自動インストーラのコンポーネント

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AI を使用するネットワークは、次のコンポーネントで構成されます。

AI クライアントにホスト情報を提供する DHCP サーバー。
AI クライアントにインストールするソフトウェアパッケージを提供する 1 つ以上の IPS (Image Packaging System) リポジトリ。AI クライアントのシステムイメージは、ネットワーク上に存在するアーカイブからも作成できます。
AI クライアントの構成手順が格納されている AI サーバー。
1 つ以上の AI クライアント。

図 2 AI ネットワークの例

DHCP サーバー、IPS サーバー、および AI サーバーは、別のシステムでホストする必要はありません。特に、DHCP サービスがインストールサービスと同じ場所にある場合は installadm コマンドによって DHCP サービスが更新されるため、AI サーバーと DHCP サーバーを同じシステムにインストールすると管理作業が容易になります。

AI サーバー自体には、次のコンポーネントを含めることができます。

1 つ以上のインストールサービス。各サービスは、アーキテクチャーおよび AI クライアントにインストールされる OS と一致するように構成されます。
1 つ以上の AI マニフェスト。AI マニフェストは、インストール手順 (使用するディスクレイアウト、追加するパッケージなど) を提供します。
オプションのシステム構成プロファイル。これらのプロファイルは、システム構成情報 (使用するタイムゾーン、ネームサービスなど) を提供します。

また、IPS パッケージを作成すると、インストール処理中に初回ブートスクリプトを AI クライアントに提供できます。このスクリプトは、AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルを使用して行うことができない追加のインストール手順または構成手順 (AI クライアントへのサードパーティーのユーティリティーの追加など) を実行できます。

AI をサポートする DHCP サーバー

もっとも単純な構成では、AI は DHCP を使って IP アドレス、サブネットマスク、ルーター、ネームサービスサーバー、および AI サーバーの場所を AI クライアントに提供します。DHCP サーバーは AI サーバーと同じシステム上で動作するように構成できますが、それが、もっとも管理の容易な構成となります。DHCP サーバーが別のシステムにある場合は、新しい AI クライアントを追加するときに DHCP サーバーを手動で更新する必要があることがあります。

SPARC クライアントは DHCP を使用せずに AI サーバーを見つけられるように構成できますが、x86 クライアントはそのように構成できません。DHCP を実行せずに x86 クライアントをインストールする代替の方法については、x86 AI クライアントのインストールを参照してください。SPARC クライアントが DHCP なしで AI サーバーを使用するように、OBP を使用して必要な情報を提供する手順については、SPARC AI クライアントのインストールも参照してください。

AI をサポートする IPS リポジトリ

インストールするクライアントシステムは、Oracle Solaris Image Packaging System (IPS) ソフトウェアパッケージリポジトリ、または Oracle Solaris 統合アーカイブにアクセスできる必要があります。リポジトリは、ソフトウェアパッケージを取得する場所です。場所は URI (Universal Resource Identifier) によって指定されます。IPS パッケージリポジトリは、AI サーバー上、ローカルネットワークの別のシステム上、またはインターネット上に配置できます。パッケージリポジトリへのアクセスについては、Oracle Solaris 11.3 ソフトウェアの追加と更新 のパブリッシャーの構成を参照してください。IPS サーバーは、AI クライアントを完全に構成するために必要な初回ブートスクリプトを提供することもできます。

AI サーバー

AI を使用してネットワーク経由でシステムを自動インストールするには、まず AI サーバー上の AI インストールサービスを設定する必要があります。詳細な手順については、AI サーバーの設定を参照してください。この手順の一部では、AI サーバーの静的ネットワークアドレスを作成する方法を説明しています。これは、AI サーバーの IP アドレスは、各 AI クライアントに作成されるファイルに含められるためです。AI サーバーの IP アドレスが変更された場合は、すべての AI クライアントの構成ファイルを再作成する必要があります。

インストールサービス

各サーバーには、1 つ以上のインストールサービスを含めることができます。サポートする必要がある各バージョンの OS および各クライアントアーキテクチャー用のインストールサービスを作成する必要があります。たとえば、Oracle Solaris 11.2 をブートする SPARC クライアント、Oracle Solaris 11.3 をブートする別の SPARC クライアント、および x86 クライアントに同じサービスを提供する 2 つのクライアントのインストールサービスを作成する場合があります。各インストールサービスには、SPARC または x86 のブートイメージ、1 つ以上のインストール手順のファイル (AI マニフェスト)、およびオプションのシステム構成プロファイルが含まれています。インストールサービスの作成では、インストールサービスを作成および保守するための手順を説明しています。

AI サーバーによって提供されるブートイメージは完全なインストールではありません。ブートイメージは、インストールの実行が可能なシステム上で構成を作成します。クライアントシステムは、IPS パッケージリポジトリまたはアーカイブにアクセスしてインストールを完了させる必要があります。

AI マニフェスト

AI マニフェストには、クライアントのプロビジョニングまたはインストール手順が含まれています。各 AI クライアントは 1 つの AI マニフェストのみを使用しますが、多数の AI クライアントが 1 つのマニフェストを共有できます。AI マニフェストによって、AI クライアントがインストールの完了に必要なパッケージを取得する 1 つ以上の IPS パッケージリポジトリが指定されます。IPS パッケージの代わりに使用可能なアーカイブを使用することもできます。AI マニフェストには、インストールする追加パッケージの名前と、ターゲットのインストールデバイスやパーティション情報などの情報も含めることができます。2 つのクライアントシステムに同じバージョンの Oracle Solaris OS をインストールする必要があるが、異なるインストールを行う必要がある部分がある場合は、1 つの AI インストールサービスに関連付けられた 2 つの AI マニフェストを作成します。AI マニフェストを別にすることによって、たとえば、異なるパッケージをインストールするように指定したり、異なるスライスをインストールターゲットとして指定したりすることができます。AI クライアントのブート前に、またはインストール時に動的に、AI マニフェストを作成およびカスタマイズする方法については、AI クライアントのインストールパラメータの定義を参照してください。

システム構成プロファイル

AI クライアントに異なる構成を適用する必要がある場合は、インストールサービスに対して複数のシステム構成プロファイルを作成します。システム構成プロファイルを別にすることによって、たとえば、異なるネットワークまたはロケール設定を指定したり、独自のホスト名や IP アドレスを指定したりできます。タイムゾーンを設定するプロファイルは、複数の AI クライアントが使用できます。プロファイルについては、AI クライアントのシステム構成パラメータの定義を参照してください。

AI クライアントにプロファイルが構成されていない場合は、インストールが完了して AI クライアントがブートされたあとに、対話型ツールによってシステム構成情報の入力を求められます。対話型構成ツールについては、システムの再構成を参照してください。

初回ブートスクリプト

AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルで表現できない構成を含める場合は、初回ブート時に実行されるスクリプトを追加できます。詳細については、初回ブート時のカスタムスクリプトの実行を参照してください。

AI クライアント

AI クライアントをブートするとインストールが開始します。AI クライアントをブートすると、クライアントは AI サーバーに接続され、正しいインストールサービスとそのサービスに関連付けられている正しい AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルにアクセスします。AI クライアントへのカスタマイズの割り当てでは、AI クライアントのインストール時に使用する正しい AI マニフェストとシステム構成プロファイルを AI サーバーで特定する方法について説明します。