マニュアルページセク ション 1: ユーザーコマンド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

svcs(1)

名前

svcs - サービスのステータスを報告

形式

svcs [-aHpv?] [-o col[,col]]... [-R FMRI-instance]... 
     [-sS col]... [FMRI | pattern]...
svcs {-d | -D} [-Hpv?] [-o col[,col]]... [-sS col]... 
     [FMRI | pattern] ...
svcs -n [FMRI] ...
svcs -l [-v] [FMRI | pattern]...
svcs -L [-v] [FMRI]...
svcs -x [-v] [-L] [FMRI]...

説明

svcs コマンドは、サービス構成リポジトリに記録されているサービスインスタンスに関する情報を表示します。

このコマンドの 1 番目の形式では、引数に指定したサービスインスタンスのステータスが、1 行のリストとして出力されます。各インスタンスは 1 回だけ出力されます。引数を指定しない場合は、有効になっているすべてのサービスインスタンス (一時的に無効になっているものも含む) が、あとに示すように列のリストとして出力されます。

2 番目の形式では、引数に指定したサービスインスタンスの依存関係 (依存しているサービス) のステータスが、1 行のリストとして出力されます。

3 番目の形式では、特定のサービスおよびインスタンスに関する詳細情報が出力されます。

4 番目の形式では、サービスインスタンスの状態の説明が出力されます。指定した引数ごとに、サービスの状態およびその状態になった理由の説明が、人間が読み取れる形式のテキストで表示されます。引数を指定しない場合は、問題の発生したサービスの説明が表示されます。

エラーメッセージが標準エラーストリームに出力されます。

このコマンドの出力は、svcadm(1M) コマンドへの適切な入力として使用できます。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–?

列指定子を含めて、使用状況のメッセージを詳細に表示します。

–a

無効なサービスや不完全なサービスを含め、すべてのサービスを表示します。不完全なサービスについては、svcs —x<service> を使用してさらに詳細を表示できます。

サービスが選択されている場合は、このオプションの効果はありません。

–d

指定されたサービスインスタンスが依存するサービスまたはサービスインスタンスの一覧を表示します。

–D

指定されたサービスまたはサービスインスタンスに依存するサービスインスタンスの一覧を表示します。

–H

列ヘッダーを省略します。

–l

(小文字のエル)選択されたサービスおよびサービスインスタンスについて、表示可能な情報をすべて表示します。各行に 1 つのサービス属性が表示されます。異なるインスタンスの情報は、空白行で区切られます。

次の属性について個別に説明します。

dependency

依存関係に関する情報。グループ化および restart_on プロパティーが最初に表示されます。プロパティーの間はスラッシュ (/) で区切られます。次に、各エンティティーとその状態が表示されます。状態の詳細については、smf(5) を参照してください。標準の状態のほかに、各サービスの依存関係に次の状態説明が表示される場合があります。

absent

このサービスはシステムに定義されていません。

invalid

障害管理リソース識別子 (FMRI) は無効です (smf(5) を参照)。

multiple

このエンティティーは、複数のインスタンスを持つサービスです。

ファイルの依存関係には、次のいずれかの状態説明のみ表示されます。

absent

このファイルはシステムに存在しません。

online

このファイルは存在します。

最後に svc.startd がサービスの依存関係を評価したときにファイルが存在しなかった場合には、依存関係が満たされていないものとみなされることがあります。svcadm refresh は、強制的に依存関係を再評価します。

unknown

ENOENT 以外の理由で、stat(2) が失敗しました。

依存関係、グループ化、および restart_on の値の詳細については、smf(5) を参照してください。

enabled

このサービスが有効であるかどうか、および一時的に (次回のシステムリブートまで) 有効であるか無効であるかの情報。サービスが有効かどうかは、true または false によって示されます。一時的に有効かどうかは、(temporary) が存在するかどうかで示されます。

管理者が svcadm disable -t を実行した場合、svcadm milestone を使用した場合、または特定のタイミングにシステムをブートした場合に、サービスが一時的に無効になることがあります。詳細については、svcadm(1M) を参照してください。

–L

選択したサービスインスタンスのサービスリスタータによって作成されたログファイルにパスを出力します。

–x を使用すると、エラーなしのメソッド終了のログメッセージの最後の出現後から始まるログファイル、またはログファイルの最後の 10 行のいずれか小さい方を、そのサービスインスタンスの説明の末尾に出力します。エラーなしのメソッド終了のログメッセージがログファイルの最後の行に存在する場合、ログファイルの最後の 5 行を出力します。

–v を使用し、単一のサービスインスタンスが入力に一致している場合にのみ、ログファイルの内容を出力します。複数のサービスインスタンスが入力に一致する場合、各サービスインスタンスのログファイルの最後の 10 行を出力します。

–n

通知パラメータを出力します。smf(5) を参照してください。これは、選択された FMRI またはパターンに関係なく、FMA イベント通知パラメータとシステム全体の SMF 状態遷移通知パラメータを常に出力します。

–o col[,col]...

指定された列を出力します。各 col は列名でなければなりません。指定できる列については、後述の「」を参照してください。

–p

各サービスインスタンスに関連付けられているプロセスの一覧を表示します。サービスインスタンスによっては、プロセスが関連付けられていないことがあります。プロセス ID、開始時間、およびコマンド名 (ps(1) の PID、STIME、および CMD フィールド) がプロセスごとに表示されます。

–R FMRI-instance

指定されたサービスインスタンスをリスタータとして使用するサービスインスタンスを選択します。

–s col

出力を列でソートします。col は列名でなければなりません。指定できる列については、後述の「」を参照してください。複数の –s オプションが指定された場合は、指定された順番にソートします。

–S col

オプション –s と反対の順序に、 col でソートします。

–v

–x または –l が指定されていない場合は、次の冗長列を表示します: STATENSTATESTIMECTID、および FMRI

–x が指定されている場合は、各説明に関する追加情報を表示します。

–l が指定されている場合は、タイプ application のプロパティーグループのユーザーが表示可能なプロパティーとその説明を表示します。

–x

サービスの状態の説明を表示します。

引数が指定されていない場合の –x オプションは、次のようなサービスの状態説明を表示します。

  • 有効になっているが、実行されていない。

  • 別の有効なサービスが動作しているので、実行できない。

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

FMRI

1 つまたは複数のインスタンスを指定する障害管理リソース識別子 (FMRI) (smf(5) を参照)。FMRI は、インスタンス名、またはサービス名の最後の部分を指定する方法で、省略して入力することができます。たとえば、次の FMRI があるとします。

svc:/network/smtp:sendmail

次のような省略が有効です。

sendmail
:sendmail
smtp
smtp:sendmail
network/smtp

次のような省略は無効です。

mail
network
network/smt

FMRI にサービスを指定した場合は、–D オプションを一緒に使用している場合を除いて、そのサービスのすべてのインスタンスにコマンドが適用されます。

FMRI の省略形は不安定なので、スクリプトやその他の長期に渡って使用するツールには使用しないでください。

pattern

fnmatch(5) で説明されている展開規則に従ってサービスインスタンスの FMRI と照合されるパターン。このパターンが「svc:」で始まっていない場合は、「svc:/」が前に付加されます。glob パターンの一般的な例を次に示します。

qexample% svcs \*keyserv\*
STATE          STIME     FMRI
disabled       Aug_02    svc:/network/rpc/keyserv:default
FMRI-instance

あるインスタンスを指定する FMRI。

列名の大文字と小文字は区別されません。デフォルトの出力形式は「–o state,stime,fmri」です。デフォルトのソート列は STATESTIMEFMRI です。

CTID

サービスインスタンスのプライマリ契約 ID。すべてのインスタンスに有効なプライマリ契約 ID が割り当てられているわけではありません。

DESC

テンプレート要素から渡された、サービスの簡単な説明。説明が渡されていないサービスの場合は、値が空であることを示すために、ハイフン (-) が使用されます。

FMRI

サービスインスタンスの FMRI

INST

サービスインスタンスのインスタンス名。

NSTA

サービスインスタンスの次の状態 (省略名)。STA 列の説明を参照してください。ハイフンは、インスタンスが移行していないことを示します。それ以外は STA と同じです。

NSTATE

サービスの次の状態。ハイフンは、インスタンスが移行していないことを示します。それ以外は STATE と同じです。

SCOPE

サービスインスタンスの有効範囲名。

SVC

サービスインスタンスのサービス名。

STA

サービスインスタンスの状態 (省略名) (smf(5) を参照)。

DGD

機能低下

DIS

無効

LRC

レガシー rc*.d スクリプト主導インスタンス

MNT

保守

OFF

オフライン

ON

online

UN

未初期化

状態が存在しないか認識されない場合は、疑問符 (?) が表示されます。移行中のインスタンスにはアスタリスク (*) が付加されます。ただし、NSTA 列または NSTATE 列が一緒に表示されている場合には付加されません。

サービスの状態の説明については、smf(5) を参照してください。

STATE

サービスインスタンスの状態。移行中のインスタンスには、アスタリスクが付加されます。ただし、NSTA 列または NSTATE 列が一緒に表示されている場合には付加されません。

サービスの状態の説明については、smf(5) を参照してください。

STIME

直前の 24 時間の間にサービスインスタンスが現在の状態になった場合は、この列にその時間が表示されます。それ以外の場合は、その日付が表示されます。空白の場所は下線 (_) に変換されます。

使用例 1 デフォルトの出力を表示する

この例では、デフォルトの出力が表示されます。

example% svcs
STATE          STIME    FMRI
...
legacy_run     13:25:04 lrc:/etc/rc3_d/S42myscript
...
online         13:21:50 svc:/system/svc/restarter:default
...
online         13:25:03 svc:/milestone/multi-user:default
...
online         13:25:07 svc:/milestone/multi-user-server:default
...
使用例 2 すべてのローカルインスタンスの一覧を表示する

この例では、service1 サービスのすべてのローカルインスタンスの一覧が表示されます。

example% svcs -o state,nstate,fmri service1
STATE        NSTATE        FMRI
online       -             svc:/service1:instance1
disabled     -             svc:/service1:instance2
使用例 3 冗長情報を表示する

この例では、冗長情報が表示されます。

example% svcs -v network/rpc/rstat:udp
STATE          NSTATE        STIME    CTID   FMRI
online         -             Aug_09        - svc:/network/rpc/rstat:udp
使用例 4 詳細情報を表示する

この例では、system/service3 のすべてのインスタンスに関する詳細情報が表示されます。管理しているリスタータに応じて、追加フィールドが表示されます。

example% svcs -l network/rpc/rstat:udp

fmri         svc:/network/rpc/rstat:udp
enabled      true
state        online
next_state   none
restarter    svc:/network/inetd:default
contract_id
dependency   require_all/error svc:/network/rpc/bind (online)
使用例 5 プロセスを表示する
example% svcs -p sendmail
STATE          STIME    FMRI
online         13:25:13 svc:/network/smtp:sendmail
               13:25:15   100939 sendmail
13:25:15   100940 sendmail  
使用例 6 svcs –x を使用したサービス状態の説明

(a) この例では、svcs –x を実行することで、無効になっている print/server サービスが、ある 2 つのサービスが有効なのにオンラインになっていない根本原因であることが明らかになりました。svcs –xv を実行すると、それらのサービスが print/rfc1179print/ipp-listener であることがわかります。この状況を解決するには、print/server を有効にするか、あるいは rfc1179ipp-listener を無効にします。

example% svcs -x
svc:/application/print/server:default (LP print server)
 State: disabled since Mon Feb 13 17:56:21 2006
Reason: Disabled by an administrator.
   See: http://support.oracle.com/msg/SMF-8000-05
   See: lpsched(1M)
Impact: 2 dependent services are not running. (Use -v for list.)

(b) この例では、NFS が動作していません。

example$ svcs nfs/client
STATE          STIME    FMRI
offline        16:03:23 svc:/network/nfs/client:default

(c) 次の例から、問題は nfs/status にあることがわかります。nfs/client が待機中になっている理由は、nfs/status に依存する nfs/nlockmgr に、自身が依存しているからです。

example$ svcs -xv nfs/client
svc:/network/nfs/client:default (NFS client)
 State: offline since Mon Feb 27 16:03:23 2006
Reason: Service svc:/network/nfs/status:default
        is not running because a method failed repeatedly.
   See: http://support.oracle.com/msg/SMF-8000-GE
  Path: svc:/network/nfs/client:default
          svc:/network/nfs/nlockmgr:default
            svc:/network/nfs/status:default
   See: man -M /usr/share/man -s 1M mount_nfs
   See: /var/svc/log/network-nfs-client:default.log
Impact: This service is not running.

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

コマンド呼び出しに成功しました。

1

致命的エラーが発生したことを表します。

2

無効なコマンド行オプションが指定された。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os
インタフェースの安定性
下記を参照。

画面出力は「不確実」です。呼び出しは「確実」です。

関連項目

ps(1), svcprop(1), svcadm(1M), svccfg(1M), svc.startd(1M), stat(2), libscf(3LIB), attributes(5), fnmatch(5), smf(5)