Oracle® Solaris 11.2 でのネットワークファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

sharectl コマンド

    このリリースには、NFS などのファイル共有プロトコルを構成および管理できる管理ツールである、sharectl ユーティリティーが含まれています。このコマンドを使用して次のことを実行できます。

  • クライアントとサーバーの動作プロパティーを設定する

  • 特定のプロトコルのプロパティー値を表示する

  • プロトコルのステータスを取得する

sharectl ユーティリティーは次の構文を使用します。

# sharectl subcommand [option] [protocol]

sharectl ユーティリティーは次のサブコマンドをサポートしています。

set

ファイル共有プロトコルのプロパティーを定義します。プロパティーとプロパティー値の一覧については、nfs(4) のマニュアルページで説明されているパラメータを参照してください。

get

指定されたプロトコルのプロパティーとプロパティー値を表示します。

status

指定されたプロトコルが有効か無効かを表示します。プロトコルが指定されていない場合は、すべてのファイル共有プロトコルのステータスが表示されます。

set サブコマンド

ファイル共有プロトコルのプロパティーを定義する set サブコマンドは、次のオプションをサポートしています。

–h

オンラインヘルプの説明を提供します。

–p

プロトコルのプロパティーを定義します。

set サブコマンドは次の構文を使用します。

# sharectl set [-h] [-p property=value] protocol

set サブコマンドを使用するには root の特権が必要です。

このコマンドを追加プロパティー値ごとに繰り返す必要はありません。同じコマンドで –p オプションを複数回使用して複数のプロパティーを定義できます。

次の例は、クライアントの NFS プロトコルの最小バージョンを 3 に設定します。

# sharectl set -p client_versmin=3 nfs

get サブコマンド

指定されたプロトコルのプロパティーとプロパティー値を表示する get サブコマンドは、次のオプションをサポートしています。

–h

オンラインヘルプの説明を提供します。

–p

指定されたプロパティーのプロパティー値を特定します。–p オプションが使用されていない場合は、すべてのプロパティー値が表示されます。

get サブコマンドは次の構文を使用します。

# sharectl get [-h] [-p property] protocol

get サブコマンドを使用するには root の特権が必要です。

次の例は servers を使用します。これは、同時に処理できる NFS 要求の最大数を指定できるプロパティーです。

# sharectl get -p servers nfs
servers=1024

次の例では、–p オプションが使用されていないため、すべてのプロパティー値が表示されます。

# sharectl get nfs
servers=1024
listen_backlog=32
protocol=ALL
servers=32
lockd_listen_backlog=32
lockd_servers=20
lockd_retransmit_timeout=5
grace_period=90
nfsmapid_domain=example.com
server_versmin=2
server_versmax=4
client_versmin=2
client_versmax=4
server_delegation=on
max_connections=-1
device=

status サブコマンド

status サブコマンドは、指定されたプロトコルが有効か無効かを表示します。オンラインヘルプの説明を提供する、–h オプションをサポートします。

status サブコマンドは次の構文を使用します。

# sharectl status [-h] [protocol]

次の例は、NFS プロトコルのステータスを表示します。

# sharectl status nfs
nfs	   enabled