Oracle® Solaris Cluster システム管理

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更新: 2015 年 10 月
 
 

データレプリケーションについての理解

Oracle Solaris Cluster 4.2 は、ホストベースとストレージベースのデータレプリケーションをサポートしています。

  • ホストベースのデータレプリケーションは、ソフトウェアを使用して、地理的に離れたクラスタ間でディスクボリュームをリアルタイムでレプリケーションします。リモートミラーレプリケーションを使用すると、プライマリクラスタのマスターボリュームのデータを、地理的に離れたセカンダリクラスタのマスターボリュームにレプリケーションできます。リモートミラービットマップは、プライマリディスク上のマスターボリュームと、セカンダリディスク上のマスターボリュームの差分を追跡します。クラスタ間 (およびクラスタとクラスタの外にあるホストとの間) のレプリケーションに使用されるホストベースのレプリケーションソフトウェアには、Oracle Solaris の Availability Suite 機能 などがあります。

    ホストベースのデータレプリケーションは、特別なストレージアレイではなくホストリソースを使用するため、より費用のかからないデータレプリケーションソリューションです。Oracle Solaris OS を実行する複数のホストが共有ボリュームにデータを書き込むことができるように構成されているデータベース、アプリケーション、またはファイルシステムは、サポートされていません (Oracle RAC など)。2 つのクラスタ間でのホストベースのデータレプリケーションの使用に関する詳細は、Oracle Solaris Cluster Geographic Edition Data Replication Guide for Oracle Solaris Availability Suite を参照してください。Oracle Solaris Cluster Geographic Edition を使用しないホストベースのレプリケーションの例については、付録 A のSun StorageTek Availability Suite ソフトウェアを使用したホストベースのデータレプリケーションの構成を参照してください。

  • ストレージベースのデータレプリケーションでは、ストレージコントローラ上でソフトウェアを使用することで、データレプリケーションの作業をクラスタノードからストレージデバイスに移動します。このソフトウェアはノードの処理能力を一部解放し、クラスタのリクエストに対応します。クラスタ内またはクラスタ間でデータをレプリケートできるストレージベースのソフトウェアの例として、EMC SRDF などがあります。ストレージベースのデータレプリケーションは、キャンパスクラスタ構成において特に重要になる場合があり、必要なインフラストラクチャーを簡素化できます。キャンパスクラスタ環境でストレージベースのデータレプリケーションを使用する方法の詳細は、クラスタ内でのストレージベースのデータレプリケーションの使用を参照してください。

    複数のクラスタ間でのストレージベースのレプリケーションと、そのプロセスを自動化する Oracle Solaris Cluster Geographic Edition 製品の使用の詳細は、Oracle Solaris Cluster Geographic Edition Data Replication Guide for EMC Symmetrix Remote Data Facility を参照してください。クラスタ間のストレージベースのレプリケーションの例については、付録 A のSun StorageTek Availability Suite ソフトウェアを使用したホストベースのデータレプリケーションの構成も参照してください。

サポートされるデータレプリケーション方式

Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、クラスタ間またはクラスタ内のデータレプリケーション方式として次をサポートしています。

  1. クラスタ間のレプリケーション – 障害回復の場合、クラスタ間のデータレプリケーションを実行するためにホストベースまたはストレージベースのレプリケーションを使用できます。通常、ホストベースのレプリケーションとストレージベースのレプリケーションのいずれかを選択し、両方を組み合わせることはありません。Oracle Solaris Cluster Geographic Edition ソフトウェアで両方の種類のレプリケーションを管理できます。

  2. クラスタ内のレプリケーション - この方式は、ホストベースのミラー化の代替として使用されます。

    • ストレージベースのレプリケーション

      • EMC Symmetrix Remote Data Facility (SRDF)

  3. アプリケーションベースのレプリケーション – Oracle Data Guard はアプリケーションベースのレプリケーションソフトウェアの例です。このタイプのソフトウェアは、障害回復で単一インスタンスまたは RAC データベースをレプリケートするためにのみ使用されます。詳細は、Oracle Solaris Cluster Geographic Edition Data Replication Guide for Oracle Data Guard を参照してください。