Trusted Extensions 構成と管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

Trusted Extensions のゾーンと IP アドレス

    初期設定チームは、大域ゾーンとラベル付きゾーンに IP アドレスを割り当てています。彼らは ラベル付きゾーンへのアクセスで説明した 3 種類の構成を考慮し、その概要は次のとおりです。

  • システムに、大域ゾーンとすべてのラベル付きゾーン用の 1 つの IP アドレスを設定します。

    このデフォルト構成は、DHCP ソフトウェアを使用して IP アドレスを取得するシステムで役に立ちます。

  • システムに、大域ゾーン用の 1 つの IP アドレスと、大域ゾーンを含めたすべてのゾーンで共有される 1 つの IP アドレスを設定します。任意のゾーンが、一意のアドレスと共有アドレスの組み合わせを持つことができます。

    この構成は、一般ユーザーがログインするネットワーク接続されたシステムで役に立ちます。プリンタや NFS サーバーにも使用できます。この構成では IP アドレスが節約されます。

  • システムに、大域ゾーン用の 1 つの IP アドレスを設定し、ラベル付きの各ゾーンが一意の IP アドレスを持ちます。

    この構成は、シングルレベルシステムの個々の物理ネットワークにアクセスするときに役に立ちます。通常、各ゾーンはほかのラベル付きゾーンとは異なる物理ネットワーク上の IP アドレスを持ちます。この構成は単一の IP インスタンスによって実装されるため、大域ゾーンで物理インタフェースを制御し、経路テーブルなどの大域リソースを管理します。

Oracle Solaris では、排他 IP インスタンスと呼ばれる 4 つ目の構成タイプが、非大域ゾーンで使用可能になっています。この構成では、非大域ゾーンに独自の IP インスタンスが割り当てられ、各ゾーンは独自の物理インタフェースを管理します。各ゾーンは別個のシステムであるかのように動作します。説明については、Oracle Solaris ゾーンの紹介 のゾーンネットワークインタフェースを参照してください。

Trusted Extensions で排他 IP インスタンスを構成した場合、各ラベル付きゾーンは、独立したシングルレベルシステムであるかのように動作します。Trusted Extensions のマルチレベルネットワーク機能は、共有 IP スタックの機能に依存しています。このガイドでは、ネットワークが完全に大域ゾーンによって制御されるものと仮定しています。したがって、初期設定チームが排他的 IP インスタンスでラベル付きゾーンをインストールした場合は、サイト固有のドキュメントを用意するか参照する必要があります。