シリアル接続を使用することは、ドライバをテストするための良い方法です。ホストシステムとテストシステムの間でシリアル接続を確立するには、tip(1) コマンドを使用します。このアプローチでは、ホストコンソールの tip ウィンドウがテストマシンのコンソールとして使用されます。詳細については、tip(1) のマニュアルページを参照してください。
tip ウィンドウには次のような利点があります。
テストシステムやカーネルデバッグとの対話内容をモニターできます。たとえば、ドライバが原因でテストシステムがクラッシュした場合、このウィンドウは使用中のセッションのログを記録できます。
tip ホストマシンにログインし、tip(1) を使用してテストマシンに接続することにより、テストマシンにリモートアクセスできます。
この接続を行う際にはヌルモデムケーブルを使用する必要があります。
この端末エントリは、使用するシリアルポートに一致している必要があります。シリアルポート B については、オペレーティングシステムに適切なエントリが含まれていますが、シリアルポート A については端末エントリを追加する必要があります。
debug:\ :dv=/dev/term/a:br#9600:el=^C^S^Q^U^D:ie=%$:oe=^D:
% tip debug connected
これによって、そのシェルウィンドウがテストマシンのコンソールへの接続を含む tip ウィンドウになります。
注意 - テストマシンを停止するためにホストマシン上で、STOP-A キー (ホストマシンが SPARC マシンの場合) または F1-A キー (x86 アーキテクチャーマシンの場合) を使用しないでください。この操作を行うと、実際にはホストマシンが停止されます。テストマシンに BREAK 信号を送信するには、tip ウィンドウで ~# と入力します。~# などのコマンドが認識されるのは、それらの文字が行の先頭にある場合のみです。このコマンドで効果がない場合は、Return キーまたは Control-U キーを押してください。 |
SPARC プラットフォームのテストマシンを設定する簡単な方法は、マシンの電源を入れる前にキーボードを取り外すことです。これによって、マシンのシリアルポート A が自動的にコンソールとして使用されます。
テストマシンを設定するもう 1 つの方法は、ブート PROM コマンドを使用してシリアルポート A をコンソールにすることです。テストマシンのブート PROM の ok プロンプトで、コンソール入出力をシリアル回線に転送します。テストマシンの起動時に必ずシリアルポート A がコンソールとして使用されるようにするには、環境変数 input-device と output-device を設定します。
使用例 23-1 ブート PROM コマンドによる input-device と output-device の設定ok setenv input-device ttya ok setenv output-device ttya
eeprom コマンドを使用すると、シリアルポート A をコンソールにすることもできます。スーパーユーザーとして次のコマンドを実行し、input-device および output-device パラメータがシリアルポート A を指すようにします。次の例はその eeprom コマンドを示したものです。
使用例 23-2 eeprom コマンドによる input-device と output-device の設定# eeprom input-device=ttya # eeprom output-device=ttya
この eeprom コマンドにより、その後システムがブートされるたびにコンソールがシリアルポート A にリダイレクトされます。
x86 プラットフォームでは、eeprom コマンドを使用してシリアルポート A をコンソールにします。その手順は、SPARC プラットフォームの手順と同じです。Setting Up a Target System on the SPARC Platformを参照してください。この eeprom コマンドにより、リブート中にコンソールがシリアルポート A (COM1) に切り替わります。