Oracle® x86 サーバー診断、アプリケーション、およびユーティリティーガイド

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更新: 2014 年 4 月
 
 

手動モードでの UEFI 診断

診断テストに Manual レベルを選択した場合、UEFI 診断を手動モードで実行します。手動モードの使用時には、CLI コマンドを入力して UEFI 診断テストを実行する必要があります。

Manual レベルの診断テストの出力は、モニター、シリアルコンソール、またはシステムに接続されている KVM のいずれかから表示されます。テストの最後に、システムを手動で Disabled レベルに戻す必要があります。

UEFI コマンドオプションのリストについては、UEFI 診断の CLI コマンドを参照してください。UEFI 診断の出力の表示については、UEFI 診断の出力を参照してください。


注 -  Manual レベルの診断テストの出力を実行するには、モニター、シリアルコンソール、またはシステムに接続されている KVM のいずれかを使用する必要があります。

次のセクションでは、手動モードで UEFI 診断を使用するときの一般的な CLI の使用情報について説明します。

  • リソース要件

  • 基本的なコマンド構文

  • コマンドフラグ

リソース要件

このセクションでは、それぞれの UEFI 診断コマンドについて記載されてるプロセッサリソースの要件とインスタンスの制限について説明します。次の表に、プロセッサ属性とインスタンス属性の説明を示します。

リソース要件
説明
BSP_ONLY
1 つのコマンドを、ブートストラッププロセッサ (BSP) のみで実行します。これはアプリケーションプロセッサ (AP) では実行できません。
ONE_AP_OR_BSP
1 つのコマンドを、一度に BSP またはいずれか 1 つの AP で実行できます。
ANY_PROC
1 つのコマンドを、任意の AP または BSP で実行できます。
ONE_INSTANCE_ONLY
コマンドの 1 つのインスタンスのみを一度に実行できます。
MULTIPLE_INSTANCES
コマンドの複数のコピーを同時に実行できます。

基本的なコマンド構文

このセクションでは、このガイドで使用される基本的な CLI 構文規則について説明します。

このドキュメント内では、CLI コマンドは monospace フォントで表示されています。fs0:/> 文字は、UEFI シェルコマンドプロンプトの例を表しているため、コマンドの一部としては入力しません。

表記規則
説明
{ }
中カッコは、必須項目を表します。
[ ]
大カッコは、オプション項目を表します。
<italics>
イタリック体は、変数を表します。変数には値を代入します。
|
縦線は、中カッコ内の必須の選択項目、または大カッコ内のオプションの選択項目を表します。

たとえば、次のコマンド構文では、次のようになります。

udiag storage mst { all | <device_name> } [ -time <n> ]

  • udiag storage mst – 開始する UEFI 診断テストを表します。

  • all | <device_name> – すべてのストレージデバイスのテスト、または device_name 変数の代わりに入力する特定のストレージデバイスのテストのいずれかの、必須の選択項目を表します。

  • -time <n>n 変数の代わりに入力する特定の期間のストレージデバイスをテストするためのオプションの選択項目を表します。

コマンドフラグ

このセクションでは、UEFI 診断で使用されるコマンドフラグについて説明します。

UEFI 診断プロセスは、2 つのステップでフラグを処理します。最初のステップでは、コマンドの前 (ただし udiag のあとに) 表示されるフラグが解析され、その後に続くコマンドの設定フラグとして扱われます。2 番目のステップでは、コマンドのあとに続くフラグは、そのコマンドの設定のみをオーバーライドするために使用されます。


注 -  -l (ログファイル) フラグは、デフォルトの設定フラグとしてのみ使用する必要があります。その他のフラグは、コマンド固有のフラグとしてのみ使用します。これは、該当する場合にのみデフォルト設定として使用してください。
フラグ
パラメータ
説明
-h-?-help
コマンドのヘルプ情報を表示します。
-Q-q-n-v-V
コマンドが出力する可能性がある情報の量を指定する、同時に使用できないフラグ。-n がデフォルトです。-Q または -q は表示が制限され、-V または -v は非常に冗長になります。
-w
<byte_size>
レジスタとメモリーの場所へのアクセスサイズをバイト単位で指定します。<byte_size> は、124、または 8 のいずれかである必要があります。デフォルトのサイズは 8 です。
-pc
<n>
<n> 回の合格に達するまでコマンドを繰り返します。デフォルトは 1 です。
-ec
<n>
<n> 個のエラーに達するまでコマンドを繰り返します。デフォルトは 1 です。
-time
<n>
実行を <n> 秒に制限します。デフォルトは 0 で、制限がないことを示します。
-l
<log_file>
すべてのコンソール出力を <log_file> にコピーします。log_file は次の形式である必要があります。
<volume>:<hierarchical_file_name>
ここでは:
hierarchical_file_name = [\<file_or_folder_name>]+
例:
-l fs0:\test1.log
-s
<begin>
コマンドに固有の 64 ビットの汎用 16 進数を指定します。たとえば、メモリーテストでは、テストするメモリー範囲の最小アドレスとしてこれを使用します。
-e
<end>
コマンドに固有の 64 ビットの汎用 16 進数を指定します。たとえば、メモリーテストでは、テストするメモリー範囲の最大アドレスに 1 バイトを加えた値としてこれを使用します。
-np
<n> | all
使用するアプリケーションプロセッサ (AP) の数を指定します。リテラル all は、有効なすべてのプロセッサを使用することを指定します。
-ap
<n>[/<n>]*
使用する 1 つ以上の特定の AP を指定します。プロセッサ番号 0 は、ブートストラッププロセッサ (BSP) 用に予約されており、これはこのフラグでは使用できません。
すべての AP に、1 から、SMBIOS テーブルで報告されている有効な最大プロセッサまでの番号が付けられます。
たとえば、-ap 5f/1/10 は、プロセッサ 5f1、および 10 をコマンドに割り当てます。たとえば、メモリーテストは、AP を一覧表示されている順序で、テスト範囲のサブブロックへ、アドレス指定が最小のサブブロックから順次割り当てます。主な用途としては、サブブロックから遠くのプロセッサを割り当てることで、ソケットのインターコネクトでできるだけ多くのトラフィックを生成します。

CLI コマンドの入力時には、次の規則に留意してください。

  • ほとんどのコマンドでは、-h-?-help-n-v-V-pc、および -ec フラグがサポートされます。

  • AP 対応のコマンドでは、-np および -ap フラグがサポートされます。

  • memorystoragefpusimd テストなどの長時間実行のテストでは、-time フラグがサポートされます。

  • 右側の大カッコのあとにある接尾辞 * (たとえば、[<n>]*) は、0 回以上繰り返されるオプションを示しています。

  • 右側の大カッコのあとにある接尾辞 + (たとえば、[\<file_or_folder_name>]+) は、1 回以上繰り返されるオプションを示しています。