Trusted Extensions 構成と管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

リモートアクセス用に Xvnc で Trusted Extensions システムを構成する

仮想ネットワークコンピューティング (Virtual Network Computing、VNC) テクノロジは、クライアントをリモートサーバーに接続し、クライアントのウィンドウにリモートサーバーのデスクトップを表示します。Xvnc は UNIX バージョンの VNC であり、標準 X サーバーをベースにしています。Trusted Extensions では、どのプラットフォーム上のクライアントでも、Trusted Extensions が実行されている Xvnc サーバーに接続して、Xvnc サーバーにログインし、マルチレベルデスクトップ上で表示して作業できます。

詳細は、Xvnc(1) および vncconfig(1) のマニュアルページを参照してください。

始める前に

Xvnc サーバーとして使用されるこのシステム上で、Trusted Extensions のインストールと構成が完了しています。このシステムの大域ゾーンは固定 IP アドレスを持ちます。つまりこのゾーンでは、netcfg(1M) のマニュアルページで説明されている自動ネットワーク構成プロファイルは使用されていません。

このシステムは、VNC クライアントをホスト名か IP アドレスで認識します。具体的には、admin_low セキュリティーテンプレート内で、このサーバーの VNC クライアントになれるシステムが、明示的に特定されるかワイルドカードを使用して特定されます。接続を安全に構成する方法の詳細については、トラステッドネットワーク上で接続できるホストを制限するを参照してください。

現在、将来の Trusted Extensions Xvnc サーバーのコンソールの GNOME セッションで実行している場合は、デスクトップ共有を有効にする必要はありません。

将来の Trusted Extensions Xvnc サーバーの大域ゾーンで root 役割になっています。

  1. Xvnc ソフトウェアを読み込むか更新します。
    # pkg search vnc
    ... set    VNC client based on the TigerVNC open source release that 
               displays a session over RFB protocol from a VNC server
               pkg:/desktop/remote-desktop/tigervnc@version
    ... set    X Window System server based on X.Org Foundation open source
               release and TigerVNC open source release that displays over
               RFB protocol to a VNC client
               pkg:/x11/server/xvnc@version
    ...

    オプションの 1 つとして、TigerVNC X11/VNC サーバーソフトウェアがあります。

    # pkg install server/xvnc
    # pkg install remote-desktop/tigervnc

    注 - GUI を開くことができない場合は、ローカルの root アカウントを X サーバーのアクセス制御リストに追加します。X サーバーにログインしたユーザーでこのコマンドを実行します。
    % xhost +si:localuser:root

    詳細は、xhost(1) および Xsecurity(5) のマニュアルページを参照してください。


  2. X ディスプレイマネージャーの制御プロトコルを有効にします。

    GNOME ディスプレイマネージャー (gdm) のカスタム構成ファイルを変更します。/etc/gdm/custom.conf ファイルの [xdmcp] 見出しの下に、Enable=true と入力します。

    [xdmcp]
    Enable=true
  3. /etc/gdm/Xsession ファイルの 27 行目あたりに、次の行を挿入します。

    ヒント  -  Xsession ファイルの変更を行う前に元のコピーを保存します。
    DISPLAY=unix:$(echo $DISPLAY|sed -e s/::ffff://|cut -d: -f2)

    Step 2 およびStep 3 のファイルには、パッケージ属性 preserve=true が付いています。パッケージのアップグレードおよびパッケージの修正の際に、変更したファイルがこの属性によって受ける影響については、pkg(5) のマニュアルページを参照してください。

  4. Xvnc サーバーのサービスを有効にします。
    # svcadm enable xvnc-inetd
  5. このサーバー上のアクティブな GNOME セッションをすべてログアウトさせます。
    # svcadm restart gdm

    デスクトップマネージャーが再起動するまで約 1 分間待ちます。これで、VNC クライアントが接続可能となります。

  6. Xvnc ソフトウェアが有効になっていることを確認します。
    % svcs | grep vnc
  7. この Xvnc サーバーの VNC クライアントすべてに対して、VNC クライアントソフトウェアをインストールします。

    クライアントシステムでは、ソフトウェアを選択できます。Oracle Solaris リポジトリの VNC ソフトウェアを使用できます。

  8. (オプション)VNC 接続を監査します。

    システム別およびユーザー別の監査イベントの事前選択については、Oracle Solaris 11.2 での監査の管理 の監査サービスの構成を参照してください。

  9. Xvnc サーバーのワークスペースを VNC クライアント上で表示するには、次の手順を実行します。
    1. クライアントの端末ウィンドウで、サーバーに接続します。
      % /usr/bin/vncviewer Xvnc-server-hostname

      コマンドのオプションについては、vncviewer(1) のマニュアルページを参照してください。

    2. 表示されるウィンドウで、ユーザー名とパスワードを入力します。

      ログイン手順に進みます。残りの手順については、Trusted Extensions ユーザーズガイド のTrusted Extensions へのログインを参照してください。

使用例 12-2  テスト環境で Vino を使用してデスクトップを共有する

この例では、2 人の開発者が GNOME Vino サービスを使用して「起動」->「システム」->「設定」->「デスクトップの共有」メニューからディスプレイを共有しています。前述の手順に加えて、XTEST 拡張を有効することによって Trusted Extensions ポリシーを引き下げます。

# pfedit /usr/X11/lib/X11/xserver/TrustedExtensionsPolicy
## /usr/X11/lib/X11/xserver/TrustedExtensionsPolicy file
...
#extension XTEST
extension XTEST
...