スケーラブルアプリケーションリソースは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのネットワーク負荷分散機能を使用するアプリケーションリソースです。スケーラブルアプリケーションリソースは複数マスターリソースグループ内に存在し、1 つまたは複数の共有アドレスリソースに対する依存関係を持っています。共有アドレスリソースは、フェイルオーバーリソースグループ内に存在します。
始める前に
次の情報を用意していることを確認してください。
リソースの追加先となるスケーラブルリソースグループの名前
このリソースのリソースタイプの名前
このスケーラブルサービスリソースが使用する共有アドレスリソース (以前にフェイルオーバーリソースグループに含めた共有アドレス)
# clresource create -S -g resource-group -t resource-type \ -p Resource_dependencies=network-resource[,network-resource...] \ -p Scalable=True [-p "extension-property[{node-specifier}]"=value, …] [-p standard-property=value, …] resource
このリソースグループを複数マスターにすることを指定します。–p Maximum_primaries および –p Desired_primaries オプションが省略された場合は、両方のプロパティーがリソースグループのノードリスト内のノードの数に設定されます。
以前に作成したスケーラブルサービスリソースグループの名前を指定します。
このリソースのリソースタイプの名前を指定します。
このリソースが依存するネットワークリソース (共有アドレス) のリストを指定します。
このリソースが Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのネットワーク負荷分散機能を使用することを指定します。
このリソースに対して設定する拡張プロパティーのコンマ区切りリストを指定します。設定できる拡張プロパティーは、リソースタイプによって異なります。どの拡張プロパティーを設定するかを確認するには、リソースタイプに関するドキュメントを参照してください。
node-specifier は、–p および –x オプションに対するオプションの修飾子です。この修飾子は、リソースが作成されたときに (1 つまたは複数の) 拡張プロパティーを指定した (1 つまたは複数の) ノードでのみ設定することを示します。クラスタ内のその他のノード上の指定された拡張プロパティーは設定されません。node-specifier を含めない場合は、クラスタ内のすべてのノード上の指定された拡張プロパティーが設定されます。node-specifier には、ノード名またはノード識別子を指定できます。node-specifier の構文例を次に示します:
-p "myprop{phys-schost-1}"
中括弧 ({}) は、指定した拡張プロパティーをノード phys-schost-1 でのみ設定することを示します。ほとんどのシェルでは、二重引用符 (“) が必要です。
このリソースに対して設定する標準プロパティーのコンマ区切りリストを指定します。設定できる標準プロパティーは、リソースタイプによって異なります。スケーラブルサービスの場合、通常は Port_list、Load_balancing_weights、および Load_balancing_policy プロパティーを設定します。どの標準プロパティーを設定するかを確認するには、cluster(1CL)、rt_properties(5)、rg_properties(5)、 r_properties(5)、property_attributes(5) の各マニュアルページを参照してください。
追加するリソースの選択した名前を指定します。
リソースは有効状態で作成されます。
# clresource show resource
この例では、リソースグループ (resource-group-1) へのリソース (resource-1) の追加を示します。resource-group-1 は、使用中のネットワークアドレス (次の例の schost-1 および schost-2) を含むフェイルオーバーリソースグループに依存することに注意してください。このリソースは、以前に定義した 1 つまたは複数のフェイルオーバーリソースグループ内に存在する必要のある共有アドレスリソース (schost-1、schost-2) に依存します。
# clresource create -S -g resource-group-1 -t resource-type-1 \ -p Resource_dependencies=schost-1,schost-2 resource-1 \ -p Scalable=True # clresource show resource-1 === Resources === Resource: resource-1 Type: resource-type-1 Type_version: Group: resource-group-1 R_description: Resource_project_name: default Enabled{phys-schost-1}: False Enabled{phys-schost-2}: False Monitored{phys-schost-1}: True Monitored{phys-schost-2}: True
次のステップ
スケーラブルアプリケーションリソースを追加したら、リソースグループをオンラインにする方法の手順に従ってリソースを有効にします。
トラブルシューティング
リソースを追加すると、そのリソースが Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって検証されます。検証が失敗した場合、clresource コマンドは、エラーメッセージを出力して終了します。検証が失敗した理由を確認するには、各ノード上の syslog にエラーメッセージがないかどうかチェックしてください。このメッセージは、必ずしも clresource コマンドを実行したノードではなく、検証を実行したノード上で表示されます。
関連項目
clresource(1CL) のマニュアルページ。