サービス管理機能 (SMF) では、ノードのブート中やサービスの障害時に、SMF サービスを自動的に起動および再起動できます。SMF により、単一ホスト上の SMF サービスに対してある程度の高可用性が促進されます。この機能は、クラスタアプリケーションの高可用性とスケーラビリティーを促進する Oracle Solaris Cluster Resource Group Manager (RGM) と類似しています。SMF サービスと RGM は、互いに補完的な機能です。
Oracle Solaris Cluster には、フェイルオーバー、マルチマスター、またはスケーラブル構成で SMF サービスを Oracle Solaris Cluster とともに実行できるようにするために使用可能な 3 つの SMF プロキシリソースタイプが含まれています。これらのプロキシリソースタイプを次に示します。
SUNW.Proxy_SMF_failover
SUNW.Proxy_SMF_multimaster
SUNW.Proxy_SMF_scalable
SMF プロキシリソースタイプを使用すると、互いに関連する一連の SMF サービスを 1 つのリソースである SMF プロキシリソースにカプセル化して Oracle Solaris Cluster によって管理されるようにすることができます。この機能では、SMF は、単一のノード上の SMF サービスの可用性を管理します。Oracle Solaris Cluster は、SMF サービスのクラスタ全体にわたる高可用性とスケーラビリティーを提供します。
SMF プロキシリソースタイプを使用すると、SMF で制御された独自のサービスを Oracle Solaris Cluster に統合することにより、コールバックメソッドやサービスマニフェストを書き換えることなく、これらのサービスがクラスタ全体にわたるサービスの可用性を備えるようにすることができます。SMF サービスを SMF プロキシリソースに統合すると、SMF サービスは、デフォルトのリスタータでは管理されなくなります。Oracle Solaris Cluster によって委託されたリスタータが SMF サービスを管理します。
SMF プロキシリソースはほかのリソースと同じであり、その使用にも制限はありません。たとえば、SMF プロキシリソースは、ほかのリソースとともにリソースグループにグループ化できます。SMF プロキシリソースは、ほかのリソースと同じ方法で作成したり、管理したりできます。SMF プロキシリソースがほかのリソースとは異なる点が 1 つあります。どの SMF プロキシリソースタイプのリソースを作成する場合も、拡張プロパティー Proxied_service_instances を指定する必要があります。SMF リソースによってプロキシされる SMF サービスに関する情報を含める必要があります。この拡張プロパティーの値は、プロキシされるすべての SMF サービスを含むファイルのパスです。このファイル内の各行は 1 つの SMF サービス専用であり、svc fmri、対応するサービスマニフェストファイルのパス を指定します。
たとえば、リソースが restarter_svc_test_1:default と restarter_svc_test_2:default の 2 つのサービスを管理する必要がある場合、このファイルには次の 2 行を含めるようにしてください。
<svc:/system/cluster/restarter_svc_test_1:default>,</var/svc/manifest/system/cluster/ restarter_svc_test_1.xml>
<svc:/system/cluster/restarter_svc_test_2:default>,</var/svc/manifest/system/cluster/ restarter_svc_test_2.xml>
SMF プロキシリソースの下でカプセル化されたサービスは、グローバルクラスタ内に存在できます。同じプロキシリソースの下にあるサービスはすべて、同じゾーン内に存在する必要があります。
![]() | 注意 - プロキシリソース内にカプセル化された SMF サービスを無効または有効にするために SMF svcadm を使用しないでください。プロキシリソース内にカプセル化された (SMF リポジトリ内の) SMF サービスのプロパティーを変更しないでください。 |