マニュアルページセク ション 1M: システム管理コマンド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

nscd(1M)

名前

nscd - ネームサービスキャッシュデーモン

形式

/usr/sbin/nscd [-f configuration-file] [-g] [-e cachename, yes
 | no] [-i cachename]

説明

nscd デーモンは、大半のネームサービス要求用のキャッシュを提供するプロセスです。svc:/system/name-service/cache SMF サービスのサービスプロパティーは、キャッシュデーモンの動作を決定します。nscd.conf(4) を参照してください。

nscd provides caching for the passwd(4), group(4), hosts(4), ipnodes(4), exec_attr(4), prof_attr(4), user_attr(4), ethers(4), rpc(4), protocols(4), networks(4), bootparams(4), auth_attr(4), services(4), netmasks(4), project(4) databases through standard libc interfaces, such as gethostbyname(3NSL), getipnodebyname(3SOCKET), gethostbyaddr(3NSL), and others. ただし、シャドウファイルはキャッシュされません。結果として、getspnam(3C) の呼び出しはキャッシュされません。

データの生存期間は、キャッシュによって異なります。デフォルトでは、ローカルデータベース (/etc/hosts/etc/passwd など) を変更すると、次回の nscd の呼び出し時にキャッシュが無効になります。

svc:/system/name-service/cache がオプションで依存する任意のサービス (以下に一覧表示) をリフレッシュおよび再表示すると、nscd が再起動します。これにより、すべてのキャッシュが効率的にクリアされます。

nscd.conf(4) を参照してください。

nscd は、独自の管理ツールとしても動作します。nscd のインスタンスが稼働している場合は、コマンドが稼働中のバージョンに透過的に渡されます。

nscd は、ユーザーごとの検索が有効な状態 (nscd.conf(4) を参照) で稼働している場合に、要求を行うユーザーのために子プロセスを 1 つだけ生成します (ユーザーごとの nscd )。ユーザーごとの nscd は、ユーザーの資格情報を使って、ユーザーごとの検索スタイルに合わせて構成されたネームリポジトリへのユーザーごとの接続を開きます。検索は子プロセスで行われます。結果はプロセス内にキャッシュされ、同じユーザーだけが使用できます。キャッシュの管理方法は、メインの nscd デーモンが自身のキャッシュを管理する方法とまったく同じです。ユーザーからの以降の要求は、ユーザーごとの nscd が終了するまでは、その nscd により処理されます。ユーザーごとの nscd では、構成可能な非アクティブ生存期間 (TTL) の値が使用されるため、非アクティブ TTL を過ぎると終了します。

メインの nscd で作成可能なユーザーごとの nscd の最大数を指定できます (nscd.conf(4) を参照)。作成数が最大数を超過すると、メインの nscd は、必要に応じ、LRU アルゴリズムを使ってあまりアクティブでない子 nscd を終了します。

メインの nscd デーモンは、子 nscd をすべて作成、監視、および管理します。ユーザーごとの検索の初回受信時に、ユーザー自身の nscd を作成します。nscd デーモンの起動時にユーザーごとの検索が有効である場合、このデーモンは条件をすべて満たしていることを確認してから、ユーザーごとの nscd の作成を準備します。デーモンが停止すると、制御下にあるユーザーごとの nscd がすべて終了します。

ユーザーごとの nscd は、メインの nscd と同じ構成を使用します。同じデフォルト構成ファイルか、–f コマンド行オプションで指定されたものを読み込んで使用します。構成がいったん読み込まれると、ユーザーごとの nscd は、構成が有効な限りそれを使用します。

オプション

後述するオプションのいくつかでは、cachename の指定が必須です。cachename に指定可能な値には、passwdgrouphostsipnodesexec_attr prof_attruser_attrethersrpcprotocolsnetworksbootparamsauth_attrservicesnetmasks printersproject があります。

–f configuration-file

nscd は、指定されたファイルから構成データを読み取ります。このオプションは廃止されており、将来のリリースで削除される予定です。

–g

現在の構成および統計を標準出力に出力します。これは、root 以外のユーザーが実行可能な唯一のオプションです。

–e cachename, yes|no

指定されたキャッシュを有効または無効にします。

–i cachename

指定されたキャッシュを無効にします。

使用例 1 nscd デーモンを停止して再起動します。

example# svcadm disable system/name-service/cache

example# svcadm enable system/name-service/cache

ファイル

/etc/nscd.conf

廃止。以前はキャッシュデーモンの動作を決定していました。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os

関連項目

svcs(1), svcadm(1M), ypbind(1M), getspnam(3C), gethostbyname(3NSL), getipnodebyname(3SOCKET), auth_attr(4), bootparams(4), ethers(4), exec_attr(4), group(4), hosts(4), netmasks(4), networks(4), nscd.conf(4), nsswitch.conf(4), passwd(4), prof_attr(4), project(4), protocols(4), resolv.conf(4), rpc(4), services(4), user_attr(4), attributes(5)

nscd–g オプションを指定した場合の出力は、変更される可能性があります。プログラミングインタフェースとして、これに依存しないようにしてください。

nscd サービスは、サービス管理機能 smf(5) によって、次のサービス識別子として管理されます。

svc:/system/name-service/cache

有効化、無効化、または再起動要求など、このサービスに関する管理操作は、svcadm(1M) を使用して実行できます。サービスステータスを照会するには、svcs(1) コマンドを使用します。

廃止されたサービス svc:/system/name-service/cache は、下位互換性を確保するために、参照される可能性のあるスクリプトとともに保持されています。唯一の目的は、サービス svc:/system/name-service/cache への optional_all 依存として機能することです。廃止されたサービスの名前は、将来のリリースで削除されます。