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Oracle® Database Appliance

サービス・マニュアル

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ドキュメント情報

はじめに

1.  Oracle Database Applianceの概要

1.1 製品説明

1.2 システム前面パネルの機能

1.3 システム背面パネルの機能

1.4 システムのステータス・インジケータおよびLED

1.4.1 システム・コントローラの一般的なステータス・インジケータ

1.4.2 システム・コントローラのファンLED

1.4.3 ストレージおよび起動ドライブのステータスLED

1.4.4 電源LED

1.4.5 背面システム・コントローラのサマリー・ステータスLED

1.4.6 システム・コントローラの内部LED

1.5 システム仕様

1.5.1 寸法と重量

1.5.2 電気仕様

1.5.3 環境要件

2.  システムの保守の準備

2.1 システムの交換可能コンポーネントへのアクセス

2.2 安全情報

2.3 必要な工具

2.4 シャーシ・シリアル番号の取得

2.5 システム・コントローラおよびシステムの電源切断

システム・コントローラの電源を切る

サービス・プロセッサ・コマンドライン・インタフェースを使用してシステム・コントローラの電源を切る

システムの電源を切る

2.6 BIOSについて

2.6.1 BIOSの起動および設定に関する考慮事項

2.6.2 BIOS設定ユーティリティのメニュー

2.6.3 BIOS設定ユーティリティのホット・キー

2.6.4 BIOS設定ユーティリティのメニューへのアクセス

2.6.5 TPMのサポートの構成

2.6.6 SP LAN設定の構成

2.6.7 BIOSのオプションROM設定の構成

2.6.8 BIOSファームウェアの更新

2.7 静電放電および静電防止対策の実行

2.7.1 静電放電安全対策

2.8 システム・シャーシからのSCの取外し

システム・シャーシからSCを取り外す

2.9 SCの上部カバーの取外し

SCの上部カバーを取り外す

2.10 システムの上部カバーの中央部分の取外し

システムの上部カバーの中央部分を取り外す

3.  ホットスワップ・コンポーネントの保守

3.1 ホットスワップ対応コンポーネント

3.2 ストレージ・ドライブおよび起動ドライブの保守

3.2.1 ストレージおよび起動ドライブの位置

3.2.2 ストレージおよび起動ドライブのステータスLEDリファレンス

ストレージ・ドライブを取り外す

ストレージ・ドライブを取り付ける

起動とライブを取り外す

起動とライブを取り付ける

3.3 ファン・モジュールの保守

3.3.1 システム・ファンについて

3.3.2 ファン・モジュールのLEDリファレンス

3.3.3 ファン・モジュールの障害の検出

ファン・モジュールを取り外す

ファン・モジュールを取り付ける

3.4 電源装置の保守

3.4.1 電源障害の検出

3.4.2 電源LEDのリファレンス

電源装置を取り外す

電源装置を取り付ける

4.  システム・コントローラ・コンポーネントの保守

4.1 システム・コントローラ・コンポーネントの位置

4.2 通気ダクトの取外しと取付け

通気ダクトを取り外す

通気ダクトを取り付ける

4.3 メモリー・モジュール(DIMM)の保守

4.3.1 DIMMおよびCPUの物理的配置

4.3.2 DIMMの配置規則

4.3.3 DIMMランク分類ラベル

障害のあるDIMMを取り外す

DIMMを取り付ける

4.3.4 エラー修正およびパリティ保護

4.4 PCIeライザーの保守

PCIeライザーをSCから取り外す

PCIeライザーをSCに取り付ける

4.5 PCIeカードの保守

4.5.1 PCIeカードの構成ガイドライン

4.5.1.1 プライマリPCIe HBAカード

4.5.1.2 セカンダリPCIe HBAカード

PCIeカードをPCIeライザーから取り外す

PCIeカードをPCIeライザーに取り付ける

プライマリHBA PCIeカードをマザーボードから取り外す

プライマリHBA PCIeカードをマザーボードに取り付ける

4.6 起動ディスク・バックプレーンの保守

起動ディスク・バックプレーンを取り外す

ブート・ディスク・バックプレーンを取り付ける

4.7 SCバッテリの保守

バッテリを取り外す

バッテリを取り付ける

4.8 プロセッサ(CPU)の保守

プロセッサ(CPU)を取り外す

プロセッサ(CPU)を取り付ける

4.9 マザーボード・アセンブリの保守

交換可能コンポーネントをマザーボート・アセンブリから取り外す

交換可能コンポーネントをマザーボード・アセンブリに取り付ける

4.10 システム・コントローラ・ケーブルの保守

4.10.1 ファンの電源ケーブルの保守

ファンの電源ケーブルを取り外す

ファンの電源ケーブルを取り付ける

4.10.2 PCIeカード・ケーブルの保守

プライマリHBA PCIeカードからPCIeカード・ケーブルを取り外す

プライマリHBA PCIeカードのPCIeカード・ケーブルを取り付ける

セカンダリHBA PCIeカードからPCIeカード・ケーブルを取り外す

セカンダリHBA PCIeカードのPCIeカード・ケーブルを取り付ける

4.10.3 SASエキスパンダ・ケーブルの保守

SASエキスパンダ・ケーブルを取り外す

SASエキスパンダ・ケーブルを取り付ける

4.10.4 起動ディスク・バックプレーン・ケーブルの保守

起動ディスク・バックプレーン・ケーブルを取り外す

起動ディスク・バックプレーン・ケーブルを取り付ける

4.11 パスワードのリセットとCMOS NVRAMの消去

CLR CMOSボタンを使用してBIOSパスワードをリセットしCMOS NVRAMを消去する

5.  システム・シャーシ・コンポーネントの保守

5.1 システム・シャーシ・コンポーネントの位置

5.2 電力配分ボードの保守

電力配分ボードを取り外す

電力配分ボードを取り付ける

5.3 ディスク・ミッドプレーン・モジュールの保守

ディスク・ミッドプレーン・モジュールを取り外す

ディスク・ミッドプレーン・モジュールを取り付ける

5.4 ディスク・ミッドプレーン・モジュールHDDケーブルの保守

ディスク・ミッドプレーン・モジュールHDDケーブルを取り外す

ディスク・ミッドプレーン・モジュールHDDケーブルを取り付ける

6.  システムの動作再開

6.1 SCの上部カバーの取付け

SCの上部カバーを取り付ける

6.2 SCのシステム・シャーシへの取り付け

SCをシステム・シャーシに取り付ける

6.3 システムの電源投入

システムの電源を入れる

6.4 システム・コントローラの電源投入

システム・コントローラの電源を入れる

7.  システム・コントローラのトラブルシューティングとOracle ILOMのデフォルト値のリストア

7.1 SCのトラブルシューティング

7.1.1 Oracle診断ツール

7.1.2 診断ツールのドキュメント

7.2 「Preboot」メニュー・ユーティリティの使用方法

7.2.1 「Preboot」メニューへのアクセス

7.2.2 Oracle ILOMのデフォルト設定へのリストア

7.2.3 シリアル・コンソールへのOracle ILOMアクセスのリストア

7.2.4 SPファームウェア・イメージのリストア

7.2.5 「Preboot」メニュー・コマンドの概要

A.  コネクタのピン配列

A.1 シリアル管理ポート・コネクタ

A.2 ネットワーク管理ポート・コネクタ

A.3 ビデオ・コネクタ

A.4 USBコネクタ

A.5 ギガビット・イーサネット・コネクタ

B.  BIOS設定の構成

B.1 BIOS設定画面の概要

B.2 BIOS設定ユーティリティのメニュー画面

B.2.1 BIOS「Main」メニュー画面

B.2.2 BIOS「Advanced」メニュー画面

B.2.3 BIOS「PCI」メニュー画面

B.2.4 BIOS「Boot」メニュー画面

B.2.5 BIOS「Security」メニュー画面

B.2.6 BIOS「Chipset」メニュー画面

B.2.7 BIOS「Exit」メニュー画面

BIOS設定ユーティリティを終了する

索引

4.3 メモリー・モジュール(DIMM)の保守

システム・コントローラ(SC)では、様々なDIMM構成をサポートしており、デュアルランク(DR) DIMMやシングルランク(SR) DIMMが含まれる場合があります。システム・コントローラでDIMMの交換またはアップグレードをする際には、次のことを検討する必要があります。

4.3.1 DIMMおよびCPUの物理的配置

DIMMおよびCPUの物理的配置は、「CPUおよびDIMMの物理的配置」で示しています。SCを前面から見ると、CPU0 (P0)は右側にあります。

図4-3 CPUおよびDIMMの物理的配置

画像: CPUとDIMMの配置を示す図。

4.3.2 DIMMの配置規則

サポートされるDIMMの動作速度は最大1333MHzです。最適のパフォーマンスを実現するためには、1つのCPUプロセッサ・ソケット当たり6つのDIMMスロットすべてに、1333MHz以上のDIMMを取り付ける必要があります。それより遅いDIMMを取り付けることはできますが、パフォーマンスに大きな影響がでる可能性があります。これは、1つのDIMMの動作速度が他の5つのスロットに取り付けられたDIMMより遅い場合、他の5つのDIMMスロットでの速度が取り付けられた一番遅いDIMMの速度に低下ためです。

各プロセッサ・ソケットでは、チャネルA、B、Cという3つの独立したメモリー・チャネルがサポートされており、プロセッサ・ソケットに最も近いのがチャネルAです(「CPUおよびDIMMの物理的配置」)。各チャネルは、2つのDIMMスロットをサポートし、独立したメモリー・コントローラにより制御され、他のチャネルとは関係なく動作します。各チャネルには、1個または2個のDDR3 DIMMを配置できます。1プロセッサ当たり合計6つのDDR3 DIMMスロットがあり、プロセッサ・ソケットに最も近いスロットD0からD5までです(「CPUおよびDIMMの物理的配置」)。

SCでは、シングルランクDIMMとデュアルランクDIMMをサポートしています。


注意 - SCではクォッドランクDIMMはサポートされていません。


スロットにDIMMを配置する際、次の規則に従ってください。

「メモリーDIMMの配置規則」では、メモリーDIMMの配置規則を示しています。奇数番号のDIMMがまずD1から配置され、次に偶数番号のDIMMがD0から配置されていることに注意してください。

表4-1 メモリーDIMMの配置規則

構成番号
チャネル速度(MHz単位の最大可能速度)
チャネルA
チャネルA
チャネルB
チャネルB
チャネルC
チャネルC
D0
D1
D2
D3
D4
D5
1
A=1333、B=NA、C=NA
S/D1
2
A=1333、B=1333、C=NA
S/D
S/D
3
A=1333、B=1333、C=1333
S/D
S/D
S/D
4
A=1333、B=1333、C=1333
S/D
S/D
S/D
S/D
5
A=1333、B=1333、C=1333
S/D
S/D
S/D
S/D
S/D
6
A=1333、B=1333、C=1333
S/D
S/D
S/D
S/D
S/D
S/D

1S=シングルランク、D=デュアルランク


注意 - Oracle Database Applianceで使用されるCPUプロセッサで4つの動作モード(独立チャネル・モード、スペア・チャネル・モード、ミラー・チャネル・モードおよびロックステップ・チャネル・モード)がサポートされている場合、Oracle Database Applianceでは独立チャネル・モードのみがサポートされます。


4.3.3 DIMMランク分類ラベル

メモリーDIMMには、様々なランク(シングル、デュアルまたはクォッド)があります。各DIMMは、そのランク分類を識別するラベルを付けて出荷されています。「DIMM分類ラベル」では、各DIMMとともに出荷された対応するランク分類ラベルを識別しています。


注意 - Oracle Database Applianceでは、シングルランクおよびデュアル・ランクDIMMのみがサポートされています。クォッドランクDIMMSはサポートされていません。


表4-2 DIMM分類ラベル

ランク分類
ラベル
クォッドランクDIMM1
4Rx4
デュアルランクDIMM
2Rx4
シングルランクDIMM
1Rx4

1クォッドランクDIMMはサポートされていません。

障害のあるDIMMを取り外す


注意 - DDR3メモリー・モジュール(DIMM)は顧客交換可能装置(CRU)で、交換のために公認のサービス業者は不要です。


  1. 保守のためにSCの準備をします。
    1. 静電気除去リスト・ストラップを着用します。

      2.7 「静電放電および静電防止対策の実行」を参照してください。

    2. SCをシステムから取り外します。

      SCをシステムから取り外すと、SCの電源は切れます。2.8 「システム・シャーシからのSCの取外し」を参照します。

    3. SCの上部カバーを取り外します。

      2.9 「SCの上部カバーの取外し」を参照してください。

  2. 障害のあるDIMMを特定します。
    1. 障害のあるDIMMの位置を特定するには、マザーボード上の障害検知ボタンを押します(「障害検知ボタンと障害検知電源良好LEDの位置」)。

      注意 - 障害検知ボタンが押されると、障害検知電源良好LED (「障害検知ボタンと障害検知電源良好LEDの位置」)が緑色に点灯し、障害検知回路に、障害のために設定された障害LEDを点灯するだけの十分な電圧があることを示します。障害検知ボタンを押してもこのLEDが点灯しない場合は、障害検知回路に電力を供給するコンデンサの充電が切れたものと思われます。これは、障害検知ボタンを長く押し続けて障害LEDが点灯しているか、システム・コントローラがシャーシから15分以上取り外されている場合に起こる可能性があります。



      図4-4 障害検知ボタンと障害検知電源良好LEDの位置

      画像: 障害検知ボタンと障害検知電源良好LEDの位置を示す図。

      図の説明

      1 障害検知ボタン

      2 障害検知電源良好LED (緑色)

    2. 障害のあるDIMMの位置を書き留めます。

      障害のあるDIMMは、マザーボード上の対応するオレンジ色のLEDで特定されます(「DIMM障害LEDの位置」)。


      図4-5 DIMM障害LEDの位置

      画像: メモリーDIMM障害LEDの位置を示す図。
      • DIMM保守要求LEDが消えている場合、DIMMは正常に動作しています。
      • DIMM保守要求LEDが点灯している(オレンジ色)場合、DIMMに障害があり、交換する必要があります。
  3. 障害のあるDIMMを取り外すには、次のようにします。
    1. DIMMの両側のスロット・イジェクタを外側いっぱいに開きます。

      DIMMの一部がソケットから外れます(「DIMMのソケット解除と位置合せ」)。

    2. DIMMを慎重にまっすぐ持ち上げ、ソケットから外します。

      図4-6 DIMMのソケット外しと位置合せ

      画像: この図はDIMMのソケット外しと位置合せを示しています。

      図の説明

      1 DIMMコネクタ・スロット

      2 DIMMコネクタ・キー

      3 DIMMイジェクタ・レバー

  4. 障害のあるそれぞれのDIMMを、同じランク・サイズ(デュアルまたはシングル・ランク)の別のDIMMか、DIMMフィラー・パネルのいずれかと交換します。

    DIMM交換の手順は、「DIMMを取り付ける」を参照してください。


    注意

    注意 - 空のDIMMソケットに交換用DIMMをすぐに差し込まない場合は、ソケットにDIMMフィラー・パネルを挿入して、十分な冷却を確保し、システム停止の可能性を少なくします。


DIMMを取り付ける

  1. 交換用DIMMを包みから取り出し、静電気防止用マット上に置きます。
  2. 交換用DIMMが、交換するDIMMのサイズ(デュアルランクまたはシングルランク)と一致することを確認します。
  3. イジェクタのタブが開いた状態になっていることを確認します。
  4. 交換用DIMMとコネクタの位置を合せます(「DIMMの取付け」)。

    DIMMのV字型の刻み目をコネクタのキーと合せます。この刻み目により、DIMMを正しく取り付けることができます。


    図4-7 DIMMの取付け

    画像: DIMMの取付け方法を示す図。
  5. イジェクタのタブによりDIMMが正しい位置に固定されるまで、DIMMをコネクタに押し込みます。

    DIMMが簡単にコネクタに納まらない場合、「DIMMの取付け」に示すように、DIMMの刻み目がコネクタ内のキーと合っていることを確認します。刻み目の位置が合っていないと、DIMMが破損する可能性があります。

  6. 交換用DIMMがすべて取り付けられるまで、手順3から手順5を繰り返します。
  7. SCを動作状態に戻します。
    1. SCの上部カバーを取り付けます。

      6.1 「SCの上部カバーの取付け」を参照してください。

    2. SCをシステムに取り付けます。

      6.2 「システム・シャーシへのSCの取付け」を参照してください。

    3. SCの電源を入れます。

      6.4 システム・コントローラの電源投入

  8. DIMMの障害を消去します。
    1. Oracle ILOM CLIを使用して、rootとしてSCにログインします。
    2. SCの障害を表示するには、次のコマンドを入力して、システム上の既知の障害すべてのリストを表示します。

      -> show /SP/faultmgmt

      Oracle ILOMにより、次のように既知の障害がすべて表示されます。

      SP/faultmgmt
        Targets:
            0 (/SYS/MB/P0/D2)
        Properties:
        Commands:
            cd
            show
    3. DIMMの障害を消去するには、次のコマンドを入力します。

      -> set /SYS/MB/P0/Dn clear_fault_action=true

    たとえば、CPU0上のD2の位置にあるDIMMの障害を消去するには、次のように入力します。

    -> set /SYS/MB/P0/D2 clear_fault_action=true
    Are you sure you want to clear /SYS/MB/P0 (y/n)? y
    Set ‘clear_fault_action” to ‘true’

4.3.4 エラー修正およびパリティ保護

SCのプロセッサには、その内部キャッシュ・メモリーに対するパリティ保護機能と、データのエラー修正コード(ECC)保護機能があります。SCでは次のタイプのエラーを検出し、Oracle ILOMイベント・ログに記録することができます。

拡張ECCでは、ビットがすべて同じDRAMに存在するかぎり、ニブル境界でエラー状態にある最大4ビットを修正します。DRAMに障害が発生しても、DIMMは機能し続けます。

障害のあるDIMMが交換されるとすぐに障害を消去するには、次のOracle ILOM CLIコマンドを入力します。

-> set clear_fault_action=true

DIMM障害の消去の詳細は、Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0ドキュメント・コレクションを参照してください。