定足数デバイスとは、複数のノードによって共有される共有ストレージデバイスまたは定足数サーバーで、定足数を確立するために使用される票を構成します。このセクションでは、定足数デバイスを管理するための手順について説明します。
clquorum コマンドを使用すると、定足数デバイスの管理手順をすべて実行できます。また、clsetup 対話型ユーティリティーまたは Oracle Solaris Cluster Manager GUI を使用して、いくつかの手順を行うことができます。GUI のログイン手順については、Oracle Solaris Cluster Manager にアクセスする方法を参照してください。このセクションの管理手順は、可能なかぎり clsetup ユーティリティーを使用して説明してあります。Oracle Solaris Cluster Manager オンラインヘルプでは、GUI を使用して定足数の手順を実行する方法を説明しています。詳細は、clquorum(1CL) および clsetup(1CL) のマニュアルページを参照してください。
定足数デバイスを使用して作業する際は、次のガイドラインに注意してください。
定足数コマンドはすべて、グローバルクラスタノードから実行する必要があります。
clquorum コマンドが中断または失敗すると、定足数の構成情報は、クラスタ構成データベースで矛盾することになります。このような矛盾が発生した場合は、このコマンドを再度実行するか、clquorum reset コマンドを実行して定足数構成をリセットします。
クラスタの可用性を最高にするには、定足数デバイスによる合計の投票数が、ノードによる合計の投票数よりも少なくなるようにします。少なくなければ、すべてのノードが機能していても、すべての定足数デバイスを使用できない場合、そのノードはクラスタを形成できません。
現在定足数デバイスとして構成されているディスクは、Oracle Solaris ZFS ストレージプールには追加しないでください。構成済みの定足数デバイスを ZFS ストレージプールに追加すると、ディスクは EFI ディスクとしてラベルが変更され、また定足数構成情報が失われ、ディスクはクラスタへの定足数投票を提供しなくなります。ディスクがストレージプール内に入ると、そのディスクは定足数デバイスとして構成できます。または、ディスクの定足数デバイス構成を解除し、ディスクをストレージプールに追加した後に、そのディスクを定足数デバイスとして再構成することができます。
定足数構成を表示するには、clquorum show を使用します。clquorum list コマンドは、クラスタ内の定足数デバイスの名前を表示します。clquorum status コマンドは、ステータスと投票数の情報を提供します。
このセクションで示す例は、主に 3 ノードクラスタです。
|