検索にはJavaScriptが必要です。
ナビゲーション・リンクをスキップ
印刷ビューの終了
Oracle® Database Appliance

サービス・マニュアル

検索フィルタ・アイコン
検索アイコン

ドキュメント情報

はじめに

1.  Oracle Database Applianceの概要

1.1 製品説明

1.2 システム前面パネルの機能

1.3 システム背面パネルの機能

1.4 システムのステータス・インジケータおよびLED

1.4.1 システム・コントローラの一般的なステータス・インジケータ

1.4.2 システム・コントローラのファンLED

1.4.3 ストレージおよび起動ドライブのステータスLED

1.4.4 電源LED

1.4.5 背面システム・コントローラのサマリー・ステータスLED

1.4.6 システム・コントローラの内部LED

1.5 システム仕様

1.5.1 寸法と重量

1.5.2 電気仕様

1.5.3 環境要件

2.  システムの保守の準備

2.1 システムの交換可能コンポーネントへのアクセス

2.2 安全情報

2.3 必要な工具

2.4 シャーシ・シリアル番号の取得

2.5 システム・コントローラおよびシステムの電源切断

システム・コントローラの電源を切る

サービス・プロセッサ・コマンドライン・インタフェースを使用してシステム・コントローラの電源を切る

システムの電源を切る

2.6 BIOSについて

2.6.1 BIOSの起動および設定に関する考慮事項

2.6.1.1 デフォルトのBIOS電源投入時自己診断テスト(POST)のイベント

2.6.1.2 BIOS POST F1およびF2エラー

2.6.1.3 BIOS POSTメモリー・テストの機能

2.6.1.4 イーサネット・ポート・デバイスおよびドライバの命名

2.6.1.5 イーサネット・ポートの起動優先順位

2.6.2 BIOS設定ユーティリティのメニュー

2.6.3 BIOS設定ユーティリティのホット・キー

2.6.4 BIOS設定ユーティリティのメニューへのアクセス

BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスする

2.6.5 TPMのサポートの構成

BIOSでTPMサポートを構成する

2.6.6 SP LAN設定の構成

SPのLAN設定を構成する

2.6.7 BIOSのオプションROM設定の構成

オプションROM設定を有効化または無効化する

2.6.8 BIOSファームウェアの更新

2.7 静電放電および静電防止対策の実行

2.7.1 静電放電安全対策

2.7.1.1 静電気除去リスト・ストラップの使用方法

2.7.1.2 静電気防止用マットの使用方法

静電放電対処の予防措置を使用する

2.8 システム・シャーシからのSCの取外し

システム・シャーシからSCを取り外す

2.9 SCの上部カバーの取外し

SCの上部カバーを取り外す

2.10 システムの上部カバーの中央部分の取外し

システムの上部カバーの中央部分を取り外す

3.  ホットスワップ・コンポーネントの保守

3.1 ホットスワップ対応コンポーネント

3.2 ストレージ・ドライブおよび起動ドライブの保守

3.2.1 ストレージおよび起動ドライブの位置

3.2.2 ストレージおよび起動ドライブのステータスLEDリファレンス

ストレージ・ドライブを取り外す

ストレージ・ドライブを取り付ける

起動とライブを取り外す

起動とライブを取り付ける

3.3 ファン・モジュールの保守

3.3.1 システム・ファンについて

3.3.2 ファン・モジュールのLEDリファレンス

3.3.3 ファン・モジュールの障害の検出

ファン・モジュールを取り外す

ファン・モジュールを取り付ける

3.4 電源装置の保守

3.4.1 電源障害の検出

3.4.2 電源LEDのリファレンス

電源装置を取り外す

電源装置を取り付ける

4.  システム・コントローラ・コンポーネントの保守

4.1 システム・コントローラ・コンポーネントの位置

4.2 通気ダクトの取外しと取付け

通気ダクトを取り外す

通気ダクトを取り付ける

4.3 メモリー・モジュール(DIMM)の保守

4.3.1 DIMMおよびCPUの物理的配置

4.3.2 DIMMの配置規則

4.3.3 DIMMランク分類ラベル

障害のあるDIMMを取り外す

DIMMを取り付ける

4.3.4 エラー修正およびパリティ保護

4.4 PCIeライザーの保守

PCIeライザーをSCから取り外す

PCIeライザーをSCに取り付ける

4.5 PCIeカードの保守

4.5.1 PCIeカードの構成ガイドライン

PCIeカードをPCIeライザーから取り外す

PCIeカードをPCIeライザーに取り付ける

プライマリHBA PCIeカードをマザーボードから取り外す

プライマリHBA PCIeカードをマザーボードに取り付ける

4.6 起動ディスク・バックプレーンの保守

起動ディスク・バックプレーンを取り外す

ブート・ディスク・バックプレーンを取り付ける

4.7 SCバッテリの保守

バッテリを取り外す

バッテリを取り付ける

4.8 プロセッサ(CPU)の保守

プロセッサ(CPU)を取り外す

プロセッサ(CPU)を取り付ける

4.9 マザーボード・アセンブリの保守

交換可能コンポーネントをマザーボート・アセンブリから取り外す

交換可能コンポーネントをマザーボード・アセンブリに取り付ける

4.10 システム・コントローラ・ケーブルの保守

4.10.1 ファンの電源ケーブルの保守

4.10.2 PCIeカード・ケーブルの保守

4.10.3 SASエキスパンダ・ケーブルの保守

4.10.4 起動ディスク・バックプレーン・ケーブルの保守

4.11 パスワードのリセットとCMOS NVRAMの消去

CLR CMOSボタンを使用してBIOSパスワードをリセットしCMOS NVRAMを消去する

5.  システム・シャーシ・コンポーネントの保守

5.1 システム・シャーシ・コンポーネントの位置

5.2 電力配分ボードの保守

電力配分ボードを取り外す

電力配分ボードを取り付ける

5.3 ディスク・ミッドプレーン・モジュールの保守

ディスク・ミッドプレーン・モジュールを取り外す

ディスク・ミッドプレーン・モジュールを取り付ける

5.4 ディスク・ミッドプレーン・モジュールHDDケーブルの保守

ディスク・ミッドプレーン・モジュールHDDケーブルを取り外す

ディスク・ミッドプレーン・モジュールHDDケーブルを取り付ける

6.  システムの動作再開

6.1 SCの上部カバーの取付け

SCの上部カバーを取り付ける

6.2 SCのシステム・シャーシへの取り付け

SCをシステム・シャーシに取り付ける

6.3 システムの電源投入

システムの電源を入れる

6.4 システム・コントローラの電源投入

システム・コントローラの電源を入れる

7.  システム・コントローラのトラブルシューティングとOracle ILOMのデフォルト値のリストア

7.1 SCのトラブルシューティング

7.1.1 Oracle診断ツール

7.1.2 診断ツールのドキュメント

7.2 「Preboot」メニュー・ユーティリティの使用方法

7.2.1 「Preboot」メニューへのアクセス

7.2.2 Oracle ILOMのデフォルト設定へのリストア

7.2.3 シリアル・コンソールへのOracle ILOMアクセスのリストア

7.2.4 SPファームウェア・イメージのリストア

7.2.5 「Preboot」メニュー・コマンドの概要

A.  コネクタのピン配列

A.1 シリアル管理ポート・コネクタ

A.2 ネットワーク管理ポート・コネクタ

A.3 ビデオ・コネクタ

A.4 USBコネクタ

A.5 ギガビット・イーサネット・コネクタ

B.  BIOS設定の構成

B.1 BIOS設定画面の概要

B.2 BIOS設定ユーティリティのメニュー画面

B.2.1 BIOS「Main」メニュー画面

B.2.2 BIOS「Advanced」メニュー画面

B.2.3 BIOS「PCI」メニュー画面

B.2.4 BIOS「Boot」メニュー画面

B.2.5 BIOS「Security」メニュー画面

B.2.6 BIOS「Chipset」メニュー画面

B.2.7 BIOS「Exit」メニュー画面

BIOS設定ユーティリティを終了する

索引

2.6 BIOSについて

基本入出力システム(BIOS)は、BIOSフラッシュ・メモリーに設定ユーティリティが格納されています。設定ユーティリティでは、システム情報が報告され、BIOS設定の構成に使用できます。構成可能なデータは、状況依存のヘルプにより提供され、システムのバッテリバックアップのCMOS RAMに保存されます。CMOS RAMに保存された構成が無効の場合、BIOS設定はデフォルトの最適値に戻ります。

BIOS設定ユーティリティには7つのメニューがあり、「Main」、「Advanced」、「PCI」、「Boot」、「Security」、「Chipset」および「Exit」の順に表示されます。メニューまたはメニューに表示されるオプションに移動するには、矢印キーを使用します。メニュー上で構成できるオプションまたはフィールドは、色付きで表示されます。BIOS設定ユーティリティでの移動および設定の変更方法に関する詳細な手順は、メニューで提供されるオンラインの手順を参照してください。

BIOSの操作およびシステム・コントローラで使用可能なメニュー・オプションの追加情報は、次の項を参照してください。

2.6.1 BIOSの起動および設定に関する考慮事項

BIOS起動時の情報およびその他の設定考慮事項は、次の項を参照してください。

2.6.1.1 デフォルトのBIOS電源投入時自己診断テスト(POST)のイベント

システム・コントローラの起動時に、BIOSにより電源投入時自己診断テストが実行され、すべてのコンポーネントが存在し正常に機能していることを確認するために、システム・コントローラ上のハードウェアがチェックされます。「BIOS POSTイベント」では、BIOS POST中に発生する可能性のあるイベントを示し、これらのイベントによりホストの電源投入が妨げられるかどうかを明示しています。

表2-1 BIOS POSTイベント

イベント
原因
ホスト上で起動続行
ユーザー・パスワード違反
パスワードの入力に3回失敗しました。
いいえ
設定パスワード違反
パスワードの入力に3回失敗しました。
いいえ
修正可能なECC
メモリーの修正可能なECC (エラー修正コード)エラーが検出されました。
該当せず
修正不可能なECC
メモリーの修正不可能なECCエラーが検出されました。
該当せず
システム・メモリーなし
システム内で物理メモリーが検出されませんでした。
いいえ
使用可能なシステム・メモリーなし
取り付けられているすべてのメモリーに、回復不能な障害が発生しました。
いいえ
ハード・ディスク・コントローラの障害
ディスク・コントローラが見つかりません。
はい
キーボードの障害
キーボードを初期化できません。
はい
起動メディアの障害
取外し可能な起動メディアが見つかりません。
はい
ビデオ・デバイスなし
ビデオ・コントローラが見つかりません。
いいえ
ファームウェア(BIOS) ROMの破損
BIOSチェックサムに失敗し、起動ブロックは破損していません。
いいえ
システムの再起動
システム起動が開始されました。
はい
ハード・リセットによる起動
ハード・リセットにより起動プロセスが開始されました。
はい
メモリーの初期化
メモリー・サイジングが発生中です。

システム・ファームウェアの進捗

該当せず
プライマリ・プロセッサの初期化
プライマリCPUの初期化

システム・ファームウェアの進捗

該当せず
ウォーム・リセットによる起動
ウォーム・リセットにより起動プロセスが開始されます。
該当せず
埋込みコントローラの管理
管理コントローラの初期化
該当せず
セカンダリ・プロセッサの初期化
セカンダリCPUの初期化のアサート

システム・ファームウェアの進捗

該当せず
ビデオの初期化
BIOSによりキーボードが初期化されるとき
該当せず
キーボード・コントローラの初期化
BIOSによりキーボードが初期化されるとき
該当せず
オプションROMの初期化
BIOSによりオプションROMが初期化されました。

システム・ファームウェアの進捗

該当せず
オプションROMの領域の枯渇
BIOSでは、起動を妨げているデバイスからオプションROM (通常はプラグイン・カード・ドライバ)をメモリーにインストールできませんでした。
はい
ユーザーがシステム設定を開始
ユーザーがBIOS設定ユーティリティへのアクセスを開始しました。

システム・ファームウェアの進捗

該当せず
ユーザーがOSへの起動を開始
システム起動が開始されました。

システム・ファームウェアの進捗

該当せず
起動可能なメディアなし
起動するためのメディアがありません。
いいえ
PXEサーバーが未発見
起動エラー - PXEサーバーが見つかりません。

[F12]キーが押されましたが、BIOSによるPXEサーバーからの起動は失敗しました。

いいえ。BIOSは次の起動デバイスを試行します。
ACPI電力状態
ソフトオフ電力が適用されました。
該当せず

2.6.1.2 BIOS POST F1およびF2エラー

電源投入時自己診断テスト(POST)の診断は、特定のハードウェア・コンポーネントで障害を検出するための低レベルのテストです。POST診断によりF1またはF2エラーが明らかになった場合、通常、そのエラーに関する次の情報が報告されます。

「BIOS POST F1およびF2エラーのメッセージ」では、POST診断中に表示される可能性のあるF1およびF2エラー・メッセージの一部が、報告されたエラーの考えられる解決方法の手順とともに示しています。

表2-2 BIOS POST F1およびF2エラーのメッセージ

BIOS POSTエラー・メッセージ
エラー・タイプ
解決方法
Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) Protocol Error (Please Check SP Log for more Details)
IOHエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) QPI [x] Error (Please Check SP Log for more Details)
IOHエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、障害管理機能およびOracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - QPI [x]はQPIリンク0の場合は0、QPIリンク1の場合は1です。


Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) PCI-E [x] Error (Please Check SP Log for more Details)
IOHエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、障害管理機能およびOracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - PCI-E [x]ポート番号は、IOH上のPCIルート・ポートに応じて1から10の範囲です。


Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) ESI Error (Please Check SP Log for more Details)
IOHエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、障害管理機能およびOracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) Thermal Error (Please Check SP Log for more Details)
IOHエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、障害管理機能およびOracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) DMA Error (Please Check SP Log for more Details)
IOHエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) Miscellaneous Error (Please Check SP Log for more Details)
IOHエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、障害管理機能およびOracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

Uncorrectable Error Detected on Last Boot:IOH(0) VTd Error (Please Check SP Log for more Details)
IOHエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

BMC Not Responding
Oracle ILOMエラー
  • [F1]を押して続行します。

注意 - このエラー・メッセージは、SP/BIOS通信中に内部エラーが発生した場合に表示される可能性があります。このエラーは、SPの再起動が必要になる可能性があります。


  • Primary Slave Hard Disk Error
  • Primary Master Hard Disk Error

  • Secondary Master Hard Disk Error

  • Secondary Slave Hard Disk Error


注意 - これらのエラー・メッセージは、Oracle Database Applianceではサポートされていません。


IDE/ATAPIエラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - これらのタイプのエラー・メッセージは、BIOSがPOSTでIDE/ATAPIデバイスを構成しようとしているときに表示されます。


Timer Error
8254タイム・エラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - このタイプのエラーは通常、8254タイマーのチャネル2のカウント・レジスタのプログラミング中のエラーを示します。これは、システム・ハードウェアに問題があることを示している可能性があります。


RAM R/W test failed
メモリー・テストの失敗
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - このタイプのエラーは通常、RAMの読取り/書込みテストが失敗したことを示します。


KBC BAT Test failed
キーボード・コントローラ基本保証テスト・エラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - キーボード・コントローラBATテストが失敗しました。このエラーは、キーボード・コントローラの初期化の問題を示している可能性があります。


Display memory test failed
ビデオ・ディスプレイ・エラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

CMOS Battery Low
CMOSバッテリ・エラー
  • [F2]を押して、BIOS設定ユーティリティに入り、システムのデフォルト値をロードします。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

  • 必要な場合、CMOSバッテリを交換します。

  • CMOS Checksum Bad
  • CMOS Date/Time Not Set

CMOSエラー
  • [F2]を押して、BIOS設定ユーティリティに入り、システムのデフォルト値をロードします。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。

Password check failed
パスワード・チェック・エラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - このタイプのエラーは、入力したパスワードがBIOS設定ユーティリティで指定されたパスワードと一致しないことを示します。この状態は、スーパーバイザとユーザーの両方のパスワード検証に対して発生する可能性があります。


Keyboard/Interface Error
キーボード・コントローラ・エラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - このタイプのエラーは、キーボード・コントローラの障害を示します。このエラーは、システム・ハードウェアの問題を示している可能性があります。


S.M.A.R.T error on the drive
S.M.A.R.Tデバイス・エラー
  • [F1]を押して続行します。
  • 詳細は、Oracle ILOMのSPイベント・ログを確認してください。


注意 - 自己監視、分析およびレポート作成テクノロジ(S.M.A.R.T.)の障害メッセージは、ストレージ・デバイス交換の必要性を示している可能性があります。


2.6.1.3 BIOS POSTメモリー・テストの機能

BIOS POSTメモリー・テストは次のように機能します。

  1. DRAMの最初のメガバイトがBIOSによってテストされてから、BIOSコードがROMからDRAMにコピーされます。

  2. DRAMから出た後、BIOSでは簡単なメモリー・テストが実行されます(パターン55aa55aaですべての位置の書込み/読取りが実行されます)。


    注意 - 簡単なメモリー・テストは、「Boot Settings Configuration」画面からクイック起動ができない場合にのみ実行されます。クイック起動を有効にすると、BIOSではメモリー・テストが省略されます。


  3. BIOSにより、修正可能および修正不可能の両方のエラーについてメモリー・コントローラに対してポーリングが行われ、それらのエラーがSPに記録されます。

2.6.1.4 イーサネット・ポート・デバイスおよびドライバの命名

各システム・コントローラでは、シャーシの背面に2つの10/100/1000Base-Tギガビット・イーサネットのポートがサポートされています。ポートの位置は、「Oracle Database Appliance背面パネルの機能」を参照してください。

イーサネット・インタフェースのデバイスの命名は、異なるインタフェースやオペレーティング・システムにより様々に報告されます。各インタフェースで使用される物理(BIOS)および論理(オペレーティング・システム)の命名規則は、「イーサネット・ポート命名規則」を参照してください。

表2-3 イーサネット・ポート命名規則

インタフェース
NET0
NET1
BIOS
NET0
NET1
Oracle Linux
eth01
eth1

1Oracle Linux 5でXENカーネルを使用している場合、XENブリッジ・デバイスは各論理ポートと関連付けられます。これらのブリッジ・デバイス用のポートは、xenbrn (nは0-1)と命名されます。

2.6.1.5 イーサネット・ポートの起動優先順位

起動時にBIOSによってイーサネット・ポートが検出される順序と、それらのポートを制御する対応ドライブは次のとおりです。

  1. NET 0 (INTEL NIC 0)

  2. NET 1 (INTEL NIC 1)

2.6.2 BIOS設定ユーティリティのメニュー

「BIOS設定メニューの概要」では、7つのトップレベルBIOS設定メニューについて説明しています。

表2-4 BIOS設定メニューの概要

メニュー
説明
Main
BIOSタイプ、プロセッサ、メモリーおよび時刻/日付などの一般的な製品情報。
Advanced
CPU、メモリー、IDE、スーパーIO、トラステッド・コンピューティング、USB、PCI, MPSおよびその他の情報の構成情報。
PCI
システム起動中にNVRAMを消去するようにシステム・コントローラを構成します。
Boot
起動デバイスの優先順位を構成します(ストレージ・ドライブおよびDVD-ROMドライブ)。
Security
ユーザーおよびスーパーバイザのパスワードを設定または変更します。
Chipset
システム・コントローラ・チップセットの構成を表示します。
Exit
変更を保存して終了、変更を廃棄して終了、変更を廃棄、または最適またはフェイルセーフのデフォルト値をロードします。

これらの画面のそれぞれの例は、B.2 「BIOS設定ユーティリティのメニュー画面」を参照してください。

「BIOS設定ユーティリティのメニュー・ツリー」では、7つのトップレベルBIOSメニューのそれぞれからアクセスできるサブメニューを示しています。

図2-2 BIOS設定ユーティリティのメニュー・ツリー

画像: BIOS設定ユーティリティのメニュー・ツリーを示す図

BIOS設定ユーティリティのメニューで使用可能なオプションの例は、「B.2 BIOS設定ユーティリティのメニュー画面」を参照してください。

2.6.3 BIOS設定ユーティリティのホット・キー

「BIOS設定ユーティリティOracle ILOMリモート・コンソールのキーおよび対応するシリアル接続キーの組合せ」では、BIOS設定ユーティリティOracle ILOMリモート・コンソールのキーと直接接続されたキーボードのキー、および対応するシリアル接続キーの組合せについて説明しています。

表2-5 BIOS設定ユーティリティOracle ILOMリモート・コンソールのキーおよび対応するシリアル接続キーの組合せ

Oracle ILOMリモート・コンソールのキー
シリアル接続ホット・キーの組合せ
機能
F1
[Ctrl]+[Q] ([Ctrl]キーを押しながら[Q]キーを押します)
起動プロセス中にエラーが発生した場合、BIOS設定ユーティリティにアクセスします。
F2
[Ctrl]+[E]
システムの電源投入時自己診断テスト(POST)完了時にBIOS設定ユーティリティに入ります。
F7
[Ctrl]+[D]
変更を廃棄しますが、終了はしません。
F8
[Ctrl]+[P]
「BBS Popup」メニューを選択し、起動デバイスを選択できるようにします。
F9
[Ctrl]+[O]
最適なBIOSデフォルト値をロードします。
[F10]1
[Ctrl]+[S]
変更を保存して終了します。
F12
[Ctrl]+[N]
ネットワークからシステム・コントローラを起動します(PXE起動)。

1Oracle ILOMリモート・コンソールでは[F10]はサポートされていません。かわりに、矢印キーを使用して「Exit」メニューに移動し、[Enter]を押します。

2.6.4 BIOS設定ユーティリティのメニューへのアクセス

BIOS設定ユーティリティの画面には次のインタフェースからアクセスできます。

次の手順は、BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスするための手順を説明しています。

BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスする

  1. システム・コントローラの電源を入れるか、電源スイッチを切ってすぐに入れなおします。
  2. 画面には次の情報が表示されます。

    図2-3 起動オプション画面

    画像: 起動オプション画面を示す図。
  3. BIOS設定ユーティリティに入るには、次のようにします。
    1. 画面出力の最後の行が「Initializing USB Controllers..Done」に変わるまで待ちます。

      これには数秒かかります。

    2. 「Done」が表示されたら、すぐに[F2]キーを押します。

      注意 - 起動プロセス中にエラーが発生した場合、[F1]を押せばBIOS設定ユーティリティにアクセスできます。


      「BIOS Setup Utility」ダイアログが表示されます(「BIOS Setup Utility: Main – System Overview」)。


      図2-4 BIOS Setup Utility: Main – System Overview

      画像: 「BIOS Setup Utility: Main-system overview」を示す図。

      注意 - 「BIOS Setup Utility」ダイアログが表示されない場合は、[F2]キーを押すタイミングが遅すぎたためです。画面に「Done」が表示されたら、[F2]キーをすぐに押す必要があります。もう一度実行してください。


  4. 左右矢印キーを使用して、様々なメニュー・オプションを選択します。
  5. 各メニュー・オプションを選択すると、そのメニュー・オプションのトップレベル画面が表示されます。
  6. トップレベル画面のオプションを選択するには、上下矢印キーを使用して、提示されるオプションを上下にスクロールします。

    変更可能なオプションのみが、上下矢印キーを押したときに強調表示されます。

    • フィールドの値を変更できる場合、オプションを選択すると、オプションを変更するための指示が画面の右の列に表示されます。
    • フィールドがサブ画面にリンクしている場合、そのサブ画面にアクセスするために[Enter]キーを押すように指示が右の列に表示されます。
  7. 設定フィールドのパラメータを変更し、[Esc]キーを押して変更を保存し、画面を終了します。

    一部の画面では、不要な変更を取り消すことができる確認のダイアログ・ボックスが表示されます。

  8. 構成情報を提供するのみで、変更できないサブ画面では、[Esc]キーを押して画面を終了します。
  9. 他の設定パラメータの変更を続行するには、手順4から手順8を繰り返します。それ以外の場合は、手順10に進んでください。
  10. 右矢印キーを「Exit」メニュー画面が表示されるまで押し続けて放します。
  11. 「Exit」メニュー画面の指示に従い、変更を保存または廃棄して、BIOS設定ユーティリティを終了します。

2.6.5 TPMのサポートの構成

トラステッド・プラットフォーム・モジュール(TPM)機能セットを使用する場合は、この機能をサポートするようにシステム・コントローラを構成する必要があります。

TPMを使用すれば、システム・コントローラでTPMセキュリティ・ハードウェアを管理できます。この機能の実装の詳細は、トラステッド・プラットフォーム・モジュール管理のドキュメントを参照してください。

BIOSでTPMサポートを構成する

  1. BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスします。

    手順は、「BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスする」を参照してください。

    BIOSが起動すると、メインのBIOS設定ユーティリティのトップレベルの「System Overview」画面が表示されます(「Main – System Overview」画面)。


    図2-5 「Main – System Overview」画面

    画像: BIOS設定ユーティリティのメイン画面を示す図。
  2. 「BIOS Setup Utility」画面で、「Advanced」メニュー・オプションを選択します。

    「Advanced Settings」画面が表示されます(「Advanced Settings」画面)。


    図2-6 「Advanced Settings」画面

    画像: BIOSの「Advanced Settings」画面を示す図。
  3. 「Advanced Settings」画面で、「Trusted Computing」を選択し、[Enter]を押します。

    「Trusted Computing」画面が表示されます(「Trusted Computing」画面)。


    図2-7 「Trusted Computing」画面

    画像: BIOSの「Trusted Computing」画面を示す図。
  4. 「Trusted Computing」画面で、「TCG/TPM Support」を選択します。

    ポップアップ・ダイアログ・ボックスが表示されます。

  5. ポップアップ・ダイアログ・ボックスで、「TCG/TPM Support」オプションを「Yes」に設定し、「OK」をクリックします。

    注意 - ダイアログで「TCG/TPM Suppor」がすでに「Yes」に設定されていても続行し、この手順の残りの手順を完了して、すべてのTPM構成要件が必ず満たされるようにします。


    更新された「Trusted Computing」ダイアログが表示され、「TCG/TPM Support」の設定が「Yes」に変更されたことを示します(「TCG/TPM Support」が有効であることを示す「Trusted Computing」画面)。


    図2-8 「TCG/TPM Support」が有効になっている「Trusted Computing」画面

    画像: 「TCG/TPM support」が有効になっている「Trusted Computing」ダイアログを示す図。

    注意 - この画面では、「Execute TPM Command」の設定がデフォルトの「Don’t Change」であることを示しています。


  6. 「Trusted Computing」画面(「TCG/TPM Support」が有効になっている「Trusted Computing」画面)で、「Execute TPM Command」オプションの設定を選択します。

    ポップアップ・ダイアログ・ボックスが表示されます。

  7. ポップアップ・ダイアログ・ボックスで、「Execute TPM Command」オプションを「Enabled」に設定し、「OK」をクリックします。

    更新された「Trusted Computing」画面が表示され、「Execute TPM Command」設定が「Enabled」に変更されたことを示します(有効になった「Execute TPM Command」の設定)。


    図2-9 有効になった「Execute TPM Command」の設定

    図: 有効になった「Execute TPM command」の設定を示す図。
  8. [F10]キーを押して変更を保存し、BIOS設定ユーティリティを終了します。
  9. TPMサポートが構成されたことを確認するには、次のようにします。
    1. システム・コントローラを再起動します。
    2. BIOS設定ユーティリティに入るには、システムが電源投入時自己診断テスト(POST)を実行している間に[F2]キーを押します。

      BIOSが起動すると、メインのBIOS設定ユーティリティのトップレベル画面が表示されます(「Main – System Overview」画面)。

    3. 「Advanced」 --> 「Trusted Computing」を選択し、[Enter]を押します。

      更新された「Trusted Computing」画面が表示されます(更新された「TPM Enabled/Disabled」設定)。

      「TCG/TPM Support」の設定が「Yes」に設定され、「TPM Enabled/Disable Status」が「Enabled」に設定されていることを確認します。


      図2-10 更新された「TPM Enabled/Disabled」の設定

      画像: 更新されたTPM enable/disabled」設定を示す図。
  10. [F10]キーを押して、BIOS設定ユーティリティを終了します。

    これでTPM構成は完了しました。

2.6.6 SP LAN設定の構成

IPMIの「LANY configuration」メニューでBIOS設定ユーティリティからシステム・コントローラSPのIPアドレスを割り当てることができます。または、Oracle ILOMを使用してSPのLAN設定を指定することもできます。Oracle ILOMでIPアドレスを設定する手順は、Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0ドキュメント・コレクションを参照してください。

SPのLAN設定を構成する

  1. BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスします。

    手順は、「BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスする」を参照してください。

  2. BIOS設定ユーティリティのメニューで、矢印キー(または[Tab]キー)を使用して、「Advanced」メニューに移動します。
  3. 「Advanced」メニューで、「IPMI Configuration」を選択します。
  4. 「IPMI Configuration」メニューで、「LAN Configuration」を選択します。

    「LAN Configuration」画面が表示されます(「BIOS Setup Utility: Advanced – LAN Configuration」)。

  5. 「LAN Configuration」画面で、矢印キーを使用して適切なLAN構成設定を選択し、指定します。

    図2-11 BIOS Setup Utility: Advanced – LAN Configuration

    画像: 「BIOS Setup Utility: Advanced - LAN Configuration」を示す図。
  6. 必要な変更を行った後、「Commit」を選択し、[Enter]を押して変更を適用します。
  7. [F10]キーを押して変更を保存し、BIOSを終了します。

2.6.7 BIOSのオプションROM設定の構成

BIOSのオプションROMは128KBです。この128KBのうち、約80KBがVGAコントローラ、ディスク・コントローラおよびネットワーク・インタフェース・カードによって使用されます。残りの約48KBが、すべての起動可能PCI-Expressプラグイン・カード上のオプションROMによって共有されます。

オプションROM設定を有効または無効にする

  1. BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスします。

    手順は、「BIOS設定ユーティリティのメニューにアクセスする」を参照してください。

  2. BIOS設定ユーティリティのメニューで、矢印キー(または[Tab]キー)を使用して、「Boot」メニューに移動します。

    「Boot」メニューが表示されます(BIOS Setup Utility: Boot – Option ROMの構成)


    図2-12 BIOS Setup Utility: Boot – Option ROMの構成

    画像: 「BIOS Setup Utility: Boot - Option ROMの構成」を示す図。
  3. 「Boot」メニューで、「Option ROM」設定を強調表示してから、[Enter]を押します。
  4. 画面出力の設定が「BIOS Setup Utility: Boot – Option ROMの構成」で表示されているものと一致するかどうかを確認します。一致しない場合、次の手順に進みます。一致する場合は、手順7に進み、BIOSを終了します。
  5. 設定を変更するには、オプションROMの設定が示された「Boot」メニューで、変更する対象のオプションROM設定を強調表示してから[Enter]を押します。

    使用可能な設定を示すダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. ダイアログ・ボックスで、次のいずれかを実行します。
    • 「-Enabled」を選択して、Option ROM設定を有効にします。
    • 「-Disabled」を選択して、Option ROM設定を無効にします。
  7. [F10]キーを押して変更を保存し、BIOS設定ユーティリティを終了します。

2.6.8 BIOSファームウェアの更新

BIOSファームウェアは、Oracle ILOM SPファームウェアを更新するとすぐに更新されます。ファームウェアの更新手順は、Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0ドキュメント・コレクションを参照してください。