Oracle® Solaris 11.2 でのリソースの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

リソース管理の制御メカニズム

Oracle Solaris オペレーティングシステムでは、制約、スケジューリング、および区分という 3 種類の制御メカニズムを使用できます。

制約メカニズム

制約を使用すると、管理者やアプリケーション開発者は、作業負荷が使用する特定のリソースの消費にいくつかの制限を設定できます。制限を設定すると、リソースの消費シナリオを簡単にモデル化できます。また、制限を設定することにより、無秩序にリソースを要求してシステムの性能や可用性に悪影響を及ぼす可能性がある悪質なアプリケーションを制御できます。

制約は、アプリケーションに制限を課します。アプリケーションとシステムの関係は、アプリケーションが動作できないところまで悪化してしまう可能性があります。そのような事態を回避する方法の 1 つは、リソースに関する動作が不明なアプリケーションに対する制約を徐々に強めていくことです。Chapter 6, リソース制御についてで説明するリソース制御が、制約メカニズムを提供します。新たに作成するアプリケーションであれば、リソースの制約をアプリケーションが認識するようにすることもできます。ただし、すべての開発者がこの機能を使用するとは限りません。

スケジューリングメカニズム

スケジューリングとは、一定の間隔で割り当てを決定することです。この決定は、予測可能なアルゴリズムに基づいて行われます。現在割り当てられているリソースを必要としないアプリケーションは、ほかのアプリケーションが使用できるように、そのリソースを解放します。スケジューリングに基づいてリソース管理を行うと、リソースに余裕がある構成の場合は使用効率を最大限にできると同時に、リソースが限界まで、あるいは過剰に使用されている場合には、割り当てを制御できます。スケジューリングのアルゴリズムにより、「制御」という用語の意味が決まります。場合によっては、スケジューリングアルゴリズムは、すべてのアプリケーションがリソースにある程度アクセスできることを保証します。Chapter 8, 公平配分スケジューラについてで説明する公平配分スケジューラ (FSS) は、アプリケーションが制御された方法で CPU リソースにアクセスするように管理します。

区分メカニズム

区分は、作業負荷をシステム上で使用可能なリソースの一部に結合 (バインド) するために使用されます。リソースと結合することにより、作業負荷は常に一定量のリソースを使用できることが保証されます。Chapter 12, リソースプールについてで説明するリソースプール機能を使用すれば、作業負荷をマシンの特定の部分に制限できます。

区分を使用する構成では、システム全体が過剰使用されるのを防ぐことができます。ただし、この方法では、高い使用効率の達成は難しくなります。プロセッサなど、予約済みのリソースに結合されている作業負荷がアイドル状態になっている場合でも、別の作業負荷がそのリソースを使用することはできないためです。