Oracle® Solaris 11.2 でのリソースの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

スケジューラの紹介

オペレーティングシステムの基本的な仕事は、どのプロセスがシステムリソースへのアクセスを取得できるようにするか調整することです。プロセススケジューラ (別名、ディスパッチャー) は、カーネルの一部であり、プロセスへの CPU の割り当てを制御します。スケジューラには、スケジューリングクラスという概念があります。各スケジューリングクラスでは、クラス内のプロセスのスケジューリングに使用するスケジューリング方針を定義します。Oracle Solaris オペレーティングシステムでのデフォルトのスケジューラである TS スケジューラは、使用可能な CPU へのアクセスをすべてのプロセスに相対的に等しく与えようとします。ただし、特定のプロセスにより多くのリソースを与えたい場合もあります。

公平配分スケジューラ (FSS) では、各作業負荷に対する使用可能な CPU リソースの割り当てを、その作業負荷の重要性に基づいて制御します。この重要性は、各作業負荷に割り当てる CPU リソースの「配分」で表します。

各プロジェクトに CPU 配分を与えて、CPU リソースに対するプロジェクトの使用権を制御します。FSS では、プロジェクトに属するプロセス数ではなく、割り当てられた配分に基づいて、プロジェクト間に CPU リソースが公平に配分されることが保証されています。FSS は、ほかのプロジェクトとの比較に基づいて、CPU リソースを多く使用するプロジェクトの CPU 使用権を減らし、CPU リソースの使用が少ないプロジェクトの CPU 使用権を増やすことで公平さを実現します。

FSS は、カーネルスケジューリングクラスモジュールとクラス固有のバージョンの dispadmin(1M) および priocntl(1) コマンドから構成されます。FSS が使用するプロジェクト配分は、project(4) データベース内の project.cpu-shares プロパティーで指定します。


注 -  ゾーンがインストールされている Oracle Solaris システムで project.cpu-shares リソース制御を使用している場合は、Oracle Solaris ゾーンの紹介 のゾーン規模のリソース制御の設定およびOracle Solaris ゾーンの作成と使用 のゾーンがインストールされている Oracle Solaris システムでの公平配分スケジューラの使用を参照してください。