Oracle® Solaris 11.2 デバイスドライバの記述

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更新: 2014 年 9 月
 
 

x86 ターゲットドライバの構成プロパティー

cmdk ディスク用のドライバなど、一部の x86 SCSI ターゲットドライバは、次の構成プロパティーを使用します。

  • disk

  • queue

  • flow_control

cmdk サンプルドライバを使用して x86 プラットフォーム用の HBA ドライバを作成する場合は、適切なプロパティーをすべて driver.conf(4) ファイルで定義する必要があります。


注 - これらのプロパティー定義は、HBA ドライバの driver.conf(4) ファイルにしか表示されません。HBA ドライバ自身は、これらのプロパティーを調べたり、解釈しようとしたりすることは決してありません。これらのプロパティーは助言にすぎず、cmdk ドライバの付属物として機能します。これらのプロパティーは決して信頼できるものではありません。これらのプロパティー定義は、将来のリリースで使用できない可能性があります。

disk プロパティーは、cmdk によってサポートされるディスクの種類を定義するために使用できます。SCSI HBA の場合、disk プロパティーに指定できるのは次の値のみです。

  • disk="scdk" – ディスクの種類は SCSI ディスクです

queue プロパティーは、strategy (9E) の実行中にディスクドライバが受信要求のキューをソートする方法を定義します。指定できる値は、次の 2 つがあります。

  • queue="qsort" - disksort(9F) が提供する、一方向のエレベータキューイングモデルです

  • queue="qfifo" – FIFO、つまり先入れ先出しのキューイングモデルです

flow_control プロパティーは、コマンドが HBA ドライバにトランスポートされる方法を定義します。指定できる値は、次の 3 つがあります。

  • flow_control="dsngl" – 1 つの HBA ドライバにつき 1 つのコマンド

  • flow_control="dmult" – 1 つの HBA ドライバにつき複数のコマンド。HBA キューが満杯になると、ドライバは TRAN_BUSY を返します

  • flow_control="duplx" – HBA はキューごとに複数のコマンドを収容できる個別の読み取りキューと書き込みキューをサポートできます。書き込みキューには FIFO の順序付けが使用されます。読み取りキューに使用されるキューイングモデルは、queue プロパティーによって記述されます。HBA キューが満杯になると、ドライバは TRAN_BUSY を返します

次の例は、cmdk サンプルドライバ用に設計された x86 HBA PCI デバイスで使用するdriver.conf(4) ファイルを示しています。

#
# config file for ISP 1020 SCSI HBA driver     
#
       flow_control="dsngl" queue="qsort" disk="scdk"
       scsi-initiator-id=7;