Go to main content
Oracle® Solaris 11.3 システムのインストール

印刷ビューの終了

更新: 2017 年 3 月
 
 

システムのパーティション分割

このセクションでは、インストール前または対話型インストール中にシステムをパーティション分割するためのガイドラインについて説明します。

ディスク全体またはフォーマットされていないディスクにインストールする場合、インストーラは GPT フォーマットを使用します。ただし、既存の GPT パーティションまたは DOS パーティションがデフォルトで保持され、インストーラに表示されるため、既存のパーティションを保持してそこにインストールできます。


注 -  サポートされる SPARC ベースのシステムで GPT 対応ファームウェアを適用する方法については、SPARC: GPT Labeled Disk Supportを参照してください。

このセクションでは、Solaris VTOC スライスを設定する方法についても説明します。

インストール前にシステムをパーティション分割するためのガイドライン


Caution

注意  -  ハードディスクのパーティション分割を行う前に必ずシステムのバックアップを取ってください。


Live Media ISO イメージから、またはテキストインストーライメージから Oracle Solaris をインストールする場合は、ディスク全体を使用することも、パーティションにオペレーティングシステムをインストールすることもできます。また、SPARC クライアントでは、テキストインストーラはスライスにインストールできます。

インストールの前に、市販の製品またはオープンソースのツールを使用して、Oracle Solaris をインストールするためのパーティションを作成できます。または、Oracle Solaris のインストール中にパーティションを作成できます。x86 ベースのシステムでは、Oracle Solaris インストーラは 1 つ以上のドライブ上にある複数のオペレーティングシステムのブートをサポートする GRUB 2 を使用します。各種オペレーティングシステムのパーティション分割とインストールを行なったあとは、ブート時に GRUB 2 メニューで適切なメニューエントリを選択することで、いずれかのオペレーティングシステムを配備できます。

GRUB 2 の詳細については、Oracle Solaris 11.3 システムのブートとシャットダウン の GRUB 2 の概要を参照してください。


注 -  Linux スワップパーティションを作成する場合は、Linux スワップが Oracle Solaris で使用するのと同じパーティション ID を使用することに注意してください。インストール中に、ディスクパーティション分割の段階で、Linux スワップパーティションを Oracle Solaris パーティションに変更できます。

対話型インストール中にシステムをパーティション分割するためのガイドライン

x86 ベースのシステムでは、GUI インストールまたはテキストインストール中にパーティションを選択、作成、または変更できます。ディスク全体またはフォーマットされていないディスクにインストールする場合、インストーラは GPT フォーマットを使用します。ただし、既存の GPT パーティションまたは DOS パーティションがデフォルトで保持され、インストーラに表示されるため、既存のパーティションを保持してそこにインストールできます。また、テキストインストーラにかぎり、対話型インストール中に VTOC スライスを選択、作成、または変更できます。

    Oracle Solaris をインストールするときは、ディスクパーティション分割に関する次の重要な情報に留意してください。

  • パーティション分割の次の仕様に注意してください。

    • ディスクに既存の DOS パーティションが含まれている場合は、最大 4 つの DOS プライマリパーティションが表示されます。DOS 拡張パーティションが存在する場合は、その論理パーティションも、拡張パーティション内のディスクの配置順に表示されます。Solaris パーティションは 1 つしか許可されないため、その Solaris パーティションをインストールに使用する必要があります。Solaris パーティションは、拡張パーティション内の論理パーティションである場合があります。

    • ディスクに既存の GPT パーティションが含まれている場合は、それらの GPT パーティションが表示されます。最大 7 つの GPT パーティションがサポートされます。インストール中に 1 つまたは複数の Solaris パーティションを作成できますが、インストール先として 1 つの Solaris パーティションを選択する必要があります。既存の Solaris GPT パーティションが複数存在する場合、デフォルトでは、最初の適切な Solaris GPT パーティションがインストール先として選択されます。

  • 次のいずれかに当てはまる場合、Oracle Solaris のインストールによってディスクレイアウト全体が上書きされます

    • ディスクテーブルが読み込めない。

    • ディスクが事前にパーティション分割されていない。

    • インストール用にディスク全体を選択する。

  • 既存の Oracle Solaris パーティションが存在し、ユーザーがほかの既存のパーティションのいずれにも変更を加えない場合、インストールのデフォルトでは Oracle Solaris パーティションのみが上書きされます。そのパーティションは、既存の拡張パーティション内にある論理パーティションである可能性があります。ほかの既存パーティションは変更されません。

  • インストールには Solaris パーティションを使用する必要があります。

  • ディスクのパーティション分割またはスライスの変更は、インストーラパネルで選択を完了し、インストールが開始するまでは有効になりません。インストール前であればいつでも、変更を取り消して元の設定に戻すことができます。

  • 既存のパーティションテーブルを読み取れない場合は、提案されたパーティション分割の情報が表示されます。


    Caution

    注意  -  この場合は、インストール中にディスク上の既存のデータがすべて破棄されます。


  • インストール中、「ディスクをパーティション分割する」オプションを選択した場合は、選択されたディスクの既存のパーティションがディスク上の配置と同じ順序でパネルに表示されます。これらのパーティションの未使用のディスク領域が表示されます。各パーティションのパーティションタイプ、現在のサイズ、および利用可能なディスク容量の最大値も表示されます。拡張パーティションが存在する場合、その論理パーティションも、拡張パーティション内のディスクと同じ順番で表示されます。

  • インストールを成功させるために十分な容量のないディスクやパーティションには、そのことを示すラベルが付けられます。

x86: 対話型インストール中のパーティションの設定

x86 プラットフォームへのインストールでは、インストール画面のエントリを直接編集することで、ディスクのパーティション分割を変更できます。インストール処理中に、ソフトウェアをインストールするための最小サイズと推奨される最小サイズも表示されます。

次の表に、ディスクのパーティション分割オプションを示します。この表は、ニーズにもっとも適したオプションを決定するのに役立ちます。

表 3  対話型インストール中にディスクをパーティション分割するためのオプション
パーティション分割オプション
説明およびユーザーの処理 (必要な場合)
既存の Solaris パーティションを使用する。
このオプションでは、既存の Solaris パーティションの現在のサイズを使用して、そのパーティションに Oracle Solaris オペレーティングシステムをインストールします。「ディスクをパーティション分割する」オプションを選択します。ほかの変更は必要ありません。
Solaris パーティションが存在しない場合は、新しい Solaris パーティションを作成する必要がある。
現在、システム上に Solaris パーティションが存在しない場合は、プライマリパーティションまたは論理パーティションを選択してタイプを Solaris に変更することによって、新しい Solaris パーティションを作成する必要があります。インストールの途中で、この変更は既存のパーティションの内容を消去します。
Solaris パーティションに割り当てる領域を増やし、そのパーティションにインストールする。
十分なディスク領域を利用できる場合、Solaris パーティションにソフトウェアをインストールする前に、そのパーティションに割り当てるサイズを増やすことができます。利用可能な領域とは、選択されたパーティションの前後に隣接する未使用の領域を指します。パーティションを拡大する場合、そのパーティションの後ろにある未使用の領域が最初に使用されます。次に、そのパーティションの前にある未使用の領域が使用され、選択されたパーティションの開始シリンダが変わります。
別の Solaris パーティションに Oracle Solaris オペレーティングシステムをインストールする。
別の Solaris パーティションにオペレーティングシステムをインストールできます。別のパーティションを選択し、そのタイプを「Solaris」に変更します。インストール中に、この変更によって以前の Solaris パーティションと新しい Solaris パーティションの両方で、パーティションの既存の内容が消去されます。

注 -  システムに既存の DOS パーティションがある場合、Solaris パーティションは 1 つしか許可されません。最初に既存の Solaris パーティションのタイプを「未使用」に変更してから、新しい Solaris パーティションを作成する必要があります。

拡張パーティション内に新しい Solaris パーティションを作成する。
拡張パーティション内に新しい Solaris パーティションを作成できます。パーティションのタイプを「拡張」に変更します。拡張パーティションの大きさを変更してから、拡張パーティション内のいずれかの論理パーティションを Solaris パーティションに変更することができます。また論理パーティションを、その論理パーティションを含む拡張パーティションの大きさにまで拡張できます。

注 -  システムに既存の DOS パーティションがある場合、Solaris パーティションは 1 つしか許可されません。最初に既存の Solaris パーティションのタイプを「未使用」に変更してから、拡張パーティション内に Solaris パーティションを作成する必要があります。

既存のパーティションを削除する。
既存のパーティションのタイプを「未使用」に変更することによってそのパーティションを削除できます。インストールの途中で、そのパーティションは破棄され、隣接するパーティションのサイズ変更時にその領域を使用できるようになります。

テキストインストール中の VTOC スライスの設定

SPARC プラットフォームへのテキストインストールでは、インストール中に VTOC スライスを変更できます。x86 プラットフォームへのテキストインストールでは、インストール中にパーティションがまだ変更されていない場合、そのパーティションの内部のスライスを変更できます。

    VTOC スライスを設定するときは、次のことに留意してください。

  • インストーラは既存のスライスを表示します。スライスはその配置と同じ順番で表示されます。各スライスの現在のサイズと、最大の利用可能サイズも表示されます。

  • Oracle Solaris は、ZFS ルートプールにインストールする必要があります。デフォルトでは、ルートプールを含むスライスにはインストーラによって rpool というラベルが付けられます。ルートプールを含まないスライスにオペレーティングシステムをインストールする場合は、インストーラでそのスライスのタイプを rpool に変更します。インストールの途中で、そのスライス上に ZFS ルートプールが作成されます。


    注 -  rpool という名前は 1 つの ZFS プールにしか付けられないため、デバイス上に rpool という名前のプールがすでに存在する場合、インストーラは rpool# という形式を使用して新しいプールに名前を付けます。
  • スライスのサイズは、最大の利用可能サイズにまで増やすことができます。利用できる領域を増やすには、隣接するスライスのタイプを「未使用」に変更し、それによって隣接するスライスでその領域を利用できるようにします。

  • スライスを明示的に変更しない場合、インストール中にスライスの内容は保持されます。

次の表は、テキストインストール中のスライス変更に関するオプションについての説明です。

表 4  テキストインストール中の VTOC スライス変更のオプション
オプション
説明およびユーザーの処理 (必要な場合)
既存のスライスを使用する
このオプションでは、既存の VTOC スライスの現在のサイズを使用して、そのスライスに Oracle Solaris オペレーティングシステムをインストールします。ターゲットスライスを選択して、そのタイプを「rpool」に変更します。
スライスサイズを変更する
新しく作成する rpool スライスにかぎり、そのサイズを変更できます。新しいサイズをフィールドに入力します。
新しいスライスを作成する
未使用のスライスを選択し、そのタイプを変更します。たとえば、「未使用」から「rpool」に変更します。
既存のスライスを削除する
スライスのタイプを「未使用」に変更します。インストール中にそのスライスは破棄され、その領域が隣接するスライスのサイズ変更に使用できるようになります。