Oracle® Solaris 11.2 でのネットワークファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

NFS エラーメッセージ

このセクションでは、NFS エラーメッセージ、そのエラーを作成できる状態の説明、および可能な解決策を一覧表示します。

Bad argument specified with index option - must be a file

解決策:  –index オプションにファイル名を含めるする必要があります。ディレクトリ名は使用できません。

Cannot establish NFS service over /dev/ tcp: transport setup problem

説明:  このメッセージは、名前空間内のサービス情報が更新されなかったときによく生成されます。またこのメッセージは、UDP の状態を示すことがあります。

解決策:  この問題を解決するには、名前空間の中のサービスデータを更新します。 NIS と /etc/services の場合、エントリは次のようにする必要があります。

nfsd    2049/tcp    nfs    # NFS server daemon
nfsd    2049/udp    nfs    # NFS server daemon

Could not start daemon: error

説明:  このメッセージは、デーモンが異常終了するか、システムコールにエラーが発生した場合に表示されます。error 文字列に問題が記述されます。

解決策:  My Oracle Support に連絡して支援を依頼してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。

Could not use public filehandle in request to server

説明:  このメッセージは、–public オプションが指定されているけれども NFS サーバーが公開ファイルハンドルをサポートしない場合に表示されます。この場合、マウントが失敗します。

解決策:  公開ファイルハンドルを使用しないでマウント要求を試行するか、公開ファイルハンドルをサポートするように NFS サーバーを再構成してください。

daemon running already with pid pid

説明:  デーモンがすでに実行中です。

解決策:  新しいプロセスを実行する場合は、現在のバージョンを終了して新しいバージョンを開始してください。

error locking lock-file

説明:  このメッセージは、デーモンに関連付けられている lock-file を正しくロックできなかったときに表示されます。

解決策:  My Oracle Support に連絡して支援を依頼してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。

error checking lock-file: error

説明:  このメッセージは、デーモンに関連付けられている lock-file を正しく開けなかったときに表示されます。

解決策:  My Oracle Support に連絡して支援を依頼してください。このエラーメッセージが出力されることはほとんどなく、直接的な解決策はありません。

NOTICE: NFS3: failing over from host1 to host2

説明:  このメッセージは、フェイルオーバーが発生したときにコンソールに表示されます。報告のためだけのメッセージです。

解決策:  アクションは必要ありません。

filename: File too large

説明:  NFS Version 2 クライアントが、2G バイトを超えるファイルにアクセスしようとしています。

解決策:  NFS Version 2 の使用を避けてください。NFS Version 3 または NFS Version 4 でファイルシステムをマウントしてください。–nolargefiles オプションの説明については、mount(1M) マニュアルページを参照してください。

mount: ... server not responding:RPC_PMAP_FAILURE - RPC_TIMED_OUT

説明:  マウントしようとしているファイルシステムを共有しているサーバーが、ダウンしているか、到達不能か、または間違った実行レベルであるか、rpcbind プロセスが死んでいるまたはハングアップしています。

解決策:  サーバーがリブートするまで待機します。サーバーがハングアップしている場合は、サーバーをリブートします。

mount: ... server not responding: RPC_PROG_NOT_REGISTERED

説明:  マウント要求は rpcbind プロセスによって登録されているけれども、NFS マウントデーモン mountd が登録されていません。

解決策:  サーバーがリブートするまで待機します。サーバーがハングアップしている場合は、サーバーをリブートします。

mount: ... No such file or directory

説明:  リモートディレクトリもローカルディレクトリも存在しません。

解決策:  ディレクトリ名のスペルをチェックします。両方のディレクトリで ls コマンドを実行します。

mount: ...: Permission denied

説明:  システム名が、クライアントのリスト内にないか、マウントしようとしたファイルシステムへのアクセスを許可されているネットグループ内にない可能性があります。

解決策:  showmount -e コマンドを使ってアクセスリストを確認してください。

NFS file temporarily unavailable on the server, retrying ...

説明:  NFS Version 4 サーバーはファイルの管理をクライアントに委託できます。このメッセージは、クライアントからの要求と重複するほかのクライアントへの委託を、サーバーが再発信していることを示します。

解決策:  サーバーがクライアントの要求を処理する前に、再発信が行われる必要があります。委託の詳細は、NFS version 4 における委託を参照してください。

NFS fsstat failed for server hostname: RPC: Authentication error

説明:  さまざまな状況で発生するエラーです。もっともデバッグが困難なのは、ユーザーの属しているグループが多すぎる場合です。現在、ユーザーは最大 16 個のグループに属すことができますが、NFS マウントでファイルにアクセスしている場合は、それよりも少なくなります。

解決策:  16 を超えるグループに所属する必要があるユーザーのために、代替策があります。アクセス制御リスト (ACL) を使って、必要なアクセス特権を提供できます。

nfs mount: NFS can't support “nolargefiles”

説明:  NFS クライアントが、–nolargefiles オプションを使用して NFS サーバーからファイルシステムをマウントしようとしました。

解決策:  このオプションは、NFS ファイルシステムタイプに対してはサポートされていません。

nfs mount: NFS V2 can't support “largefiles”

説明:  NFS Version 2 プロトコルは大きなファイルを処理できません。

解決策:  大きなファイルへのアクセスが必要な場合は、NFS Version 3 または NFS Version 4 を使用する必要があります。

NFS server hostname not responding still trying

説明:  ファイル関連の作業中にプログラムがハングアップする場合は、NFS サーバーで障害が発生した可能性があります。このメッセージは、NFS サーバー (hostname) がダウンしているか、サーバーかネットワークに問題があることを示すものです。

解決策:  NFS フェイルオーバーが使用されている場合は、hostname はサーバーのリストです。NFS クライアントの接続性を確認する方法を参照してください。

NFS server recovering

説明:  NFS Version 4 サーバーリブートの一環で、一部の操作が許可されませんでした。このメッセージは、サーバーがこの操作の続行を許可するまで、クライアントが待機していることを示します。

解決策:  アクションは必要ありません。サーバーが操作を許可するまで待機します。

Permission denied

説明:  このメッセージは、次の理由で ls –lgetfacl、および setfacl コマンドによって表示されます。

  • NFS Version 4 サーバー上のアクセス制御リスト (ACL) エントリ内に存在するユーザーまたはグループを、NFS Version 4 クライアント上の有効なユーザーまたはグループにマッピングできない場合、ユーザーはクライアント上で ACL を読み取ることができません。

  • NFS Version 4 クライアント上で設定されている ACL エントリ内に存在するユーザーまたはグループを、NFS Version 4 サーバー上の有効なユーザーまたはグループにマッピングできない場合、ユーザーはクライアント上の ACL に対して書き込んだり変更したりできません。

  • NFS Version 4 クライアントおよびサーバーの nfsmapid_domain 値が一致しない場合、ID マッピングが失敗します。

NFS 用の ACL エントリに関する詳細は、NFS version 4 での ACL と nfsmapidを参照してください。

解決策:  次を実行してください。

  • ACL エントリ内のすべてのユーザー ID およびグループ ID がクライアントとサーバーの両方に存在することを確認します。

  • nfsmapid_domain プロパティーの値が SMF リポジトリ内で正しく設定されていることを確認します。

サーバーまたはクライアントでユーザーまたはグループをマッピングできるかどうかを判断するために使用するスクリプトについては、マッピングされていないユーザー ID またはグループ ID を確認するを参照してください。

port number in nfs URL not the same as port number in port option

説明:  NFS URL に含まれているポート番号は、マウント上の –port オプションに含まれているポート番号と一致している必要があります。一致していないと、マウントは失敗します。

解決策:  同じポート番号にしてコマンドを再実行するか、ポート番号の指定を省略してください。通常は、NFS URL と –port オプションの両方にポート番号を指定する必要はありません。

replicas must have the same version

説明:  NFS フェイルオーバーが正しく機能するには、複製である NFS サーバーが同じバージョンの NFS プロトコルをサポートする必要があります。

解決策:  複数のバージョンを実行しないでください。

replicated mounts must be read-only

説明:  NFS フェイルオーバーは読み書きでマウントされたファイルシステムでは機能しません。ファイルシステムを読み書き可能としてマウントすると、ファイルが変更される可能性が高くなるためです。

解決策:  NFS のフェイルオーバー機能は、ファイルシステムがまったく同じであることが前提です。

replicated mounts must not be soft

説明:  NFS フェイルオーバーが発生する前にタイムアウトを待機することを、複製されたマウントが要求しています。

解決策:  –soft オプションを指定すると、タイムアウトが開始してすぐにマウントが失敗するため、複製されるマウントには –soft オプションは指定できません。

share_nfs: Cannot share more than one filesystem with 'public' option

解決策:  share コマンドを使って、–public オプションで共有するために 1 つのファイルシステムだけが選択されていることを確認してください。公開ファイルハンドルは、サーバーあたり 1 つしか設定できません。したがって、public オプションで共有できるファイルシステムは 1 つだけです。

WARNING: No network locking on hostname:path: contact admin to install server change

説明:  NFS クライアントが NFS サーバー上のネットワークロックマネージャーとの接続を確立しようとしましたが、成功しませんでした。この警告は、マウントできなかったことを知らせるためではなく、ロックが機能しないことを警告するために出力されます。

解決策:  完全なロックマネージャーサポートを提供する新しいバージョンの OS でサーバーをアップグレードしてください。