Trusted Extensions 構成と管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

ラベル付きゾーンごとに異なるネームサービスを構成する

この手順では、各ラベル付きゾーンで、ネームサービスデーモン (nscd) を個別に構成します。この構成がサポートする環境では、各ゾーンがそのゾーンのラベルで動作するサブネットに接続されており、そのサブネットワークにはそのラベル用の独自のネームサーバーがあります。ラベル付きゾーンでは、インストールする予定のパッケージがそのラベルのユーザーアカウントを必要とする場合、ゾーンごとに個別のネームサービスを構成することができます。背景情報については、Applications That Are Restricted to a Labeled Zoneおよび Decisions to Make Before Creating Users in Trusted Extensionsを参照してください。

始める前に

Labeled Zone Manager が表示されています。この GUI を開くには、How to Create Labeled Zones Interactively を参照してください。大域ゾーンで root 役割になっています。

  1. Labeled Zone Manager で、「Configure per-zone name service」を選択し、「了解」をクリックします。

    注 - このオプションは、初期システム構成時に一度だけ使用されるように意図されています。
  2. 各ゾーンの nscd サービスを構成します。

    補足情報については、nscd(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. システムをリブートします。
    # /usr/sbin/reboot

    root 役割になってStep 1 で Labeled Zone Manager を実行したユーザーのアカウントが、リブート後に各ゾーン内に構成されます。ラベル付きゾーンに固有のほかのアカウントは、ゾーンに手動で追加する必要があります。


    注 - LDAP リポジトリに格納されたアカウントは、引き続き大域ゾーンから管理されます。
  4. ゾーンごとに、ルートとネームサービスデーモンを確認します。
    1. ゾーンコンソールで nscd サービスを表示します。
      zone-name # svcs -x name-service/cache
      svc:/system/name-service/cache:default (name service cache)
      State: online since September 10, 2012  10:10:12 AM PDT
      See: nscd(1M)
      See: /var/svc/log/system-name-service-cache:default.log
      Impact: None.
    2. サブネットワークへのルートを確認します。
      zone-name # netstat -rn
使用例 4-3  各ラベル付きゾーンからのネームサービスキャッシュの削除

システム管理者が、ゾーンごとのネームサービスデーモンをテストしたあとで、ラベル付きゾーンからネームサービスデーモンを削除し、大域ゾーンでのみデーモンを実行することにしました。管理者はシステムをデフォルトのネームサービス構成に戻すために、txzonemgr GUI を開き、大域ゾーンを選択して、「Unconfigure per-zone name service」、「OK」の順に選択します。この選択により、すべてのラベル付きゾーンで nscd デーモンが削除されます。次に、管理者はシステムをリブートします。

次のステップ

各ゾーンのユーザーおよび役割のアカウントを構成する場合の選択肢は、3 つあります。

  • マルチレベルの LDAP ディレクトリサーバーに LDAP アカウントを作成できます。

  • 個々の LDAP ディレクトリサーバー (ラベルごとに 1 つずつ) に LDAP アカウントを作成できます。

  • ローカルアカウントを作成できます。

各ラベル付きゾーンでネームサービスデーモンを個別に構成すると、すべてのユーザーのパスワード処理に影響が及びます。ユーザーは、デフォルトラベルに対応するゾーンも含め、どのラベル付きゾーンにアクセスする際にも、自身を認証する必要があります。さらに、管理者が各ゾーン内でローカルにアカウントを作成する必要があるか、あるいは、ゾーンが LDAP クライアントになっている場合には LDAP ディレクトリ内にアカウントが存在している必要があります。

大域ゾーン内のアカウントが Labeled Zone Manager txzonemgr を実行しているような特殊な場合には、少なくともそのアカウントが各ゾーンにログインできるように、そのアカウントの情報が各ラベル付きゾーンにコピーされます。デフォルトでは、このアカウントが初期ユーザーアカウントになります。