Oracle® Solaris 11.2 でのネットワークファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

lockd デーモン

lockd デーモンは NFS ファイルでのレコードロック操作をサポートします。lockd デーモンは、ネットワークロックマネージャー (NLM) プロトコルについて、クライアントとサーバー間の RPC 接続を管理します。通常は、パラメータを指定しないで起動します。使用できるオプションは 3 つあります。これらのオプションは、コマンド行から、または sharectl コマンドを使用してパラメータを設定することで設定できます。詳細は、lockd(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 -  LOCKD_GRACE_PERIOD キーワードと –g オプションは非推奨です。非推奨のキーワードは、新しい grace_period パラメータに置き換えられています。両方のキーワードが設定されている場合、grace_period の値は、LOCKD_GRACE_PERIOD の値をオーバーライドします。

LOCKD_GRACE_PERIOD と同様に、grace_period= graceperiod パラメータは、クライアントが NFS Version 3 ロック (NLM によって提供される) と NFS Version 4 ロックを再利用する必要がある、サーバーリブート後の秒数を設定します。

lockd_retransmit_timeout=timeout パラメータは、ロック要求をリモートサーバーに再転送する前に待機する秒数を選択します。このオプションは NFS クライアントのサービスに関係します。timeout のデフォルト値は 5 秒です。この値を小さくすると、トラフィックの多いネットワーク上の NFS クライアントに対する応答時間を改善できます。ただし、ロック要求が増えることによってサーバーの負荷が増す可能性があります。デーモンに –t timeout オプションで開始することで、同じパラメータをコマンド行から使用できます。

lockd_servers=number パラメータは、同時 lockd 要求の最大数を指定します。デフォルト値は 1024 です。

nthreads パラメータは、サーバーが処理できる同時スレッドの最大数を指定します。UDP を使用するすべての NFS クライアントは、NFS サーバーと 1 つの接続を共有します。その場合、UDP 接続が使用できるスレッドの数を増やさなければならないことがあるかもしれません。各 UDP クライアントには、少なくとも 2 つのスレッドを許可します。ただし、この数は、クライアントの負荷により違います。そのため、クライアントごとに 2 つのスレッドを許可しても、十分ではない場合があります。多くのスレッドを使用する場合の不利な点は、これらのスレッドを使用すると、NFS サーバー上で使用するメモリーの容量が増えるという点です。ただし、スレッドを使用しない場合は、nthreads の値を増やしても影響がありません。デーモンに –nthreads オプションを指定して開始すると、コマンド行から同じパラメータを使用できます。