cmdk ディスク用のドライバなど、一部の x86 SCSI ターゲットドライバは、次の構成プロパティーを使用します。
disk
queue
flow_control
cmdk サンプルドライバを使用して x86 プラットフォーム用の HBA ドライバを作成する場合は、適切なプロパティーをすべて driver.conf(4) ファイルで定義する必要があります。
disk プロパティーは、cmdk によってサポートされるディスクの種類を定義するために使用できます。SCSI HBA の場合、disk プロパティーに指定できるのは次の値のみです。
disk="scdk" – ディスクの種類は SCSI ディスクです
queue プロパティーは、strategy (9E) の実行中にディスクドライバが受信要求のキューをソートする方法を定義します。指定できる値は、次の 2 つがあります。
queue="qsort" - disksort(9F) が提供する、一方向のエレベータキューイングモデルです
queue="qfifo" – FIFO、つまり先入れ先出しのキューイングモデルです
flow_control プロパティーは、コマンドが HBA ドライバにトランスポートされる方法を定義します。指定できる値は、次の 3 つがあります。
flow_control="dsngl" – 1 つの HBA ドライバにつき 1 つのコマンド
flow_control="dmult" – 1 つの HBA ドライバにつき複数のコマンド。HBA キューが満杯になると、ドライバは TRAN_BUSY を返します
flow_control="duplx" – HBA はキューごとに複数のコマンドを収容できる個別の読み取りキューと書き込みキューをサポートできます。書き込みキューには FIFO の順序付けが使用されます。読み取りキューに使用されるキューイングモデルは、queue プロパティーによって記述されます。HBA キューが満杯になると、ドライバは TRAN_BUSY を返します
次の例は、cmdk サンプルドライバ用に設計された x86 HBA PCI デバイスで使用するdriver.conf(4) ファイルを示しています。
# # config file for ISP 1020 SCSI HBA driver # flow_control="dsngl" queue="qsort" disk="scdk" scsi-initiator-id=7;