Trusted Extensions 構成と管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

ゾーンとマルチレベルポート

デフォルトでは、ゾーンはほかのゾーンとの間でパケットを送受信できません。マルチレベルポート (MLP) を使用すると、ポート上の特定のサービスがラベルの範囲内の、またはラベルセットからの要求を受け取ることができます。これらの特権サービスは、要求のラベルで返信できます。たとえば、すべてのラベルで待機できるが、その返信はラベルによって制限されるような特権 Web ブラウザポートを作成できます。デフォルトでは、ラベル付きゾーンは MLP を持ちません。

MLP で受け取れるパケットを制約するラベル範囲またはラベルセットは、ゾーンの IP アドレスに基づきます。Trusted Extensions システムと通信を行うことで、IP アドレスにセキュリティーテンプレートが割り当てられます。セキュリティーテンプレートのラベル範囲またはラベルセットによって、MLP が受け取れるパケットが制約されます。

    異なる IP アドレス構成での MLP の制約は次のとおりです。

  • 大域ゾーンが IP アドレスを持ち、各ラベル付きゾーンが一意の IP アドレスを持つシステムでは、特定のサービス用の MLP を各ゾーンに追加できます。たとえば、TCP ポート 22 上の ssh サービスが大域ゾーンと各ラベル付きゾーンで MLP であるようにシステムを構成できます。

  • 通常の構成では、大域ゾーンには 1 つの IP アドレスが割り当てられ、ラベル付きゾーンは 2 番目の IP アドレスを大域ゾーンと共有します。MLP を共有インタフェースに追加すると、サービスパケットは MLP が定義されているラベル付きゾーンに経路指定されます。パケットは、ラベル付きゾーンのリモートホストテンプレートのラベル範囲がパケットのラベルを含んでいる場合にだけ受け取られます。範囲が ADMIN_LOW から ADMIN_HIGH の場合、すべてのパケットが受け取られます。範囲がこれより狭い場合、範囲内にないパケットは破棄されます。

    最大で 1 つのゾーンが、特定のポートを共有インタフェースでの MLP として定義できます。前述のシナリオでは、ssh ポートが非大域ゾーンの共有 MLP として構成され、それ以外のゾーンは共有アドレスで ssh 接続を受け取ることができません。ただし、大域ゾーンはゾーン固有のアドレスで接続を受け取るプライベート MLP として ssh ポートを定義できます。

  • 大域ゾーンとラベル付きゾーンが IP アドレスを共有するデフォルト構成では、ssh サービス用の MLP を 1 つのゾーンに追加できます。ssh 用の MLP を大域ゾーンに追加した場合、ラベル付きゾーンは ssh サービス用の MLP を追加できません。同様に、ssh サービス用の MLP をラベル付きゾーンに追加した場合、ssh MLP を使用して大域ゾーンを構成することはできません。

例については、ゾーンにマルチレベルポートを作成するを参照してください。