Oracle® Solaris Cluster システム管理

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更新: 2015 年 10 月
 
 

定足数デバイスの管理

定足数デバイスとは、複数のノードによって共有される共有ストレージデバイスまたは定足数サーバーで、定足数を確立するために使用される票を構成します。このセクションでは、定足数デバイスを管理するための手順について説明します。

clquorum コマンドを使用すると、定足数デバイスの管理手順をすべて実行できます。また、clsetup 対話型ユーティリティーまたは Oracle Solaris Cluster Manager GUI を使用して、いくつかの手順を行うことができます。GUI のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。このセクションの管理手順は、可能なかぎり clsetup ユーティリティーを使用して説明してあります。Oracle Solaris Cluster Manager オンラインヘルプでは、GUI を使用して定足数の手順を実行する方法を説明しています。詳細は、clquorum(1CL) および clsetup(1CL) のマニュアルページを参照してください。

定足数デバイスを使用して作業する際は、次のガイドラインに注意してください。

  • 定足数コマンドはすべて、グローバルクラスタノードから実行する必要があります。

  • clquorum コマンドが中断または失敗すると、定足数の構成情報は、クラスタ構成データベースで矛盾することになります。このような矛盾が発生した場合は、このコマンドを再度実行するか、clquorum reset コマンドを実行して定足数構成をリセットします。

  • クラスタの可用性を最高にするには、定足数デバイスによる合計の投票数が、ノードによる合計の投票数よりも少なくなるようにします。少なくなければ、すべてのノードが機能していても、すべての定足数デバイスを使用できない場合、そのノードはクラスタを形成できません。

  • 現在定足数デバイスとして構成されているディスクは、Oracle Solaris ZFS ストレージプールには追加しないでください。構成済みの定足数デバイスを ZFS ストレージプールに追加すると、ディスクは EFI ディスクとしてラベルが変更され、また定足数構成情報が失われ、ディスクはクラスタへの定足数投票を提供しなくなります。ディスクがストレージプール内に入ると、そのディスクは定足数デバイスとして構成できます。または、ディスクの定足数デバイス構成を解除し、ディスクをストレージプールに追加した後に、そのディスクを定足数デバイスとして再構成することができます。


注 - clsetup コマンドは、ほかの Oracle Solaris Cluster コマンドに対する対話型インタフェースです。clsetup の実行時、このコマンドは適切な固有のコマンドを生成します。今回の場合は、clquorum コマンドです。これらのコマンドは、各説明の後にある例の中で示しています。

定足数構成を表示するには、clquorum show を使用します。clquorum list コマンドは、クラスタ内の定足数デバイスの名前を表示します。clquorum status コマンドは、ステータスと投票数の情報を提供します。

このセクションで示す例は、主に 3 ノードクラスタです。

表 6-1  タスクリスト : 定足数の管理
タスク
説明
clsetup ユーティリティーを使用して、クラスタに定足数デバイスを追加する
clsetup ユーティリティーを使用する (clquorum を生成する) ことにより、クラスタから定足数デバイスを削除する
clsetup ユーティリティーを使用する (clquorum を生成する) ことにより、クラスタから最後の定足数デバイスを削除する
追加と削除の手順を使用することで、クラスタ内の定足数デバイスを交換する
追加と削除の手順を使用することで、定足数デバイスのリストを変更する
clsetup ユーティリティーを使用する (clquorum を生成する) ことにより、定足数デバイスを保守状態にする
(保守状態にある場合、定足数デバイスは定足数確立の投票に参加しません。)
clsetup ユーティリティーを使用して clquorum を生成することにより、定足数構成をデフォルト状態にリセットする
clquorum コマンドを使用することで、定足数デバイスと投票数を一覧表示する