この統計は、アプライアンスがシェア設定とソフトウェア RAID 設定に基づいて論理 I/O を物理 I/O に処理したあとの、ディスクへの 1 秒あたりのバックエンド I/O 操作 (ディスク IOPS) を表示します。RAID 設定を構成するには、Configuring Storage in Oracle ZFS Storage Appliance Administration Guide, Release OS8.8.xを参照してください。
たとえば、8K バイトの NFSv3 逐次書き込みが 16 件あれば、データが ARC DRAM キャッシュにバッファーされたあと、しばらくしてから単一の 128K バイト書き込みになることがあり、その後 RAID により複数回のディスク書き込みとなる、つまりミラーの各片側に対して 2 回の書き込みとなる場合もあります。この動作を検査するには、たとえば次を表示して、I/O をすべての層で同時にモニターすると役立つ場合があります。
Protocol: NFSv[2-4] Operations - NFS 書き込み (論理)
Disk: ZFS Logical I/O Operations - シェアの I/O (論理)
ディスク: I/O 操作 - ディスクへの I/O (物理)
この統計にはディスク I/O の待機時間別の内訳があります。これは同期 I/O のパフォーマンスの直接的な指標であり、バックエンドディスク負荷の大きさの指標としても役立ちます。待機時間を考慮せずにディスク IOPS だけから問題を特定することは困難です。単一のディスクが、ほとんどがディスクのオンボード DRAM キャッシュにヒットする小さい逐次 I/O では 400 IOPS で良好に動作し、ヘッドシークとディスク回転の待機時間を伴うランダム I/O では 110 IOPS の低速で動作する場合もあります。
待機時間内訳は、I/O 待機時間のパターンを示すヒートマップとして外れ値とともに表示されます。外れ値のアイコン
上にマウスを置いて現在の値を確認し、そのアイコンをクリックして外れ値の除去のさまざまな割合を切り替えます。ディスク I/O 待機時間は多くの場合、同期読み取り (プリフェッチでない) および同期書き込みなどの伝送される論理 I/O のパフォーマンスに関係します。あとでディスクにフラッシュされる非同期書き込みや、プリフェッチの読み取りなどのように、待機時間が論理 I/O のパフォーマンスに直接関連しないこともあります。
ディスクごとの IOPS 制限を特定することは困難であるため、オフセット別にディスク IOPS も調べてください。これは、ランダムまたは順次としての IOPS タイプ、および I/O サイズを識別するのに役立ちまます。これらの属性を確認するには、次の内訳を使用します。
ディスク: オフセット別の I/O 操作内訳
ディスク: サイズ別の I/O 操作内訳
内訳を表示する際にペインで各結果を選択すると、それがグラフで強調表示され、色で個別に表示されます。強調表示済みの結果を選択すると、それがグラフで個別に表示されなくなります。
ディスク内訳別にディスク IOPS を表示する際に、ディスク内訳ペインのディスク上にマウスを置くと、ボックスに次の情報が表示されます。
ディスク名 - コントローラまたはディスクシェルフの名前/ラベル: I/O 操作数/秒
ディスクタイプ: 通常は HDD または SSD
タイプ: 通常はシステム、データ、キャッシュ、またはログ
サイズ
RPM (SSD の場合は非表示)
すべてのディスクの階層ビューを表示するには、ディスク内訳ペインの下にある「階層の表示」をクリックします。コントローラおよび各ディスクシェルフの 1 秒あたりの I/O 操作数が表示されます。「階層をリフレッシュ」をクリックして、グラフに表示される階層の内訳をリフレッシュします。このビューを閉じるには、閉じるアイコン
をクリックします。
ディスク使用率または待機時間に基づく問題が確認されたあとで、1 秒あたりのディスク I/O 操作数 (IOPS) に基づいてバックエンドディスク I/O の性質を理解するには、この統計を使用します。
ディスク内訳ペインと階層ビューを使用して、ディスク IOPS に関してディスクシェルフのバランスが取れているかどうかを調べます。ディスク IOPS を調べると、キャッシュデバイスとログデバイスのスループットがその他のストレージプールディスクよりも高いことが一般的です。
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ディスク使用率の最適な指標については、Disk: Disksを参照してください。操作数/秒の代わりにバイト数/秒を検査する場合は、Disk: I/O Bytesを参照してください。