Oracle® Solaris 11.2 でのネットワークファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

NFS Version 3 プロトコル

NFS Version 2 プロトコルとは異なり、NFS Version 3 プロトコルは 2G バイトより大きいファイルを扱えます。NFS での大きなファイルの扱いについては、NFS 大規模ファイルのサポートを参照してください。

NFS Version 3 プロトコルではサーバー上で安全な非同期書き込みが可能なので、サーバーがクライアント書き込み要求をメモリー内にキャッシュすることを許可することでパフォーマンスが向上します。サーバーが変更をディスクにコミットするのをクライアントが待機する必要がなくなるため、応答時間が速くなります。サーバーは要求をバッチ処理することもできるので、サーバー上の応答時間も短縮されました。

多くの Solaris NFS Version 3 操作は、ローカルキャッシュに保存されている、ファイル属性を返します。キャッシュがより頻繁に更新されるため、このデータを更新するために別個の操作の実行が必要になる頻度が少なくなります。したがって、サーバーへのリモートプロシージャー呼び出し (RPC) の回数が減少し、パフォーマンスが向上します。

ファイルアクセス権の検証処理が改善されました。version 2 では、ユーザーが適切なアクセス権を持っていないリモートファイルをコピーしようとすると、「書き込みエラー」や「読み取りエラー」というメッセージが出力されました。Version 3 では、ファイルが開かれる前にアクセス権がチェックされるため、エラーが「オープンエラー」として報告されます。

NFS Version 3 プロトコルでは、8K バイト転送サイズ制限が解除されました。クライアントとサーバーは、Version 2 で適用された 8K バイト制限に準拠する代わりに、クライアントとサーバーがサポートする転送サイズにかかわらずネゴシエートできます。以前の Solaris の実装では、デフォルトで、プロトコルが 32K バイトの転送サイズに設定されていることに注意してください。Oracle Solaris 10 リリースから、書き込み転送サイズの制限が緩和されました。使用するトランスポートプロトコルに基づいて転送サイズが決定されるようになりました。