Oracle® Solaris 11.2 でのネットワークファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

NFS Version 3 でのファイルシステムのマウント方法

このセクションの情報は NFS Version 3 マウントだけに適用されます。NFS Version 4 マウントプロセスは、ポートマップサービスおよび MOUNT プロトコルを取り込みません。

クライアントがサーバーからファイルシステムのマウントを試行するとき、クライアントはサーバーからファイルハンドルを取得する必要があります。ファイルハンドルは、そのファイルシステムに対応していなければなりません。そのためには、クライアントとサーバーの間でいくつかのトランザクションが発生します。この例では、クライアントはサーバーから /home/user をマウントしようとします。このトランザクションの snoop トレースは次のとおりです。

client -> server PORTMAP C GETPORT prog=100005 (MOUNT) vers=3 proto=UDP
server -> client PORTMAP R GETPORT port=33482
client -> server MOUNT3 C Null
server -> client MOUNT3 R Null 
client -> server MOUNT3 C Mount /export/home9/user
server -> client MOUNT3 R Mount OK FH=9000 Auth=unix
client -> server PORTMAP C GETPORT prog=100003 (NFS) vers=3 proto=TCP
server -> client PORTMAP R GETPORT port=2049
client -> server NFS C NULL3
server -> client NFS R NULL3 
client -> server NFS C FSINFO3 FH=9000
server -> client NFS R FSINFO3 OK
client -> server NFS C GETATTR3 FH=9000
server -> client NFS R GETATTR3 OK

この追跡結果では、クライアントがまずマウントポート番号を NFS サーバーの portmap サービスに要求します。クライアントが取得したマウントポート番号 (33492) は、サーバーでサービスが使用可能かどうかをテストするために使用されます。このポート番号でサービスが実行中であることが確認できると、クライアントはマウントを要求します。サーバーはこの要求に応答するときに、マウントするファイルシステムのファイルハンドル (9000) を取り込みます。これに対してクライアントは、NFS ポート番号を要求します。クライアントはサーバーからこの番号を受け取ると、NFS サービス (nfsd) が使用可能かどうかをテストします。また、そのファイルハンドルを使うファイルシステムに関する NFS 情報を要求します。

次のトレースでは、クライアントは –public オプション付きファイルシステムをマウントしています。

client -> server NFS C LOOKUP3 FH=0000 /export/home9/user
server -> client NFS R LOOKUP3 OK FH=9000
client -> server NFS C FSINFO3 FH=9000
server -> client NFS R FSINFO3 OK
client -> server NFS C GETATTR3 FH=9000
server -> client NFS R GETATTR3 OK

デフォルトの公開ファイルハンドル (0000) を使用しているために、すべてのトランザクションにポートマップサービスから情報が与えられ、NFS ポート番号を決定するためのトランザクションはありません。


注 -  NFS Version 4 は、揮発性ファイルハンドルをサポートします。詳細は、NFS version 4 における揮発性ファイルハンドルを参照してください。