロット数)
project.max-sem-ids
このプロジェクトに許容されるセマフォー ID の最大数。
数量 (セマフォー ID の数)
project.max-shm-ids
このプロジェクトに許容される共有メモリー ID の最大数。
数量 (共有メモリー ID の数)
project.max-shm-memory
このプロジェクトに許容される System V 共有メモリーの合計量。
サイズ (バイト)
project.max-lwps
このプロジェクトで同時に使用できる LWP の最大数。
数量 (LWP 数)
project.max-tasks
このプロジェクトに許容されるタスクの最大数
数量 (タスク数)
project.max-contracts
このプロジェクトに許容される契約の最大数
数量 (契約数)
task.max-cpu-time
このタスクのプロセスで使用できる最長 CPU 時間。
時間 (秒)
task.max-lwps
このタスクのプロセスで同時に使用できる LWP の最大数。
数量 (LWP 数)
task.max-processes
このタスクのプロセスで同時に使用できるプロセステーブルスロットの最大数。
数量 (プロセステーブルスロット数)
process.max-cpu-time
このプロセスで使用できる最長 CPU 時間。
時間 (秒)
process.max-file-descriptor
このプロセスで使用できる最大のファイル記述子インデックス。
インデックス (最大ファイル記述子)
process.max-file-size
このプロセスの書き込みに使用できる最大ファイルオフセット。
サイズ (バイト)
process.max-core-size
このプロセスによって作成されるコアファイルの最大サイズ。
サイズ (バイト)
process.max-data-size
このプロセスで使用できるヒープメモリーの最大サイズ。
サイズ (バイト)
process.max-stack-size
このプロセスに使用できる最大スタックメモリーセグメント。
サイズ (バイト)
process.max-address-space
このプロセスで使用できる、セグメントサイズの総計としての最大アドレス空間。
サイズ (バイト)
process.max-port-events
イベントポートあたりに許容されるイベントの最大数。
数量 (イベント数)
process.max-sem-nsems
セマフォーセットあたりに許容されるセマフォーの最大数。
数量 (セットあたりのセマフォー数)
process.max-sem-ops
1 回の semop コールに許容されるセマフォー操作の最大数 (semget() のコール時にリソース制御からコピーされる値)。
数量 (操作の数)
process.max-msg-qbytes
メッセージキュー内のメッセージの最大バイト数 (msgget() のコール時にリソース制御からコピーされる値)。
サイズ (バイト)
process.max-msg-messages
メッセージキュー内のメッセージの最大数 (msgget() のコール時にリソース制御からコピーされる値)。
数量 (メッセージ数)

リソース制御の設定や変更がまったく行われていないシステム上では、リソース制御のデフォルト値を表示できます。そのようなシステムでは、/etc/systemproject データベースにデフォルト以外のエントリが含まれていません。値を表示するには、prctl コマンドを使用します。