Oracle Solaris Cluster の高可用性環境によって、重要なアプリケーションの可用性がエンドユーザーに対して保証されます。システム管理者の業務は、Oracle Solaris Cluster 構成の安定した動作を保証することです。
管理タスクを始める前に、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール の第 1 章Oracle Solaris Cluster 構成の計画およびOracle Solaris Cluster Concepts Guide に記載されている計画情報をよく理解しておいてください。ゾーンクラスタの作成手順については、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール のゾーンクラスタの作成および構成を参照してください。Oracle Solaris Cluster の管理は、タスクごとに次のマニュアルにまとめられています。
グローバルクラスタまたはゾーンクラスタを定期的に (または毎日) 管理および維持するための標準的なタスク。これらのタスクは、このガイドで説明されています。これらのタスクの一部は、Oracle Solaris Cluster Manager GUI で実行できます。GUI のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。
インストール、構成、属性の変更などのデータサービスタスク。これらのタスクは、Oracle Solaris Cluster データサービス計画および管理ガイド で説明されています。
記憶装置やネットワークハードウェアの追加や保守などのサービスタスク。これらのタスクは、Oracle Solaris Cluster 4.2 Hardware Administration Manual で説明されています。ゾーンクラスタにストレージを追加するには、Oracle Solaris Cluster Manager GUI を使用します。GUI のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。
一般的に、Oracle Solaris Cluster の管理タスクはクラスタの動作中に実行できます。クラスタからノードを取り外す必要がある場合、あるいはノードを停止する必要がある場合でも、残りのノードがクラスタを稼働している間に作業を行うことができます。明記されていないかぎり、Oracle Solaris Cluster の管理タスクはグローバルクラスタノードで実行するようにしてください。クラスタ全体を停止する必要がある手順については、ダウンタイムのスケジュールを通常の業務時間外に設定してシステムへの影響を最小限に抑えてください。クラスタまたはクラスタノードを停止する予定があるときは、あらかじめユーザーに通知しておいてください。
Oracle Solaris Cluster の 2 つの管理コマンド (cluster および clnode) は、ゾーンクラスタでも実行できます。ただし、このコマンドの対象は、コマンドが発行されたゾーンクラスタに限定されます。たとえば、グローバルクラスタノードで cluster コマンドを使用すると、グローバルクラスタおよびすべてのゾーンクラスタに関するすべての情報が得られます。cluster コマンドをゾーンクラスタで使用すると、そのゾーンクラスタのみの情報が得られます。
clzonecluster コマンドをグローバルクラスタノードで使用すると、グローバルクラスタ内のすべてのゾーンクラスタが対象になります。ゾーンクラスタコマンドはまた、コマンド発行時にゾーンクラスタノードが停止していても、ゾーンクラスタ上のすべてのノードを対象とします。
ゾーンクラスタは、リソースグループマネージャー (Resource Group Manager、RGM) の制御下にあるリソースの委任管理をサポートしています。そのため、ゾーンクラスタの管理者は、クラスタ境界にまたがるゾーンクラスタ依存関係を表示できます (ただし、変更はできません)。ゾーンクラスタの境界にまたがる依存関係を作成、変更、削除できるのは、グローバルクラスタノード内の管理者のみです。
次の一覧に、ゾーンクラスタで実行する主な管理タスクを示します。
ゾーンクラスタの起動と再起動 – Chapter 3, クラスタの停止とブートを参照してください。また、Oracle Solaris Cluster Manager GUI を使用して、ゾーンクラスタをブートおよびリブートすることもできます。GUI のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。
ゾーンクラスタへのノードの追加 – Chapter 8, クラスタノードの管理を参照してください。
ゾーンクラスタからのノードの削除 – ゾーンクラスタからノードを削除する方法を参照してください。また、Oracle Solaris Cluster Manager GUI を使用して、ゾーンクラスタノードからソフトウェアをアンインストールすることもできます。GUI のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。
ゾーンクラスタの構成の表示 – クラスタ構成を表示する方法を参照してください。また、Oracle Solaris Cluster Manager GUI を使用して、ゾーンクラスタの構成を表示することもできます。GUI のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。
ゾーンクラスタの構成の検証 – 基本的なクラスタ構成を検証する方法を参照してください。
ゾーンクラスタの停止 – Chapter 3, クラスタの停止とブートを参照してください。また、Oracle Solaris Cluster Manager GUI を使用して、ゾーンクラスタを停止することもできます。GUI のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。