Oracle® X5 シリーズサーバー管理ガイド

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更新: 2015 年 7 月
 
 

障害検出および診断の概要

サーバーでは、複数の障害検出および診断用のツールがサポートされています。Oracle ILOM Fault Manager などの障害検出ツールでは、ハードウェアの障害や環境の悪条件を検出するためにシステムが自動的にポーリングされます。Oracle VTS などの診断ツールは、手動で実行する必要がありますが、サーバーの問題のトラブルシューティングを行う際に役立ちます。次の表には、サーバーでサポートされている障害検出および診断用のツールの概要を示します。

ツール
説明
ドキュメント
Oracle ILOM Fault Manager
Oracle ILOM Fault Manager は、サーバーのサービスプロセッサ (SP) に組み込まれた Oracle ILOM ファームウェアの一部です。Fault Manager は、サーバー上でシステムのハードウェア障害と環境条件を自動的に検出します。サーバー上で問題が発生すると、Oracle ILOM は「Open Problems」テーブルで問題を特定し、障害に関する情報をイベントログに記録します。
Oracle ILOM システムモニタリングおよび診断用ユーザーズガイド、ファームウェアリリース 3.2.x』の「ハードウェア障害から保護する: Oracle ILOM 障害マネージャー」を参照してください。
Oracle Linux Fault Management Architecture (FMA)
Oracle Linux FMA ソフトウェアは、Oracle Hardware Management Pack からオプションでサーバー上にインストールできます。Oracle Linux FMA を使用すると、Oracle ILOM で障害を管理するときとほぼ同じ方法で、オペレーティングシステム (OS) レベルで検出された障害を管理できます。Linux FMA からの障害診断メッセージは、Oracle ILOM と共有される障害管理データベース上に保持されます。
Oracle Linux Fault Management Architecture User's Guide』を参照してください。
Oracle Solaris Fault Management Architecture (FMA)
Oracle Solaris FMA は、Oracle Solaris オペレーティングシステム (OS) に付属されています。Fault Manager は、ハードウェアとソフトウェアのエラーに関連するデータを受け取り、根本的な問題を自動的に診断し、障害の発生したコンポーネントをオフラインにすることで対応します。
次の場所にある 『Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク』について参照してください。
Auto Service Request (ASR)
ASR は、Oracle ハードウェア用のオプションのサポートサービスです。ASR は、データセンター内の ASR 対応のシステム上にある遠隔監視ソース (Oracle ILOM など) からハードウェアの遠隔監視データを収集します。ASR は、この遠隔監視データをフィルタリングし、潜在的な障害であると判断されたものを Oracle に直接転送してから、自動的にサーバー要求を開始します。ASR サービスの機能は、Oracle ILOM から構成できます。
次に移動します。
U-Boot 診断
U-Boot は、SP をブートするための十分な機能があることを確認するため、ハードウェアの基本機能を自動的にテストします。
U-Boot 診断を起動するには、サーバーを再起動し、プロンプトが表示されたら「e」、「q」、「n」のいずれかを押して対応する診断テストを開始します。
Oracle ILOM 3.1 および Oracle ILOM 3.2.x 搭載サーバー用 Oracle x86 サーバー診断、アプリケーション、およびユーティリティーガイド』の「U-Boot 診断」セクションを参照してください。
サービスプロセッサの「Preboot」メニュー
サービスプロセッサの「Preboot」メニューを使用すると、SP のブート後には変更できないサービスプロセッサ (SP) の設定を変更できます。たとえば、「Preboot」メニューを使用すれば、Oracle ILOM root パスワードの出荷時のデフォルトへのリセット、シリアルポートへの Oracle ILOM アクセスの復元、SP ファームウェアの更新を行うことができます。
「Preboot」メニューを起動するには、SP をリセットしてブートプロセスに割り込む必要があります。ローカルでこれを行うには、サーバーの位置特定ボタンを押したまま、SP をリセットします。リモートでこれを行うには、ブートストラッププロセスの一時停止中に xyzzy と入力します。
Oracle ILOM 3.1 および Oracle ILOM 3.2.x 搭載サーバー用 Oracle x86 サーバー診断、アプリケーション、およびユーティリティーガイド』の「Oracle ILOM の「Preboot」メニュー」セクションを参照してください。
BIOS POST
システムの起動時、システム BIOS は電源投入時自己診断テスト (POST) を実行してサーバー上のハードウェアをチェックし、すべてのコンポーネントが存在すること、および適切に機能することを確認します。これは、システムコンソールにこのテストの結果を表示します。
電源投入時自己診断を起動してテストの出力を表示するには、サーバーの電源をリセットします。
Oracle ILOM 3.1 および Oracle ILOM 3.2.x 搭載サーバー用 Oracle x86 サーバー診断、アプリケーション、およびユーティリティーガイド』の「BIOS POST」セクションを参照してください。
Oracle VTS
Oracle VTS は、ほとんどのハードウェアコントローラおよびデバイスの接続性と機能を検査する、包括的診断ツールです。Oracle VTS は、I/O やホストバスアダプタ (HBA) の問題を診断する際の推奨のテストです。
Oracle Solaris オペレーティングシステムが実行されているシステム上で、Oracle VTS を起動します。あるいは、Oracle VTS の ISO イメージを Oracle サーバーや CD/DVD にダウンロードしたあとに、Oracle ILOM のリダイレクションを使ってそのイメージをブートすることもできます。
Oracle ILOM 3.1 および Oracle ILOM 3.2.x 搭載サーバー用 Oracle x86 サーバー診断、アプリケーション、およびユーティリティーガイド』の「Oracle VTS」セクションを参照してください。
UEFI 診断
UEFI 診断は、マザーボードコンポーネント、ドライブ、ポート、およびスロットの問題を検出できる一連の診断テストです。
これらのテストは、Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) の Web インタフェースまたはコマンド行インタフェース (CLI) から起動します。
Web:
  1. 「Host Management」>「Diagnostics」ページに移動します。

  2. 「Mode」ドロップダウンリストで、実行する診断のレベル (「Enabled」、「Disabled」、「Extended」、または「Manual」) を選択します。

  3. 「Start Diagnostics」をクリックします。

CLI:
  • 診断モードを指定するには、次のコマンドを発行します。

    set /HOST/diag mode=[enabled|disabled|extended| manual]

  • 診断を開始するには、次のコマンドを発行します。

    start /HOST/diag

次のリソースのいずれかを参照してください。
  • Oracle ILOM 3.1 および Oracle ILOM 3.2.x 搭載サーバー用 Oracle x86 サーバー診断、アプリケーション、およびユーティリティーガイド』の「UEFI 診断」セクション。

    http://www.oracle.com/goto/x86AdminDiag/docs

  • Oracle ILOM システムモニタリングおよび診断用ユーザーズガイド、ファームウェアリリース 3.2.x』の x86 診断に関するセクション。

    http://www.oracle.com/goto/ILOM/docs