マニュアルページセク ション 1: ユーザーコマンド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

iconv(1)

名前

iconv - コードセット変換ユーティリティー

形式

iconv [-cs] -f frommap -t tomap [file]...
iconv -f fromcode [-cs] [-t tocode] [file]...
iconv -t tocode [-cs] [-f fromcode] [file]...
iconv -l

説明

iconv ユーティリティーは、file で示すファイル中にある文字群または一連の文字群に対し、コードセットを変換してその結果を標準出力に書き出します。出力側のコードセットが対応する文字を持っていない文字は、実装で定義された文字に変換されます。

サポートされる変換処理の一覧と変換テーブルの場所は、iconv(5) のマニュアルページに記載されています。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–c

入力ファイルのコードセットにおいて無効な文字を出力しません。–c オプションを指定しない場合、入力ストリームで無効な文字に遭遇したときの結果は、指定した変換用コードセットによって異なります。無効な文字とは、入力ファイルのコードセットにおいて無効な文字であるか、出力ファイルのコードセットにおいて対応する文字がない文字であるかのどちらかです。–c オプションは iconv の終了ステータスには影響しません。–-f オプションの fromcodesetfromcode を指定した場合、あるいは、–t オプションの tocodesettocode を指定した場合、–c オプションは無視されます。

–f fromcodeset

入力ファイルのコードセットを設定します。fromcodeset オプション引数は、次の 2 つの形式が認識されます。

fromcode

fromcode オプション引数には、スラッシュ (/) 文字を使用してはいけません。これはコードセット記述の名前として解釈されます。

frommap

frommap オプション引数には、スラッシュ文字を使用する必要があります。これは charmap(5) で定義されている charmap ファイルのパス名として解釈されます。このパス名が有効で読み取り可能な charmap ファイルを参照していない場合、その結果は定義されていません。

このオプションを指定しない場合、現在のロケールのコードセットが使用されます。

–l

サポートされるすべての fromcodetocode の値を標準出力に書き出します。

–s

無効な文字に関するメッセージを標準エラーに書き込みません。–s を使用しない場合、入力ストリームで無効な文字に遭遇したときの結果は、指定した変換用コードセットによって異なります。無効な文字とは、入力ファイルのコードセットにおいて無効な文字であるか、出力ファイルのコードセットにおいて対応する文字がない文字であるかのどちらかです。–s オプションは iconv の終了ステータスには影響しません。–fオプションの fromcodesetfromcode を指定した場合、あるいは、–t オプションの tocodesettocode を指定した場合、–s オプションは無視されます。

–t tocodeset

出力ファイルのコードセットを設定します。tocodeset オプション引数は、次の 2 つの形式が認識されます。

tocode

tocode オプション引数には、スラッシュ (/) 文字を使用してはいけません。これはコードセット記述の名前として解釈されます。

tomap

tomap オプション引数には、スラッシュ文字を使用する必要があります。これは charmap(5) で定義されている charmap ファイルのパス名として解釈されます。このパス名が有効で読み取り可能な charmap ファイルを参照していない場合、その結果は定義されていません。

このオプションを指定しない場合、現在のロケールのコードセットが使用されます。

–f オプションまたは –t オプションの一方を charmap として指定して、他方を charmap として指定しないか、他方を指定しない場合、あるいは、–f オプションまたは –t オプションを両方とも指定しない場合、iconv は失敗して、エラーになります。

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

file

入力ファイルのパス名。file オペランドが指定されない、または - の場合、標準入力が使用されます。

使用例 1 ファイルを変換して保存する

次の例は、ファイル mail1 の内容を 8859 から 646fr へコードセット変換し、その結果をファイル mail.local に書き出します。

example% iconv -f 8859 -t 646fr mail1 > mail.local

環境変数

iconv の実行に影響を与える次の環境変数の詳細については、environ(5) を参照してください。LANG、LC_ALL、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、および NLSPATH。

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

正常終了。

1

エラーが発生しました。

ファイル

/usr/lib/iconv/iconv_data

変換テーブルでサポートしている変換のリスト

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os
インタフェースの安定性
確実
標準
standards(5) を参照してください。

関連項目

iconv(3C), iconv_open(3C), attributes(5), charmap(5), environ(5), iconv(5), iconv_unicode(5), standards(5)

2 つのコードセットに共通な文字には、両方の charmap ファイルが同じシンボリック名を使用していることを確認してください。

–l オプションの出力形式は定義されていません。–l オプションはシェルスクリプトで使用するようには設計されていません。

fromcode または tocode をコードセット変換用に指定した場合、iconviconv_open(3C) 関数を使用します。iconv_open(3C) が指定されたコードセット変換を開くのに失敗した場合、iconv は適切な変換テーブルを検索します。iconv_open(3C) がサポートするコード変換については、iconv(5) および iconv_locale(5) を参照してください。