Oracle® Solaris Studio 12.4 リリースの新機能

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更新: 2014 年 12 月
 
 

コード支援の改善

IDE には、次を含む多くのコード支援における改善点があります。

コード支援キャッシュの共有

C/C++ ソースコードの解析時に、IDE は解析結果をディスク上のコード支援キャッシュに保存します。プロジェクトを開くと、IDE はキャッシュを検証し、キャッシュが最新かどうかを確認します。キャッシュが最新の場合、IDE はプロジェクトを解析せず、コードのナビゲーションに必要なデータをコード支援キャッシュからロードします。

デフォルトで、コード支援キャッシュは ${userdir}/var/cache フォルダ (${userdir} は IDE ユーザーディレクトリ) にあります。Oracle Solaris のユーザーディレクトリは、ユーザーの $HOME/.solstudio/ide-<release> にあります。ユーザーディレクトリ内のキャッシュを別の場所に共有またはコピーすることはできません。

ただし、コード支援キャッシュがプロジェクトの内部に存在する場合は、コピー先のコンピュータが次の要件を満たす場合に別のコンピュータにコピーできます。

  • コンピュータのオペレーティングシステムが、コードが解析されたオペレーティングシステムと同一である

  • プロジェクトで使用されるツールコレクションがコンピュータ上の同じ場所で利用できる

IDE に、コード支援キャッシュをプロジェクトメタデータの内部に配置するよう指示する手順。

  1. 行「cache.location=nbproject/private/cache」を次のいずれかに追加します。

    • プロジェクトプロパティーファイル (nbproject/project.properties)

    • プライベートプロパティーファイル (nbproject/private/private.properties)

    プロジェクトプロパティーファイルとプライベートプロパティーファイルの違いは、パブリックファイル (nbproject/project.properties) はデフォルトでバージョン管理システム経由で IDE で共有されるのに対し、プライベートファイル (nbproject/private/private.properties) はそうでないという点です。このため、プライベートプロパティーを変更した場合は、プライベートプロパティーファイルを別のマシン上の同一ファイルと同期する必要があります。プロジェクトプロパティーファイルが変更された場合、バージョン管理システムは、そのファイルを別のマシン上のファイルと自動的に同期できます。

  2. プロパティーファイルが変更されたあとで、プロジェクトを閉じてふたたび開きます。

    IDE はプロジェクトを解析し、コード支援キャッシュがプロジェクトメタデータ内のプライベートサブディレクトリに配置されます。

  3. プロジェクトを閉じ、nbproject/private/cache をアーカイブするか共有場所にコピーします。

    コピーまたは圧縮する前にプロジェクトを閉じない場合、一部のデータがキャッシュにフラッシュされません。

コード支援キャッシュは、IDE がプロジェクトを解析するまで待たずに、ほかのマシン上のほかのプロジェクトにコピーされ、使用できるようになります。キャッシュがコピーされるマシン上に新しいファイルがある場合は、より新しいファイルのみが解析されます。


注 -  異なるオペレーティングシステムまたは異なるコンパイラを実行しているマシン間でコード支援キャッシュを共有する必要がある場合は、オペレーティングシステムとコンパイラコレクションの組み合わせごとに別々のキャッシュを作成する必要があります。

コード支援のプロジェクトのプロパティーの新しいオプション

既存のソースまたはバイナリから作成されるプロジェクトでは、プロジェクトをバージョン管理システムで容易に使用できるようにするため、IDE には次のプロジェクトのプロパティーがあります。

一時マクロ

揮発性のマクロ (時間、日付、または特定の環境に依存) のリストを提供できます (-D オプション)。これらのマクロ値は、プロジェクトのパブリックメタデータとともに保存されません。

ユーザー環境変数

プロジェクトがシステム固有のパスを渡すときに使用する環境変数のリストを指定できます。これらのマクロ環境変数値は、プロジェクトのパブリックメタデータとともに保存されません。既存のコードまたはバイナリからのプロジェクトでは、プロジェクトメタデータの格納時に使用する環境変数のリストを指定できます。IDE がコンパイラオプションを格納し、オプション値が変数値と一致する場合は、代わりにマクロが記述されます。

ファイルシステムから C/C++ ヘッダーファイルの検索

ソースがまだ構築されておらず、デバッグ情報が含まれていないプロジェクトを既存ソースから作成すると、IDE ではコード支援の構成で問題が発生することがあります。この場合は、「コード支援を構成」ウィザードで、特殊モード (ファイルシステムから C/C++ ヘッダーファイルを検索) を使用するよう指定できます。このモードでは、IDE はファイルシステムからヘッダーを検索することによって、失敗した include ディレクティブを解決しようとします。ウィザードで、ヘッダーを検索するためのパスを入力するよう求められます。デフォルトでは、このパスはプロジェクトソースルートです。